2/12
デート現場の目撃にショックを隠し切れないんだが
シンヤにそう慰められたのだが、
ダメだった。
追い討ちをかけるように、
俺達の背後を、二人が通ったのだ。
「え、え、、」
シンヤの驚きの声だった。
学園一の秀才が、学園一頭のいい幼馴染が、
何故かゲーセンに入ってきた件。
俺はゲーム機の画面に向かって一応座りかけたんだが、ふたりの声を敏感に察知し、
その場で動きを止めた。
振り向かなかった。
振り向いたら、きっと悔しくて泣いてしまいそうだから。
俺は底辺陰キャ。
勉強はできず、学年ビリ。
が、唯一の取り柄は格闘技ゲームをはじめとしたゲーム。ゲーセンは俺にとって輝ける場所。こんな、俺のテリトリー内でなぜに、
ゲームとは縁のない幼馴染と、
そして、陽キャのなかの陽キャ、イケメンのなかのイケメンさまがなぜにこんな日の当たらないゲーセンにやって来たのか理解不能なんですが。
未だかつて、イケメン藤島をゲーセンで目撃したことは皆無。だって、奴はサッカー部に所属して、日のあたるところで女の子にキャーキャー言われる役目。
日曜日とはいえ。
なぜこんなところに!?