白髪
頭にまた何本か白髪が生え,女が悲しくて男の胸の中に顔を埋めた。
女は白髪を全部抜くと言い,そして白髪は男の指とかくれんぼを始めた。
一本,二本,三本,四本。。。
毛抜きが一本を抜く毎に,男の心が一回痛んでしまう。
同時に,男は女の髪の毛を撫で続け,女の傷ついたこころを慰めていた。
一回,二回,三回,四回。。。
女の機嫌がだいぶ良くなり,男の髪を弄り始めた。
ふと,女は抜いたばかりの白髪が,一本一本男の頭に飛び込み,根を生えたのを見た。
いつの間にか,男の髪が半分も白くなった。
それ以来,女は二度と白髪を抜かなかった。