表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争はナンセンス  作者: わたみ
第0章 エピソード
2/15

 プロローグはおまじない



 思想と言うモノは個人差があるから、数多に生まれる。

 しかし実際のところ、決断 選択 行動、それら全てにおいて正しい答えは無いに等しく、不正解は数多存在するだろう。


 これは俺の持論だ。

 ……いや、違うか、これは俺をモチーフにした経験論だろう。



 俺は政治家だった。

 そこで俺は抜きんでた才覚を現していたのである。

 三十歳になった時には、ノーベル平和賞候補だとか、時期首相候補だとか、その他いろいろもあり、それなりに有名人にもなった。


 しかし、()()は完成してしまったのだ。


 三十年の月日を経て、異世界との交流装置「ゲート」の完成だ。

 

 それに則して、まずはこっちの世界の人を十数人派遣するとなった。

 そして俺は、法律類の技術の通信使代表の依頼が来た。その時の俺は世界の代表として認められたことが嬉しくて、は飛び跳ねたくなるほどだった。


 だから初めて「ゲート」の前に立った時は歴史の教科書に載ってしまうのかと考えると、柄にも無くとても緊張していたのがいい思い出だ。



 

 



 最初は友好的に事が進んだのだ。 

 俺も、こっちの世界よりも、遅れていた政治技術に対してやりがいを感じていたし、指針に対して引導を渡せていたと思う。


 会談はいつも笑い声に満ちていた。

 それだけ友好的であったという事だ。

 



 しかし、その均衡は()()()続いただろうか。徐々に()()()()()()


 まず一つとして、技術通信使を外された。


 そして外されて直ぐに気がついたら、ENGなんて言うエネルギーのために戦争になっていた。





 …………いや待て、おかしいおかしい、なんでこうなった?

 俺は心から訴える。これはおかしいんじゃないですか!?

 

 しかし、戦争の流れは加速する。そして俺の話は誰も聞かなくなった………


 俺は政治関連の仕事を去った。

 これで全ておさらば。終わりにしよう。



 ─────だが、終わらなかったのだ。


 異世界侵略指揮長の()()()()


 異世界の資源を十ヶ国に分割させ、政治家を勤めていた国代表では無く、日本代表として、俺が任命されたのだ。

 別に俺は父が日本人というだけなのに……





 

 何故こうなった。


 俺は別段戦争をしたいワケじゃない。むしろしたくない。

 俺は世界を平和にしようと頑張ってきた。

 でも結果は戦争を指揮する一員になっている。

 


 その時気がついた。 


 元々を辿(たど)ればこうなったのは俺のせいでは?

 この国を、いや、この世界を良くしようと奮起してたのが、俺がこうなった理由なのではないだろうか。

 俺がしてきたことは間違いだったとは思いたくない。でも、これはそうとしか思いようがない。

 

 ………うそだ

 


 俺の世界が崩れた。

 ………おれは、いったい、なんのために、ここまで、やってきたのか?

  

 でも、それても諦めない。

 だから……せめてとして……




 俺は「占拠派」と対をなす、戦争に異議を申し立てる小数派閥である「融和派」への参加表明をした。


 それを機に指揮長を少し離れたこともあったが、日本代表の適任者がいなかったのだろう。直ぐに俺に返ってきた。

 それは五年経った今でも俺がやってる。



そして、これは俺は戦争を止める為に戦争をするという「矛盾」に抗う物語である。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ