13話 元気な2人
アルバイトの面接に合格した後はシフト希望の紙を渡されたり振込先の通帳を持ってくるように言われて終了。また明日改めて必要なものを用意して行くことになった。
「ただいま〜」
電気が付いているってことは輝夜ちゃんの方が先に終わって帰ってきているってことだね。
「お帰りなさい、灯」
「あぁ……幸せ……」
帰ってきたら好きな人に「おかえり」を言ってもらえる幸せ、これがもうたまりませんわ。
「輝夜ちゃんの方はどうだった?」
「簡単な筆記試験と簡単な面接でしたね。特に問題はなかったと思います。明日には結果が出るそうです」
あ、その場で採用! ってわけにはいかないんだ。さすが塾講師……スーパーとは違うわけだね。簡単な筆記試験とは言ってるけど私からしたら難しいんだろうなぁ。
「塾長さん? はいい人そうだった?」
「はい。優しそうな方でしたよ。自習に来ている生徒も見れましたが雰囲気は良さそうでした」
ほへ〜。色々なところを見てるんだな〜。さすがは輝夜ちゃんって感じだね。
「灯の方はどうでした?」
「私はもう採用してくれたよ。面接は……輝夜ちゃんへの愛を伝えたら合格した☆」
「な、何を言ったんですか! もう……」
顔をほんのり赤くして照れる輝夜ちゃん。可愛い〜♡
「別に変なことは言ってないよ? ただ同居している人のことが大好きって正直に言っただけで……」
「それ十分恥ずかしいですよ、もう……」
完全に照れ照れモードになっちゃった輝夜ちゃん。こんな時は……
そぉっと輝夜ちゃんの後ろに回り込んで後ろから抱きしめる。
「ちょっと、灯?」
「いいでしょ? なんかそういう気分になっちゃった」
「まだお昼ですよ……」
「性欲はお昼くらいが1番ピークになるらしいよ?」
「まったく……変な知識は豊富なんですから、もう」
スッとさりげなく手を輝夜ちゃんの胸へもっていく。優しく、優しくソフトタッチしてあげると……
「んっ……本当にする気ですか?」
「うん。しよ?」
「……仕方ないですね」
今日はお昼からお盛んになりました。
目が覚めたらベットの上。夕日が窓から差し込んできて眩しい……。そっか、エッチした後疲れてお昼寝しちゃったんだ。……うわ、裸のままだし。隣の輝夜ちゃんも裸のままか。まだ寝てるから色々と好き勝手できそう……だけどやめておこう。輝夜ちゃんの性欲スイッチを入れちゃうと私がもたなくなる。絶対に。
性欲モンスターを起こさぬよう先にシャワーを浴びてから服を着る。これで輝夜ちゃんが目覚めても襲いかかってきたりはしないでしょう……たぶん。
「ん……灯?」
あ、輝夜ちゃんの目が覚めたみたい。
「おはよ、輝夜ちゃん。シャワーお先に」
「あ……はい。もうちょっとシたかった……」
危な〜……やっぱりまだヤる気だったんだ。流石モンスター。
「……夜はシましょうね」
これは……精のつく料理を作らないといけないね。冷蔵庫の中に何があったかな……。あとネットで調べよう
「“女性 精のつく 食べ物”っと」
なになに……牛ヒレ肉、アボカド……。牛ヒレ肉なら冷蔵庫にあるけどアボカドはないな〜。そんなにオシャレなもの買ってないよ〜。
まぁ牛ヒレ肉を使うのは確定だね。今日は贅沢にステーキだ! ソースから作っちゃうよ!
輝夜ちゃんがシャワーを浴び終わる頃にはソースが完成!
「あれ、いい匂いですね」
「うん。今日はステーキだよ♪」
主に輝夜ちゃんの性欲のおかげでそうなりました。
さてと、お肉の方を焼いていこうか。結構緊張するね。まず強火にして……ドーン!
ジュワァァァ! と耳でもう美味しい。それからステーキの香りが立ってくると鼻でも美味しい。だいぶ火が通ったらソースをかけて仕上げ! あぁ〜いい景色!
「はいおまたせ、ステーキだよ」
「ありがとうございます。美味しそうです♪」
輝夜ちゃんのその一言で救われるというか、嬉しくなるね。ステーキにした目的がエッチのためってなるとなんかちょっとアレだけれども。
「「いただきまーす」」
ひと口目から超美味い! 私も輝夜ちゃんも夢中になって無言で食べちゃった。
「美味しかったですね。また食べたいです」
「うん。また今度やろっか」
「じゃ、じゃあ灯……」
「ん?」
「食後のデザートは……灯がいいです」
恥じらいながらなかなかのことを言う輝夜ちゃん。もう……仕方ないなぁ〜。
「はいはい。用意してますよ〜」
私たちは今日も元気です。……いや、元気すぎる……かな。




