◆挿入歌◆ 『青い奇跡』
主人公視点の挿入歌です。
※文中に出てくる『闇』→宇宙 『青い宝石』→地球のことです。
手を伸ばせば届きそうな所にあるのに
捕らえようと伸ばした掌を擦り抜けていく真実
僕はそこに何も見出せないまま、混沌の中を彷徨い続ける
奴の言葉に翻弄され、踊らされる傀儡となり
与えられた行き先を突き進む
そこに地平線が見えるのは気のせいか?
そこに差し込む一筋の光が、自分の抱えている混沌という闇を照らし
その熱が、分厚い氷壁の中に閉じ込められた追憶のカケラを溶かし出す
それが全てを解き明かす答えだと、見えない何かが僕に訴えかける
そこ以外に進む場所は見付からず
辿ってきた道は瓦礫となって崩れ落ちる
後退して落下した先には何があるのだろう
そこに光は差し込むだろうか
きっと同じ光を見ることはできないだろう
同じ地面を踏めない別世界の住人となり
頭上にある崩れ落ちた地面を黄昏れのように見上げ
永遠に再びその地面を踏むことはできず
地面を目指しては墜落し
僕は飛べない英雄となり、堕落する
永久に知ることのない答えに夢想し
死ぬまでその陸を傍観し続けるだろう
僕は答えが知りたい
言語のない訴えは、僕をその答えへと誘う信号だ
僕はそこから発せられる強い引力に引き寄せられて行く
闇の中に夢を抱いた僕は、その信号を受け止ったのかもしれない
まだ見ぬその世界が
まだ知らぬその世界が
こんなにも恋しく
闇の奥に壮大な温かさと、懐かしさを感じる
その正体を探しに行こう
夢に描いた闇の奥
そこに浮かぶ青い宝石は
やはり幸運をもたらす気石なのかもしれない
そこに近付くほどに見えない何かの輪郭が
脳裏に反映されていくのが分かる
見えない何かは互いを引き寄せ合う引力で
僕はその引力に逆らいはしない
『答えはきっとそこにある』
それは幻想なんかじゃなく、僕の意志だから……
石と意志、奇跡と気石…って
なんだか駄洒落みたいになってしまいましたが、ただの偶然です。(真面目)




