第二章:少年
オレの名前は遠山響。歳は十四歳。この火星コロニー防衛パイロット養成施設の訓練生だ。外見は髪が栗色のショートレイヤーでグレーの瞳をしている。身長は170センチぐらい。
人とあまり話さないので友達らしき人は……
多分いない。
「いよいよ明日試験だね」
「うん」
今、オレは養成施設内の総合医療ルームに来ていた。そこには仮眠カプセルや薬などが置かれ、パイロットが負傷した時や仮眠を取る為の場所だ。
今話しているのはそこでNPとして働く十五歳の女の子。名前は高藤沙羅。淡い青色の背中の辺りまであるストレートヘアで、薄紫色の大きな瞳をしていてかわいいからと男にモテている。
この子は細くて身体が弱いらしいが、妙に安心感があり……
嫌いじゃない。
「氷のような瞳をした少年」
通路に出ると、ふと声が聞こえた。オレは立ち止まりそっちに振り向く。
「遠山響。十一歳で養成施設に入った最年少訓練生」
誰だこいつ?
そこにいたのは見たこともない少年で、水色でさらさらの長い前髪を掻き上げ、挑戦的な瞳でオレを見詰めていた。
「誰?」
オレは自分より十センチぐらい背の高いそいつを軽く睨むようにしてそう言った。
「オレの名前は覚えなくていいよ」
「?」
訳が分からない。
「多分もう会わないし、オレは――“ゼロ”だから」
零号士!?
言い残すとやつは名も名乗らず去って行った。
次話に続きます。




