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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

本能〜自己保存欲動〜

作者: せにらん

人口が増えすぎたこの国には、自殺制度というものがある。私達は、ある一定の年齢まで生きると、選別され死ななければならない。小さな頃からそう徹底して教えられそれが当たり前だと思っていた私達は、何の疑問も抱かずその時を迎えた。


私と私の幼い頃からの友人達や他数十名は、30歳目前で死の宣告を受けた。コンクリートで出来た広く静かな建物の中に案内されると20センチ四方の紙が渡され、そこに名前と生年月日と遺言を書かされる。


死は怖くない。皆一様に首を吊って少し苦しい思いをするだけでいい話。昔は『あの世』とか呼ばれていた死後の世界。私は小さい頃に『次の世界』と教えられたなと、20センチ四方の紙に短い遺書を書きながらしみじみと思い出した。


「では今から首を吊ってもらいますから、呼ばれた人から部屋へ入ってくださいね」


自分より若い女性がニコニコしながら説明する。私達は指示に従い、順番を待った。しばらくして、

「し、死にたくないぃ!」


首を吊るための部屋の中から先に入った一人の友人の悲鳴が聞こえたのだ。


それが、きっかけだった。隣に座っていた友人が明らかに動揺している。私も何故か体が震えていた。何だ?この言い知れない感覚は。まるで、恐怖じゃないか。『次の世界』に行けるというのに。


「では、次の方」


そう言った案内役の若い女性が何事もなかったかのようにやはりニコニコしながら事を進める。


ほら、怖くない。怖くないぞ。あの女性もあんなに笑ってるじゃないか。


そして最後に私の順番がやってきた。首を吊る部屋に入ると、さっきまで生きていた友人等が無造作に山積みにされていた。


なんだ?あのゴミのような扱いは。『次の世界』は?死ぬってどういうことなんだ?死ぬってこんなに怖いものだったのか!?



次の瞬間、私は死にたくないと叫び、暴れ、無理矢理首を吊された。


私の全てが終わった…。


自分でも書いていてもやもやした作品でした。もう少し世界を広げられたら面白くなるかもと思います。

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