9話 ついに魔道国!
大学が本格的に始まって初めての週末。今日は何と……ついにブラッディから魔道国へのお誘いがありました!
「なんだか緊張しちゃうね」
「そうですね。どんなところなんでしょうか……」
ブラッディと待ち合わせた場所は[一星大学]の正門前。こんな人の多いところで? と思ったけど……大丈夫なのかな。
もうすぐ待ち合わせの時間なんだけど……って思っていたら……
「・・・お待たせ」
「うわっ!」
びっくりした……突然空間が裂けてブラッディが出てきたんだけど!
「さぁ、目立つから早く入って」
「ならもう少しひと目のつかないところにしましょうよ……」
輝夜ちゃんの意見がもっともな気がする。
「たまたまここが接続しやすい。仕方ない」
まぁそれはもういいや。とりあえずその割れ目に入っていけばいいのかな……?
「お、お邪魔しまーす」
「お邪魔します」
恐る恐る手を突っ込んでみると何だろこの感触……カーテンみたいだね。手でよければ……あ、入れた!
正門前から一歩またいで魔道国へ。魔道国は……何というか暗い世界。今は夜なのかな?
「薄暗いですね。夜なんですか?」
「いや。人間界と時間は一緒」
「えっ!? じゃあ朝9時でこの暗さなの!?」
「・・・というか常時こんな感じ。大丈夫、すぐ慣れるから」
なんか体内時計狂いそう……。ブラッディはすごいなぁ。ここに住んでよく人間界で普通に通学できるね。
「じゃあ案内する。あえて街を一望できる魔のヶ丘にゲートを開いたけど、私が住んでいるのは向こう。魔道王様の城」
ブラッディが指差す方向に視線をやると……本当だ。お城が建ってる。暗くて全体像は掴みにくいけど。
「ずいぶんと大きいお城ですね」
「・・・当然。一時期は全世界を支配せんとした魔道王様の城だから」
ゴクリ……そういえば本来ならブラッディたちは人類の敵なんだな……と思い出す。もちろん今のブラッディに不信感を持っていることはないけど。
「じゃあ2人とも抱えて飛ぶから。『翼』」
久しぶりに出てきた血色の翼! ちょっとこれに抱かれるのは怖いけど……。
「ちなみにこれは移動のためであって、決してボディタッチがしたかったわけではない。そのためにわざわざ魔のヶ丘まで来てゲートを開いたわけではない」
「そ、そうなんだ……」
「そ、そうですか……」
そう言うと逆に疑っちゃうんだけど!? こういうところは相変わらずなんだから……。
ブラッディに抱えられて飛翔! 流石、私がどれだけ攻撃しても傷つかなかった翼なだけあって2人を抱えていても余裕で飛んでいた。
「うひゃあ! 高い!」
「灯はこれくらいの高さならジャンプしていたじゃないですか」
「そうなんだけどね……人間としてこんなに飛ぶのは初めてだから……」
魔法少女の時って体が超軽いから怖さもそんなに無かったんだよね〜。今はちょっと怖いかも。ブラッディのことを信用しているからいいけど……。
あ、城がはっきりと見えてきた!
「なんか……ゴシック?」
「そうですね。ファンタジーです」
トゲトゲしてる……あれ意味あるのかな?
ブラッディはゆっくりと降下していく。お城のてっぺん付近にテラスがあってそこに着地した。
「ここが幹部の部屋。つまり……私の部屋。シープは隣に住んでいた」
懐かしい名前……。シープちゃんは場をかき乱すだけかき乱して去っていったからなぁ……。
「さぁ、入って」
「お邪魔しまーす!」
「お邪魔します」
中は……暗っ!
「・・・あ、電気つける」
普段はつけてないんだね。こんなに暗くてよく見えるね。
パッと電気がついたけどそれでもまだ薄暗い部屋って感じ。内装は……シンプル。なんというか、「ブラッディ」って感じがする。
「はい。アイスしかないけど」
「ありがとー。何でアイス?」
「あ、ありがとうございます」
赤い……イチゴ味かな? ペロッ……ん?
「まっず!!!」
しまった! 思わず本音が……!
「えっ……?」
輝夜ちゃんは隣で困り顔。食べないで、と先に静止させておく。
「何これ、血じゃん! 血のアイスじゃん」
「うん」
「うんじゃないよ! 普通人間は血は飲まないから!」
「・・・えっ? 固めたら……固形ならいけるんじゃないの?」
何その間違った情報は……どこから湧いてきたのさ。血のアイスはブラッディに返却することに。まぁ……当然だよね。ここに来てまだ1時間も経ってないけど不安になってきた……大丈夫かな……。




