冒険者登録と買い物
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4話にて、鐘についての説明を書き忘れたので書き足しました。
また、3話にて王都なのに城のことに触れていなかったので最後に書き足しました。
俺たちは朝飯の時間ぎりぎりに食堂に行き、おいしくいただいてからギルドの場所を受付の子に聞いて、2人で宿を出た。その時、宿の人に「昨晩はお楽しみでしたね。」といわれることはなかった。なぜなら、行為の前に俺はしっかりと風の魔法を使い、防音をしていたからだ。周りにミアの声を聴かせるわけにもいかないしな。あ、それと、ナニとは言わないが、布団についていた、赤いものと、体液を魔法できれいにして、換気をしてから宿を出たから、この後も何か言われることはあるまい。
「ふあ~あ。」
「やっぱり眠そうだな。」
俺は、そういつものように俺の腕に抱きつきながら、大きなあくびをしているミアに話しかけた。
「い、いえ。大丈夫です。ふあ~。あ、これは。」
「いや、今回は俺が悪いからな。気にしなくていいぞ。」
そういい、眠いのを我慢してくれているミアの頭を俺は優しくなでた。ミアが眠いのは100%俺が悪いので、かなり申し訳なく思う。俺は、『状態異常無効』のスキルに『睡眠耐性』というのも含まれているので、あまり眠くはない。だが、ミアのことを考えると、やっぱり新しい奴隷を増やして・・・。でも、無理やりやるのは気が引けるしな。とりあえず、戦闘用にあと何人か買ったほうがいいと思うから、奴隷は買うけど。でも、ミアが壊れちゃうかもしれないし・・・。そんなことを一人で悶々と考えているうちに、ギルド前についた。ちなみに、ここまでの道中、俺たちはいつもの如く甘々な空間を作っていて、周りからの視線がすごかったがスルーしていた。
そこは、いかにもギルドというような木造の作りだった。俺はかなりワクワクしながら、ギルド内に入った。ギルドの中はどうやら、ギルド部分と酒場部分に分かれているらしく、酒場のほうはちらほらと人がいたが、ギルドのほうは全く人がいなかった。これは、俺がわざと人がたくさんいるであろう、早朝の時間からずらしたからだ。わざわざそんなことをした理由は、よくある、物凄くかわいい奴隷の女の子を連れていて、そんな強そうでないひょろっとしている俺は、絡まれやすいと思ったからだ。それでも、酒場のほうで昼間から飲んでいる奴はいるわけで・・・。
「おい、兄ちゃん。なかなかいい女連れてるじゃねえか。その女を一晩貸してくれよ。そしたら、お前を見逃してやるからさ。へへへ。」
こんなことは起きてしまうわけだ。俺は、突然俺たちの進行方向に割って入ってきた男をちらと見て、
「どうでもいいから、そこどいてくれない?今日はとっとと冒険者になって、必要なものとか買いに行かなきゃならないんだから。それと、ミアは渡さないよ。」
「おい、ガキ。なに調子乗ったこと言ってるんだ?痛い目を見なきゃわからないようだな。」
と適当に返したら、男は俺に突っかかってきた。だが俺は、ミアは渡さないといったときに、ミアがうれしそうに俺の腕をより強く抱きしめたのを感じて、つい表情が崩れてしまいそうなのをこらえるのに必死だった。そんな俺たちを見ているであろうギルド内の人は、酒場のほうにいた人はにやにやと笑い、職員ですら傍観していた。それに対して俺は、これは洗礼的なものなのだろうと見切りをつけた。実際、俺の予想は当たっていた。ギルドは、危険な仕事が多く、それに対しての対応力が求められる。特に王都であるここでは、生半可な意思で冒険者をやられるのは困る。だから、新人には毎度このようなことが起きる。普通ならば、軽くボコされて、それで心が折れなければ改めて冒険者登録をして、晴れて冒険者への道の第1歩を踏み出すことになる。普通ならば、だが。俺は、俺に対して突っ込んでくる男が非常にゆっくりに見えた。これはステータス差があり過ぎるのが原因だった。俺は、この男に対してどうするかを頭の中で考えていた。なぜならば、普通に反撃したら、おそらくこの男が跡形もなく消えてしまうだろうからだ。とりあえず俺は、この男のステータスを見てみることにした。
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ゲルド Age 29
ヒューマン ♂
LV 26
職業 冒険者
HP 139/139
MP 53/53
攻撃 65
防御 63
魔力 42
魔防 38
俊敏 40
《スキル》
<ユニーク>
<通常>
斧術LV5、身体強化LV3、格闘術LV4、気配察知LV3、隠密LV2
<魔法>
《称号》
《加護》
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どうやら、この男、ゲルドというやつは脳筋野郎らしい。魔法系のものは一切なく、その代わりに斧術や、格闘術などのスキルのレベルが高い。そんなことを、ゆっくりと動く周りの景色を見ながら思っていた。その時、ミアのことをちらと見たが、ミアの顔に恐怖というものはなく、それに対して俺は首をかしげていた。ちなみに、この時のミアは「ご主人様がこんな奴に負けるはずがありません。」とそんなことを考えていたから、心に余裕ができていたのだ。まあ、実際にレオが負けることは万に一つもないのだが。
ゲルドが最初にいた位置と俺の位置までの距離の半分のところまで迫ってきたところで俺はあることを思いついて、それを実行した。そして、実行した瞬間に俺はゲルドのみぞおちに1発蹴りを入れた。
「かはっ」
突然みぞおちを蹴られたゲルドは、一瞬で肺にあった空気が外に出て、それと同時に意識を落とした。さて、今回ゲルドが意識を落としただけで済んだ理由は、新しく作ったスキルにある。そのスキルは『手加減』というものだ。このスキルは読んで字のごとく、手加減をするものだ。このスキルを使っていると、どれだけ相手に攻撃をしても相手が死ぬことは無くなる。また、相手のHPを超える大ダメージを与えた時は、意識を刈り取るというものだ。
この1部始終を見ていたギルド内の人たちは、何が起こったのかわからずにぽかんとした。それはそうだろう、いかにも弱そうな少年に洗礼を与えようとして、襲い掛かっていたゲルドが急に倒れ、意識を失ったのだから。ギルド内にいる人たちには、レオの蹴りが全く見えず、ただ突っ立っていたように見えていたのだからしょうがないであろう。
「で、これどうすればいいの?」
俺は、混乱するギルド内の人にそう問いかけた。そこで、彼らはようやく気付いた。この目の前の、いかにも弱そうな少年が何かをやったのだと。俺は、答えが返ってこなかったので、意識を失っているゲルドを放置して受付に向かうことにした。酒場からは、「嘘だろ・・・。」「ゲルドさんはCランク冒険者だよな。」「あいつ本当に新人かよ。」等の声が上がっていた。どうやら俺が倒したゲルドは、Cランクの冒険者だったようだ。登録前から目立つようなことをしてしまった俺は、自嘲しなければと少し反省した。少しだけだが。
受付は3つあったが、今はあまり人がいない時間だからなのか、受付にいるのは1人だけだった。
「すみません。冒険者登録したいんですが。」
俺がそう話しかけた受付の人は、淡い緑色の髪と目の美しいエルフの女性だった。
「あ、はい。すみません。えーと、登録ですね。そちらのかたも同じでしょうか?」
「はい。お願いします。」
「では、この紙に名前と使用する武器を書いてください。代筆は必要ですか?」
「大丈夫です。」
彼女は、いまだに目の前で起きたことにフリーズしていたが、俺が話しかけると同時に意識が戻り、俺の対しての対応を始めた。そこは流石といえることだろう。俺たちは、渡された紙に名前と使う武器を書いた。俺もミアも得意な武器があるわけではないが、俺は剣、ミアは短剣と書いておいた。俺はどんな武器でもスキルのおかげで使いこなすことができるが、ミアは違う。だが、獣人族ということで足が速いので、その身軽さを損なわないようにするために、短剣としておいた。それらを書いて、書き終わった紙を受付の女性に渡した。
「はい、レオ様とミア様ですね。・・・・・・では、こちらのカードに1滴血を流してください。」
そういい、彼女は俺とミアにそれぞれ針を渡してきた。俺は、ここでも血を使うんだな、と思いながら針をチクリと刺し、血をカードに落とした。すると不思議なことに、その血はカードに吸われていった。ミアと契約するときには、血を落としてもそこに血は残っていて、アドルフさんの詠唱が終わった後にそれは消えていた。だが、このカードは落とすと同時に血が吸われたのだ。その不思議な現象を俺は面白いものを見つけた子供のように眺めていた。ただ、俺はどうしても自分の指を針で刺すという行為にはなれそうになかった。ふと隣を見ると、ミアは何のためらいもなく自らの指に針を刺して、カードに血を落としていた。俺はその様子を見て、「やっぱ、この世界の人ってすごいなー。」と、そんなことを思っていた。その後俺たちはそのカードを受付の女性に渡した。彼女はそのカードを受け取り、手続きのようなことをし終えた後、俺たちに返してきた。
「はい、これで登録は終わりです。では、これから冒険者の説明をしますね。今、カードに血を落としたことで、そのカードはそれぞれあなた方の血記憶したことにより、あなた方にしか使えなくなりました。また、このカードを紛失した場合は、再発行するのに金貨1枚し、またおよそ1か月ほど自時間がかかってしまいますのでご注意ください。」
「わかりました。それと、初めての登録の時はなぜお金を取らないんですか?」
俺がそう尋ねると、女性は丁寧に俺に教えてくれた。
「それは、レオ様もおそらくわかっていると思いますが、先ほどの洗礼を受けて、それでもなお冒険者になろうという方のみ冒険者になっていただいているので、初回のみサービスさせていただいているんです。・・・ただ、レオ様は返り討ちになされてしまいましたが・・・。」
「ははは。」
俺は苦笑いしか出てこなかった。その俺の様子を見て、受付の女性は、少しため息をこぼしてから再び説明を再開した。
「・・・では、説明を続けさせてもらいますね。冒険者にはランクがあり、下からF、E、D、C、B、A、S、SS、SSSとなっております。レオ様とミア様はFランクからのスタートとなります。ランクを上げる方法ですが、FからEに上がるためには、Fランクの依頼を10個クリアすれば、ランクを上げることができます。パーティーを組んでいるの場合は1人につき10個依頼をクリアすればEランクに上がることができます。レオ様とミア様は2人なので、20個依頼をクリアしなければなりません。また、EからDは一人20個、DからCは一人40個とランクを上げるために必要な依頼数が倍になっていきます。また、Cランクからはそれに加えて、ランクの昇格テストというものをクリアしなければランクを上げることはできません。依頼には、採集依頼、討伐依頼、常設依頼、護衛依頼、指名依頼、そして緊急依頼の6つの依頼があります。常設依頼はこちらで手続きをしなくても討伐証明部位を持ってきていただければ、依頼達成となります。採集、討伐依頼はこちらで手続きをしたなければなりません。護衛依頼も同様です。指名依頼は、Cランクを過ぎたあたりから依頼されることがあります。これは、依頼主と冒険者が親密な関係である場合や、功績を残した冒険者などに名指しで依頼をされるものです。一応断ることもできますが、名指しでの依頼なので、依頼達成時の報酬が多くなり、またその以来の後も名指しで指名されたり、どこかの店の人であるならば、品物の購入時に安くなったりするので、基本的には受けることをお勧めします。最後に、緊急依頼ですが、こちらは国やギルドが出す依頼で、この依頼が出て、条件が合うのであれば必ずこれを受けなければ練りません。また、これらは緊急依頼を除き、失敗すると違約金が発生しますのでご注意ください。違約金は、報酬の半分となっております。・・・冒険者の説明は以上になります。なにかわからないことはありますか?」
「・・・・・・特にないですかね。ミアは?」
俺は受付の女性からの説明を聞いて、特にわからないことはなかったので、ミアに聞いてみたが、ミアは首を横に振っていたのでミアも特にない様だ。
「では、これで説明を終わらせていただきます。最後に、冒険者として長く活動するために、自分の身の丈に合った依頼を受けてください。コツコツと依頼をこなしていくことが一番、冒険者として長く、また強い冒険者となることができる近道です。」
「そうですね。心にとめておきます。・・・それと、あなたの名前ってなんていうんですか?これからお世話になると思うので知っておきたいのですが。」
「そうでしたね。私の名前はサーシャと申します。これからよろしくお願いしますね、レオ様。」
「こちらこそ、サーシャさん。」
その後、俺たちは特に何もなくギルドを出た。ついでに俺のステータスを見てみると、
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長倉 怜雄 Age 17
ヒューマン ♂
LV 12
職業 冒険者
HP ∞
MP ∞
攻撃 488281250(+292968750)
防御 488281250(+292968750)
魔力 488281250(+292968750)
魔防 488281250(+292968750)
俊敏 488281250(+292968750)
《スキル》
<ユニーク>
神眼 【創造】 武術の神 魔法の神 ノーティア
<通常>
隠蔽LV10、危機察知LV10、未来視LV10、状態異常無効LV10
<魔法>
《称号》
女神たちに愛されし者、創造する者、武を極めし者、魔を極めし者
《加護》
創造神の加護(特大)、運命神の加護(特大)、時空神の加護(特大)
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となっており、ようやく職業が死者ではなくなっていた。そのことについ頬が緩んでしまったのも仕方がないことであろう。
ちょうど昼飯時だったので、ミアと飯を取ることにした。店で食べるのでもよかったが、せっかく外に出てるのだからと、屋台で適当に食べることにした。
「ミア、何か食べたいのあるか?」
「そうですね。あれとかおいしいのでどうですか?」
そう、ミアが指さしたものは、ケバブのような食べ物だった。というか、その食べ物の名前もまんまケバブだった。そのケバブは1つ大銅貨1枚だったので、俺とミア用に1個ずつ買って、2人並んで仲良く食べた。
「お、これ旨いな。」
「はい。これ、私も大好きなんですよ。」
そんなたわいのない会話をしながらケバブを完食した。俺は、このケバブを食べているときに、奴隷のことを考えていた。ミアは奴隷だが、あまり人に差別されることもない。というか、今まで一度もなかった。つまり、この世界では奴隷の身分は低いが、色々と保証されているということだ。まあ、一部は犯罪奴隷とはいえ、奴隷のうちほとんどは貧困などの理由で身受けして、奴隷となったものだ。だから、ほとんど差別というものがないのであろう。俺の中だと奴隷はもっとひどい扱いを受けるものだと思っていたから、これに関しては本当に良かったと思う。そう、再び定位置に来たミアの頭をなでながら俺は思っていた。
「ここで好きな服を上下3枚と、下着も3枚選んでくれ。」
「でも、ここは新品の服ですよ!?私は奴隷なんですから、中古のものでいいですよ。それに、新品の服なんて、相当なお金持ちじゃないと着ませんよ?」
服屋の中で俺とミアはそんな会話をしていた。俺もうすうすこうなるとは思っていた。だが、どうしても中古の服をミアに着させたくなかったから、無理やりここにミアを連れてきた。
「俺がいいって言ってるんだから、好きなの選べよ。」
「でも・・・。」
「でもじゃない。それに、俺はミアを奴隷扱いしないって言ってるだろ?もう俺の中だとミアは家族なんだよ。だから、家族にいい服を着せるのは当たり前だろ?」
俺がそういうと、言い負かされて少し悔しそうに、しかしどこか嬉しそうに、「もう、わかりましたよ。」といい、服を見に行った。
しばらくしてミアの買い物が終わった。ミアの服は合計で金貨1枚と大銀貨5枚だった。その金額を聞いて、ミアはかなり恐縮そうにしていた。ちなみに、これを買うために要した時間はおよそ2時間だ。俺はミアの買い物の様子を見ながら、これから必要になりそうなスキルを考えていた。その結果、新しく何個かスキルができたが、それはあとで紹介することにしよう。それから、無事に服が買い終わった俺たちは次に雑貨屋へ行き、コップやタオルなど必要なものを買っていった。ここでは銀貨2枚のお買い上げだ。
俺たちは、本日最後の予定であるアドルフさんの奴隷商へと歩き出した。
今回はテンプレ回です。レオはやっぱり強いですね。自分でも自嘲したほうがいいかと少し思ってきましたwあと、一応言っておきますが、サーシャとは何も起きません。多分。この話は奴隷でハーレムを気付くのが目標なので。
今、あとがきを書いている時刻は、7/22 23:30過ぎです。現時点でブックマーク者数が27人、評価してくださった方が1名いらっしゃいます。20話を超えたあたりでこのくらいの人数になるのかな、と思っていたので、正直びっくりです。文章が下手など色々とあると思いますが、これからも読んでいただけるならば幸いです。
このあとがきを書いているときに思ったのですが、称号でミルたちと話ができるのにまだ一回も話してないですね。次回か、その次くらいにはミルたちを出せたら出したいですね。それと、
次回、新しいハーレムのメンバーができるかも?見切り発車なのでまだわかりませんが、近いうちにもう1人出したいですね。次回も3日以内に投稿できるよう、書いていこうと思います。