プロローグ 2 ~旅立ち~
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「異世界転移で‼」
俺がそう、声を大にして言うと、3人は苦笑した。自分でも、「もう30近い大人がこんことを叫ぶなんて・・・」とはおもう。だが、男だったら一度は夢見たであろう「異世界に行く」ということが、手を伸ばせば届く距離にあるんだぞ。これはテンションが上がるだろう?
「ふふふ、喜んでいただけているようで何よりです。では、どんな世界に行くか決めてください。地球とそう変わらない世界、剣と魔法の地球で言うファンタジーのような世界など色々とありますよ。」
「でも、怜雄だったらファンタジーの世界を選ぶでしょ?」
「私もそう思う。」
今まで会話に参加していなかったニーナとシア(表情はころころ変わっていた)がそう横から口を出してきた。いや、まぁあってるんだけど、なんかショック。
「んんっ、ニーナとシアの言う通り、その世界がいいです。」
「ふふ、それでは、世界は『エルグランデ』にしますね。この世界では、魔法が存在しており、人々は日々魔物と呼ばれる生物の脅威に対抗しながら生活を送っています。他にも、ダンジョン等があります。また、この世界には『ステータス』と呼ばれるものがあります。その人の能力値を数値化することにより、自分がどれくらいの強さを持っているのかが分かりやすくなっています。では、怜雄様。心の中で『オープン』と念じてください。今の怜雄様の『ステータス』が出てくるはずです。」
ミルにいわれたとおりに心で念じてみた。
(『オープン』‼)
すると自分の目の前に、何か書かれている透明な画面が出てきた。
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長倉 怜雄 Age 29
ヒューマン ♂
LV 1
職業 死者
HP 20/20
MP 0/0
攻撃 7
防御 8
魔力 0
魔防 0
俊敏 7
《スキル》
<ユニーク>
神眼 【創造】
<通常>
<魔法>
《称号》
《加護》
創造神の加護(特大)、運命神の加護(特大)、時空神の加護(特大)
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「それが今の怜雄様の『ステータス』です。『神眼』と加護は僭越ながら、こちらで勝手につけさせていただきました。『神眼』を使えば、加護の内容や、『神眼』自体の効果を知ることができると思います。」
「それはうれしいんですけど・・・MPとか魔力とかが0なのは何でですか?あと、死者っていうのはむこうにいったらどうなりますか?」
そう、気づいた人もいると思うが、俺の『ステータス』は魔法関連のものがすべて0なのだ。つまり、「これでは魔法が使えないじゃないか‼」といいたいわけである。
「それは、地球には魔力が存在していなかったためです。あと、もし『これじゃ魔法が使えないじゃないか‼』などと思っているのであれば大丈夫です。『エルグランデ』についたら、HP以外の全ステータスを一律で10にいたしますので。HPは30にしておきます。あと、『エルグランデ』で冒険者登録をすれば、職業を『冒険者』にすることができますよ。とりあえず、『神眼』でいろいろと調べてみてください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
そういい、早速調べていくことにした。何も言われてないけど、なんか【創造】とかあるし・・・。いろんな意味でスキル名がやばそうな雰囲気だけど、とりあえず見てみるか。
『神眼』
鑑定、透視、千里眼、マップの機能が合わさったもの。4つのスキルのLVはそれぞれLV15。また、これらのスキルは使用時にMPを消費しない。
<鑑定>・・・物の情報を見ることができる。このスキルと同レベル以上の<隠蔽>がかかっているとき、情報を見ることはできない。
<透視>・・・物を透過してみることができる。
<千里眼>・・・遠くのものがよく見えるようになる。LV1につき1KM。
<マップ>・・・一度行ったことのあるエリアを記録し、閲覧することができる。また、敵対者・魔物は赤、無関心な人は黄、関心のある人を青、仲間を緑、気絶しているものは点滅、死者は灰色で表示される。
《スキル》
スキルはどれも使用するためにMPを必要とする。また、LVが上がるごとに、そのスキルの使用MPが減り、効果が強くなっていく。また、スキルLVの最大はLV10。
すげー便利スキルキターーー‼これ一つで鑑定もマッピングもできるし、透視、千里眼もあるとかやばくね?それに、それぞれスキルLVが15とか、スキルの最大LV超えてるし・・・。気を取り直して、次に行くか。
【創造】
創造神のユニークスキル。様々なものを【創造】することができる。
・・・・・・なんかやばそうなスキルなんだが・・・。てか、なんでミルのユニークスキルを俺が持っているわけ!?・・・まあ、それは置いとくとして、何でも【創造】できるということは、スキルだろうが、アイテムだろうが、それこそ命すらも作れるってこと?・・・もしそうだったら・・・・・・。
ま、まぁ、そんなことないよね。・・・・・・ないよね?と、とりあえず次だ次。えーと、次は《加護》か。なんか(特大)とかついてるけど、気のせいだよね?
『創造神の加護(特大)』
全ステータスを元の20%上昇させる。また、LVアップに必要な経験値を1/10にし、LVの上限をなくす。
さらに、創造神のユニークスキル、【創造】が使えるようになる。
『運命神の加護(特大)』
全ステータスを元の20%上昇させる。また、LVアップ時に、ステータスを元の値の5倍にする。さらにいい出会いができる確率が上がる・・・かも?
『時空神の加護(特大)』
全ステータスを元の20%上昇させる。また、無限にものを収納できる<アイテムボックス>が使えるようになる。
・・・ちょっと待て。これはおかしいんじゃないか?どれもステータス20%上昇がついてるってことは、実質もともとのステータスの60%分さらにステータスが上がるってことか?それに、【創造】のスキルはこれが原因か。あと、ステータスには出てなかったけど、<アイテムボックス>が使えるのか。あとは、LVアップに必要な経験値を1/10にして、ステータスが元の値の5倍になってくとか・・・。もうどうすんだよこれ・・・。
そう、頭を抱えていると、
「怜雄様、お、お気に召しませんでしたか??」
「ど、どうしよう?」
「わかんないよー。」
と、上から順にミル、ニーナ、シアが困ったような声を上げた。それを聞いた俺はすぐに誤解を解くために、今俺が感じていることを3人に伝えた。すると、
「そ、そうですか。」
「よかったー。」
「(コクコク)」
と3人とも安堵した表情になった。それからミルが、
「そのスキルと加護については、こちらの失態で怜雄様を死なせてしまったお詫びです。ですので、受け取ってください。」
と、説明してきた。俺は
「そうですか・・・」
としか言うことができなかった。
それから、3人が俺を『エルグランデ』に送るための手続きやらなんやらするということなので、その間【造像】のスキルと<アイテムボックス>の検証をしていた。【創造】のスキルは俺の予想した通りのスキルだった。あと、このスキルで作ったスキルは全部LV10でできるみたい。また、<アイテムボックス>は、ファイル分けをすることができ、内部の時間を止めたり、早めたりとかなり自由度が高かった。【創造】のスキルを使って俺のステータスが色々と変わった。その結果がこれだ。
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長倉 怜雄 Age 29
ヒューマン ♂
LV 1
職業 死者
HP ∞
MP ∞
攻撃 7
防御 8
魔力 0
魔防 0
俊敏 7
《スキル》
<ユニーク>
神眼 【創造】 武術の神 魔法の神 ノーティア
<通常>
隠蔽LV10、危機察知LV10、未来視LV10、状態異常無効LV10
<魔法>
《称号》
女神たちに愛されし者、創造する者、武を極めし者、魔を極めし者
《加護》
創造神の加護(特大)、運命神の加護(特大)、時空神の加護(特大)
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『武術の神』
すべての武術系のスキルをLV10で極めたため、それらがすべて統合されたスキル。すべての武術系のスキルLVが15となる。また、HPが無限になる。
『魔法の神』
すべての魔法系のスキルをLV10で極めたため、それらがすべて統合されたスキル。すべての魔法系スキルのLVが15となる。また、MPが無限になる。
『ノーティア』
ありとあらゆる情報を検索することができる。また、怜雄に名づけられたことにより、1つの人格が形成された。
『隠蔽』
鑑定などでステータスを相手に見られないようにすることができる。ただし、このスキルと同じLVか、それ以下でないとステータスを見られてしまう。
『危機察知』
自分の身に危険なことが起こりそうになると、自動的に発動し、教えてくれる。
『未来視』
少しだけ先のビジョンを見ることができる。LV1につき、0.5秒。
『状態異常無効』
すべての状態異常を無効化する。ただし、このスキルと同じLVか、それ以下のものでないと状態異常にかかってしまう。
スキルがやばくなりました。武術系と魔法系で思いつく限りすべてススキルを作ったら統合されて、HPとMPが無限になっちゃった。ちなみに、魔法系のスキルは主に、属性魔法と特殊魔法の2つに分けられるらしい(ティア(ノーティアのこと)情報)。属性魔法は、火、水、風、地、光、闇の6つの属性が。特殊魔法は、精霊、隷属、召喚、死霊、時空、結界、付与、重力の8つの魔法がある。効果は読んで字のとおりだから割愛させてもらう。また、魔力操作などもこのスキルに含まれる。
そして、『ティア』は知りたいことを何でも教えてくれる。例えば、
「(ティア、『エルグランデ』の人々について教えて)」
『はい、マスター。『エルグランデ』は、1つの大きな大陸しかない世界で、その大陸には、様々な種族の人々が住んでおり、一番多いのは『ヒューマン』と呼ばれるいわゆる普通の人間です。彼らは、そこまで特筆すべきことはありませんが、すべての『ステータス』がそれぞれ同じような値になっており、オールラウンダーであるため、足りない部分を数で補い、この大陸上で一番の勢力を持っています。続いて多いのは様々な種族の『獣人』です。彼らは、身体能力が非常に高く、近接戦闘を得意としています。また、種族の固有スキルの『獣化』を使うことにより、ステータスを一時的に5倍にすることができます。次に多いのは、『精霊種』です。彼らは、小さいものだと意識を持っていませんが、大きいものだと、天災を起こすほどの大魔法を使うことができます。また、そのほとんどが『エルフ』と共存しています。その次が、『ドワーフ』です。彼らは、背が低いが、体が丈夫で、火と地属性の魔法が得意なことから、鍛冶を得意としており、彼らの作る武器防具は非常に強力なものが多いことで有名です。続いて、『エルフ』です。彼らは、非常に高い魔法適性を持ち、水と風属性の魔法、そして精霊魔法を得意とすることから、主に森の中に住んでおり、ひっそりと狩りをして生きています。ただ、最近では、人里に降りてきて、冒険者家業をしたり、宿を経営したりする者たちが増えてきているようです。次に、『魔族』です。彼らは、『エルフ』に次ぐ高い魔法適性能力と、『獣人』に次ぐ高い身体能力を有し、非常に強い種族となっています。闇属性の魔法を得意としており、ほんの少し前までは、迫害されていましたが、だんだんとそれもなくなり友好的な関係になってきました。が、まだすべての人が『魔族』に対していい思いを持っていないようです。最後に『竜人』です。彼らは、『エルフ』よりもはるかに高い魔法適性を、『獣人』よりもはるかに高い身体能力を持っていて、すべてにおいて最強である種族です。種族の固有能力として、『竜化』というものがあり、元のステータスを一時的に10倍にすることができます。ただ、種族数が圧倒的に少なく、普段山の奥地などで生活をしているため、ほとんど出会うことはないでしょう。以上の7種族が『エルグランデ』で生活している人々です。』
と、まあ、こんな感じに詳しく説明してくれるんだわ、これが。あとの通常スキルはそのまんまだから説明しなくてもいいよね?べ、別に説明がめんどくさいわけじゃないんだからね‼・・・・・・ちょっと自分でいってみて気持ち悪いって感じたわ。さ、さて、次に行こう。次は、気が付いたらついてた《称号》だな。
『女神たちに愛されし者』
女神たちに愛されたものに送られる称号。いつでも好きな時に、加護(特大)を与えてくれた人と念話することができるようになる。
『創造する者』
何かを創造した者に与えられる称号。
『武を極めし者』
ありとあらゆる武術を極めし者に与えられる称号。
『魔を極めし者』
ありとあらゆる魔法を極めし者に与えられる称号。
下3つはわかるが、1つ目の奴は何だ?俺、いつの間にあの3人に愛されたんだ・・・?ま、まあ、でも、これからいつでも連絡ができるようになったからよしとするか。
そうこうしているうちに、3人が俺を『エルグランデ』に送る用意ができたようだ。
「今から、『エルグランデ』に、怜雄様をお送りします。お気をつけてください。」
「怜雄は私たちの加護を与えたんだから、そうそう死なないでしょ。ま、気を付けてきなさいよ。」
「(コクコク)」
と、三者三様の言葉を言ってきた。それに対して俺はこう答えた。
「おう、2度目の人生、思いっきり楽しむよ。また、何かあったら連絡くれよな。」
そう、『女神たちに愛されし者』の称号は、俺からだけでなく、向こうからも連絡をすることができるのだ。そうして、3人に見送られながら、俺はこの緑あふれる優しい空間から姿を消した。
今日も暑いですね。私はもうトロトロに溶けてしまいそうですw
あらすじで、プロローグは短いと書きましたが、ステータスやら、説明やらしてたら、原稿用紙約14枚分、6000文字程度になってしまいました。あらすじ詐欺ですねw
さて、次回でようやく異世界、『エルグランデ』に行きます。ちなみに、今回怜雄のユニークスキルとして出した、『ノーティア』ですが、これは、ラテン語で情報という意味の『notitia』からとっています。安直な名前ですが、別にいいですよね?
今回は2話連続投稿です。
また、誤字脱字や、言い回しがおかしい等ありましたら、教えていただけると嬉しいです。