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TOKYO PMC  作者: ヒロセカズヒ
ニューロン
1/7

クアランティンロック

本小説の執筆にはAIを使用しています


この作品は、あくまでSFであり空想科学です。現実の人・名称・団体・組織・国家とは関係の無い妄想です。でも、気になる単語があったら検索するのは皆様の自由です。

 バージニア州の冬は乾いている。


 Lynceus本社のビルは、郊外の工業団地の一角にあった。駐車場から見ると、どこにでもある物流会社のような外観だった。俺はそこで三週間、研修を受けていた。


 最終日の午後、社長室に呼ばれた。


 廊下を歩きながら、グラスが入室者リストを照合した。社長のナンバーが表示される。それ以外に、もう一人。


 名前が出なかった。


 俺はグラスのフレームに触れた。データベースに登録されていない人物が社長室にいる。


---


 ドアを開けると、社長が立っていた。グラスが顔を照合する。一致。


 もう一人が窓際に立っていた。


 女性だった。背が高い。30代前半か。黒いジャケット、白いシャツ。立ち方が職業軍人に近い。


 グラスが照合を試みた。


 一致なし。


「佐藤澄です」と俺は言った。日本語で言ってから英語に切り替えた。「Sumi Sato.」


「ニコール・ハヤシ」と女性は言った。日本語だった。「FBI。今は休暇中ですけど」


 社長が「座ってください」と言った。


---


 三人で丸いテーブルについた。


「日本に帰ってもらうことになりました」と社長は言った。「予定より早いですが」


「承知しました」


「ハヤシ特別捜査官から説明してもらいます」


 ニコールがファイルを開いた。


「インフェクター」とニコールは言った。「それがコードネームです」


 俺は黙って聞いた。


「医療系の犯罪組織のボスです。アメリカ国内では手が出せない。高額納税者のドナーデータを大量に持っている。政治家も医療業界も黙らざるを得ない」


「それが日本に」


「日本の医療データを狙っています」とニコールは言った。「ランサムウェアとマルウェアで病院のシステムを攻撃する。実際に起きた医療事故を、マルウェアの仕業のように見せかける」


 俺はグラスのフレームに触れた。


「目的は」


「日本が進めている医療データの国内サーバー管理への切り替えを止めること。米国サーバーに移行させる。そうなれば、CLOUD法で全部取れる」


 窓の外に駐車場が見えた。冬の光が平らだった。


「FBIが動くなら、公式ルートがあるはずです」


「あります」とニコールは言った。「ただし今回は使えない。インフェクターは今、メガクルーザーで太平洋を移動しています。ハワイに寄って日本に向かっている。公海上です」


「国家の管轄が曖昧になる」


「そう。このタイミングを逃したくなかった。局長に話して、私的な許可をもらいました」


 私的な許可——つまり何かあってもFBIは動かない。ニコールは一人で動いている。


「作戦名は」と俺は聞いた。


「クアランティンロック」とニコールは言った。「検疫隔離です」


---


 会議が終わった後、廊下でニコールに追いついた。


「一つ確認させてください」と俺は言った。


「なに」


「機内ではサイバーグラスの電源を落とさなければいけません」


 ニコールが歩きながら俺を見た。


「そうね。それが何か」


「俺は、人の顔が分からない」


 ニコールが立ち止まった。


「……なんのジョーク」


「相貌疾患です」


「何それ」


「ネットで調べてください」と俺は言った。「とにかく、グラスのない俺はあなたを見失います。追跡もできない。フォローが必要になります」


 ニコールが俺を見た。何かを確認するような間があった。


 俺の左手を見た。


「あなた、結婚してるんでしょ」とニコールは言った。「そんなんで夫婦生活が成り立ってるの」


 薬指に指輪があった。外すタイミングを失ったまま今日まで来ていた。


「成り立たなかった」と俺は言った。「失敗したんだ。俺が悪かったんだ」


 廊下が静かだった。


「ごめん」とニコールは言った。少し間があった。「今の話はなしにして。グラスをかけていない澄はフォローが必要なのね。分かった」


「感謝する」


 ニコールが歩き始めた。


 俺はグラスの電源を確認した。成田までの飛行時間は13時間だった。



―― 第1話 了 ――



本小説は私がAIを使用して執筆した作品の三つ目です。


ほぼ現代の世界で、舞台は日本の東京。技術の多くは既に実用しているものです。ただし、SF的な仕掛けはありますからご安心ください。


お楽しみいただければ幸いです。

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