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厄介者の憂鬱  作者: むつき
1学期
7/13

祭り1

体育館の巨大スクリーンに、1学期末の大きなイベントである、各クラス対抗の野外模擬戦闘がスクリーンに映し出されていた

「今年の 野外模擬戦は例年になく やけに盛り上がっていますな?」

「そうですな やはり 加減が解らないからでしょうな」

「いやいや、やはり 殿下が入学されたからでしょう」

などと、寛いだ状態の中 観戦している講師陣とは別に、映し出されている生徒たちは、今必死になっていた…



「はあ はあ はあ…」


自分の荒い息を耳障りに感じながら 『やられた!』 と言う気持ちのまま

チームメイト数名と共に岩肌を必死に逃げる。


うめき声と共に、一人また一人と生死判定カードの色が青から赤に変化するたびに、周囲のチームメイトが脱落してゆく。


今回の初戦では クラス1-3が攻撃側、スティク達のクラス1-1が守備側となり、ビクトリーフラッグを時間内守り抜けば勝ちなるため、奇襲と守備の2班に分かれて行動した。


クラスの中から足の速い10人が選ばれ、クラス1-3が通ると考えられる場所に待ち伏せ、敵クラスへ奇襲を仕掛けて時間を稼ぐつもりが、地理的条件を利用した敵クラスの奇襲に逆に、はまってしまった。


敵クラスの術中に、はまったことに気づいた スティクは

「B2ポイントまで逃げろー!」周りにどなる様に叫び、自分も逃げ出した。


逃げている最中 スティクのヘルメット内で 『ピッ』と電子音が鳴り、体のどこかに、

レーザー光が当たった音を伝えてきたので、急いでカードの色を確認すると

<イエロー:負傷>と表示されていたが、戦闘不能に陥らないで気分が落ち着くと。


模擬戦闘では<レッド:死亡:戦闘不能>表示になるまで戦闘を行える。


逆奇襲から離脱して、指示した岩陰のポイントに、たどり着いたが、残りの兵力は僅か4名、6割の壊滅率は普通なら全滅と言うのだろう。


陰鬱な気持ちになりながら、隠れた岩陰から状態を確認すると、敵クラスは、こちらを伺っているようだ。


1つ目の計画は敗れたのだ、次はどうする


「計画通り、あの敵を引き付けておくか?」

そう思った時、敵クラスはこの場に、10人程度を残した後、ビシャス達が守っているビクトリーフラッグ奪取に向かっていった。


今回の生き残りの中ただ一人の女性が、ソプラノ長の声で

「スティク様 敵が攻撃を仕掛けて来ましたわよ。」

と緊急を告げる。


「チャ・チャ 本隊と連絡 取れたか?」

「わからない 意味不明な声しか聞こえません 」


レッドも焦っているのか早口で

「チャ・チャ 本隊と早く連絡取ってくれ 連絡員だろ 敵クラス 目の前まで来てるのに…」

「スティク様どうします 何とかして下さい」とレッドの焦った声


『どうする』


八方塞がりの、この状況でチャ・チャやレッドに劣らず 今のスティクは、怯えていた。


今まで 大物を気取り、上辺を必死に取り繕ってきたメッキが剥がれるのを恐れる、本来のスティクが現れてきたのだから…


今の、スティクは、この場をどうするかでは無く、『どう逃げるれるか』と

自分の事しか考えていない、逃げ場のない、この絶望的な状態で


そんな時

「みなさん、このローズ御用達の高級キャラメルでも召し上がって

気分を休めてはいかが?」


唖然としてる3人の意に介さず 強引にキャラメルを3人に手渡す。


「わたくし自ら、殿方へ下賜するのです 光栄に思いなさい」


「おほほほほほ…」


場違いな彼女の雰囲気に、この絶望的な状況にそぐわない、手の中の小さなキャラメル


スティクは、その小さな塊を口に入れると

それを見た2人も同じように口に入れる。


キャラメル一つで、4人の時間が止まり、口に入れたキャラメルの上品な甘さが口に広がったことで、皆 落ち着きを取り戻した。


「ローズ嬢 本当にありがとう 落ち着いたよ」

「キャラメルひとつ 礼には及びませんわよ おほほほほほ…」


落ち着きを取り戻した、4人は 状況把握に努めるべく応戦を開始した。

岩陰に隠れながら 精一杯声を張り上げ、デュアルライトセーバ(銃)を敵に向けて放つが、多勢に無勢だった、じわじわと迫ってくる 敵クラス


『今さらだが、模擬戦と舐めていた。ゴーグル越しに見えるレーザー光が実際に向かってくると、死なないと解っていても、かなり怖い』


それに、デュアルライトセーバ(銃)を敵クラスに向けて放つが、照準を人に向けて、レーザー光を放つ行為は忌避感が拭えないため、全く人に当らない、


敵クラスからのレーザー光も同じ様子だが、敵クラスは30人はいるであろう兵力差に物を言わせ迫ってきた。


適わないと考えたスティクは、レーザー光が飛んでくる中、残った3人を集め

「このままでは、足止めにもならない、誰かいい方法が無いか?」


クトウやケイメイを助けると己の言葉で言ったのだ、『己の信念を曲げないビシャスに追いつき 追い抜くのだ!』


その為には、役にも立たないプライドを捨て 恥も外見も無く前に進むため 3人に頭を下げた。


すると、それまで黙っていたローズ嬢が、甲高いソプラノ長の声で

「左斜面から昇ってくる 生徒は歩き方から女の子が多そうなので、そこから抜けれれば逃げれません?」


提案してきたローズ嬢に、顔を向けた後、左斜面を覗くと確かに、女性が多そうだ


「どうだろう 時間も無いことだし、他に案が無ければ、ローズ嬢の案に賭けてみたいが」

残り2人の同意を受け ローズ嬢の案で敵陣を抜けることにした。


「それじゃ 私が囮になるから 皆は」と言いかけた時


「スティク様は、私のこの華麗な策を、まったくお分かりになっていません。

この作戦は、白兵戦前提の提案なのです。


敵クラスは今、デュアルライトセーバ(銃)の利点を生かした、散兵戦術を取っています。


しかも ちょうど良いことに 人に当てることに躊躇いが見え、

その欠点を突くのです。


敵にデュアルライトセーバ(銃)を利用させないよう、私たちが密集して突撃し 

包囲網の一点から誰か一人でも突破することです。


一人だけ別行動したりしては、この華麗なる作戦の意義に反しますわ、

お分かり頂けまして?」


スティク達3人は、ローズ嬢の迫力に押されて 同時に首を縦に振って準備を始めた。


突撃の準備中、敵味方が打ち合っている、デュアルライトセーバ(銃)の破裂音でチャ・チャやレッドの声は近づかないと聞こえないのに、

ローズ嬢の満足そうな「おほほほほほ…」と笑う声だけは離れていても3人には

聞こえた気がした…


準備を済ませ覚悟を決めた

スティク、ローズ嬢、チャ・チャ、レッド の4人はローズ嬢の提案した密集隊形を取り、

女性が多そうな左斜面中央に4人は ”知恵”と”勇気”、そして新たに めばえた”友情”によって一致団結して突撃し


『……全滅した。』



全滅によって、意気消沈した10人が、宿営地へ帰る途中、ビシャスから勝利の連絡が入った瞬間、スティクを含め皆 クラスの勝利に大声を上げて喜んだ!

宿営地へ帰ってくると、ビクトリーフラッグの守備参加組は、すでに戦勝したことに沸いており、奇襲参加組が帰ってくると 興奮が高まった。


全滅したことについては、一人複雑な気分のクラスメートがいたが・・・


嬢の、気分が塞いでいる様に見えた3人は、嬢へ近づくと

「ローズ嬢 あの貰ったキャラメル 私が今まで食べた、食べ物の中で一番美味しかった。」

と伝えると

「スティク様は 貧しい食生活を送られているんですね あんな物で良ければいつでも送って差し上げますわ おほほほほほ…」


後ろを見ると チャ・チャが肩ををすくめながら、

「機嫌 直して頂けたようですね」

「ああ あの困難な時に、私達に光を与えてくれた女神の機嫌が悪いままじゃ 後味悪いからな」

「そうですね」

とチャ。チャが言うと 3人とも笑いながら、女神様が去った方向を見つめた。


戦勝で興奮の中、機嫌が直った女神様達、奇襲参加組が、クラスメートにもみくちゃにされている方向を見ると、大きな興奮の中にあっても、やはり

ソプラノ長の声で

「私が参加したからには、当然の結果ですわ おほほほほほ…」とやはり、騒がしい中にも嬢の声が聞こえてきた。


「嬢の あの笑い声 戦闘中 皆さんにも聞こえました?」

おそるおそると言う感じで、チャ・チャが聞いてくると

「幻聴じゃなかったんだ」とレッド

「はっきり 聞こえた」とスティク

「もしかして、敵だったクラスにも聞こえてたりして…」

チャ・チャの言葉に黙った3人は無言で別れた。


3人から別れたスティクは、興奮の輪から一人外れ、戦闘報告する為、クラス割り当ての宿営テントに入る

とちょうど、ビシャスとクトウの話が終わった様子だったので、


「勝ったな ビシャス そちらの戦況はそちらはどうだった。」


興奮を抑えられないように

「すごかったぞ 戦闘終了残り10分前に敵クラスの10人が、30人いる俺らの本隊に、

脇目も振らず、目を血走らせながら突っ込んできたんだからな、また、そいつら体術使える奴らを編成してたみたいで、


怪我をしないはずの、模擬戦闘で体に怪我させてくるんだから、たまったものじゃなかったぞ、しかも混戦だからデュアルライトセーバ(銃)も使えなかったしな」


ビシャスは、その場を思い出すように目を上に向け

「お前達が 敵クラスを引き付けてくれなかったら、集団で襲撃されて、あの 武闘派10人にビクトリーフラッグ旗、取られて負けてたな」


「そんなに辛勝だったのか?」

「ああ そうだ、それに模擬戦闘参加したのは初めてだが、迫力ありすぎだ 次の模擬戦では、女子達の編成を良く考えんと 大きな怪我をするぞ」


夢の記憶と違がう現実に、スティクは、ほっとしながら

「そうだな 次の戦闘は気を付けないとな 後で作戦を練り直そう しかし、模擬戦闘って こんなに激しくはなかったはずだが?」


「俺は、こんなもんだと思ったが…」

2人とも黙り込むと


横に居た クトウが

「例年は、デュアルライトセーバ(銃)で大体、勝敗が決まっていたそうですが、このイベントで賭け事だけだとつまらないと、今年は上級生も調子に乗って、色々画策してるようです」


「え、そうなのかクトウ そう言う話はもっと早めにしてほしかったな」


「すいません 僕もケイメイから聞いて、殿下やスティク様に話そうと思ったのですが、ライ先輩から言わないように言われてたらしくて」


「そうか しかし媚薬を効かせすぎたせいかな?」

「気に食わない先輩も、この騒動 煽ってるようだしな!」


ビシャスやスティクの始めたギャンブル計画は、ライが協力したことで、急速に掛け金が増えてゆき

ケイメイが今管理している賭け金は締め切った時点で 82万e程度になっていた。


今年の 野外模擬戦闘は、ギャンブル計画から広がり、今では『祭り』の様相を見せ始め異様な興奮に学校全体が盛り上がり始めていたのだった。



1回戦を辛勝で勝ち取ったスティク達は、次の模擬戦を行う為、『エアカーの方が、楽でいいのに』など愚痴るクラスメートの言葉を尻目に

タイヤ付きの古い大型バスに乗せられ、次のクラスと対戦する戦闘地に赴いた。

戦闘地にある宿営地では、次の作戦を検討するべく決勝戦で当たる相手の野外戦をクラス全員で、観戦する。


モニターに映し出される、クラス1-5の統率された圧倒的な力に、クラス1-4、クラス1-2共に、

なすすべもなく粉砕され、その圧倒的な力量差にクラスの誰もが口を閉ざして静まりかえる。


クラス1-5はこの学院でも特殊クラスで、主に軍隊の幹部を養成する為に編成されたクラスなのだから

当然と言ってしまえば、そうなのだが クラスメートも、始めてみる幹部養成クラスの戦闘力に、これだけの力量差を見せられるとは思っていなかったのだろう


模擬戦では、スティクの記憶にある限り幹部養成クラスが毎年優勝しており、今回の掛けウッズの人気も安定度No1だ、もしこれを破ることができれば大穴なのだ。


野外模擬戦が始まる前、噂を広げる件とは別に、ライ先輩に依頼して、幹部養成クラスを調べて貰った資料には、幹部養成クラスが取る基本戦術は毎年、型にはまった様に決まっているそうだ、相手クラスの行動を操るかのように、川や泥濘に誘い込み、身動きできなくなった所で、決まって、真正面と側面からの猛烈な射撃と、背面から少人数での打撃を3方向から喰らうと、素人に毛が生えた程度の訓練しかしていないクラスは総崩れとなる。


先ほどのモニターを見ていると、簡単そうに勝っていたが、一糸乱れぬ完璧な規律と、動いている人間を狙った正確な射撃を行おうとすれば、

予想以上に厳しい訓練をしなくては、あの様な動きは実行出来ないだろう。


スティクが物思いに耽っていると


「勝てるのか?」

誰ともなく口にした言葉に沈むクラス


そこにビシャスが立ち上がり

「俺たちは、1回戦を勝ち上がったのだ自信を持てみんな、どれだけ強くとも同じ人間、疲労も溜まれば集中力も散漫になり、そこを突けば、俺たちが 必ず負けと決まったわけではない!」


また、自信満々と負けと決まった演説を堂々と行ってくれる。

スティクが、笑ったことに気づいたのか


スティクを見て

「全滅しても、堂々としてる奴も居てるしな!」


すかさず雰囲気を読んだ、クトウが拍手をしたが、クラスは、今一つ盛り上がらなかったが、


「あら 奇襲戦での男たちは、オロオロして見っともなかったですわよ おほほほほほ…」

とビシャスの意図を読めない、ローズ嬢が言うと


「おい ローズ嬢 冷やかすなよ」

ビシャスが小声で窘める様に言うと、いつものビシャスとのアンバランス差に、笑いが起こった。


ビシャスにも、ローズ嬢に対して 苦手意識があったのかと内心驚きつつ、スティクはビシャスに続いて

「明日朝8時間から始まる 決勝戦に向けて各自準備と休憩を交代でするように、では解散」

と皆に告げ、自分の担当である作戦会議メンバーを召集した。



ビシャスが途中女子の班編成で呼ばれた為、クトウと2人で作戦会議用の宿営テントに向かう途中

クトウが突然

「ローズ様 と何か合ったんですか?」と聞いてきた


「さっきは、クラスの雰囲気が暗かったからな俺たちの間抜けさを利用して、場を明るくしてくれたんだろう」


「いえ、本営に帰ってくるまでにです。」

いつものクトウと違い、しつこく聞いていた。


「クトウ 何かあったか?」

「僕は、スティク様に聞いてるんです。」


何時もと違う雰囲気のクトウに 尻込みしながら

「そ、そうか 私が乱戦で自分を取り乱したときに 嬢が皆に魔法のキャラメルをくれたんだ。」

「魔法のキャラメル?」


「ああ 魔法のキャラメルだった、小さいキャラメルを口に入れたことで、男3人の

混乱が解けて行動できるようになったんだから。 だから、帰ってきて その礼を言ったくらいだが」


「そうですか 解りました 許してあげます。」

クトウは自ら調べた話と、ほぼあっていることに安心した。


「…」


「スティク様は 解らなくて結構です。」

少し拗ねた風に言葉を返したクトウも、年ごろなのだ、現実を直視し、いつも全力で行動を起こすが、

恋愛には憧れているし、淡い夢もみる。

スティクの事は、家族を助けるための計画を考えた時から、”ずーっと”見ていたのだ、そんな打算的な自分を嫌悪しているが、そんな自分を見捨てず、助けようと

殿下を引き入れて、ケイメイやライ先輩 色々な人を巻き込みながら、自分の前を進んでくれている。

その行動だけでも、夢見る少女に スティクへの淡い気持ちを持つなと言う方が酷であろう


それと、ローズ嬢の胸が、大きいことも クトウを焦らせた一つの理由だろうが…



作戦会議用の宿営テントでは、想定していた戦闘と異なった状況が発生していることにより、作戦の計画を急遽練り直しているが、スティクの提案と、ビシャスの考えが異なることにより言い合いになっていた。


「おい 誰が、いつ、そのような小賢しいマネをしろと言った。」


「ビシャス 何を言ってる、こうでもしないと私たちが負けるんだぞ!」


「そんな真似をして勝っても意味は無い」


「今回の戦闘はスポーツでは無い! 勝つことが目的なんだぞ!」


2人の掴み合いから、正々堂々と戦う派と策を使ってでも有利に戦う

2派で争いが起こった。


2派の間に、クトウが割込み、

「みなさん、この状態で見苦しい争いは、やめてください!」と叫び、

「殿下もスティク様もやめて下さい!」とクトウと一緒に止めようとするクラスメート達も巻き込んで、3つの巴で、もみくちゃになっていた。


そんな時、

「スティク様に呼ばれて、見ていれば、クトウさん の言う通り 怖気づいて結論を出さない討論は、聞いてて聞き苦しいですわね

みなさん 見苦しく言い争っている小心者の熱を 冷ましてあげなさい」 


「おほほほほ…」


と嬢が外にでた瞬間、新たに、女性で編成されたチームメイトが、火災対策用の 消化剤をテントの中にぶちまけた。


「なにしやがる」

「うわぁ 何これ」

「目に入った」

など次々 文句を言って、外に出てくるクラスメート達を並ばせると


用意された台の上に、ローズ嬢が颯爽と登場し

「クラスの皆さんの心を確かめず、戦闘方法を先に論議するなど愚の骨頂ですわ!

そんなことも解らない 殿下や貴方達に、私達を統率する資格などありませんわ! 」


「うわぁ 下剋上だ。」

チャ・チャが小声で言ったとか言わなかったとか…


そんなチャ・チャの様な小さい批判が起こったが ローズ嬢は揺るぎなく

「この戦闘 華麗に私が、指揮を取って見せましょう みなさん如何かしら? おほほほほ…」



ビシャスとは異なる強敵の登場に頭が痛くなるスティクだったが、

このままでは、嬢の言う通り結論が、つきそうになかったのも事実なので

「私は、魔法キャラメルの借りもあるし、今回はローズ嬢 貴方に従うよ」

とビシャスを見ると


「わかったよ、焦った俺が指揮を取っても悪い結果にしかならないだろうから

ローズ嬢、この戦闘の指揮権、貴方の指揮下で暴れさせてもらう」


異議なしの声が多数で、ローズ嬢が優雅に初めの支持を出す。


「私が聞いているのは 先ほどの様のような水掛け論ではありませんのよ

敵に優雅で華麗に勝てる方法ですは!、負けることなど考えていませんもの」


「おほほほほ…」と高笑いが響く中


「おい ローズ嬢を指揮官にして、ほんとに良かったのか?」

と言う誰かの言葉を 


みんな一斉に下を向いて飲み込んだ。


これから数十時間後、 凸凹クラス1-1の優雅で華麗なる作戦は開始される。

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