クアランティンロック
本小説の執筆にはAIを使用しています
この作品は、あくまでSFであり空想科学です。現実の人・名称・団体・組織・国家とは関係の無い妄想です。でも、気になる単語があったら検索するのは皆様の自由です。
バージニア州の冬は乾いている。
Lynceus本社のビルは、郊外の工業団地の一角にあった。駐車場から見ると、どこにでもある物流会社のような外観だった。俺はそこで三週間、研修を受けていた。
最終日の午後、社長室に呼ばれた。
廊下を歩きながら、グラスが入室者リストを照合した。社長のナンバーが表示される。それ以外に、もう一人。
名前が出なかった。
俺はグラスのフレームに触れた。データベースに登録されていない人物が社長室にいる。
---
ドアを開けると、社長が立っていた。グラスが顔を照合する。一致。
もう一人が窓際に立っていた。
女性だった。背が高い。30代前半か。黒いジャケット、白いシャツ。立ち方が職業軍人に近い。
グラスが照合を試みた。
一致なし。
「佐藤澄です」と俺は言った。日本語で言ってから英語に切り替えた。「Sumi Sato.」
「ニコール・ハヤシ」と女性は言った。日本語だった。「FBI。今は休暇中ですけど」
社長が「座ってください」と言った。
---
三人で丸いテーブルについた。
「日本に帰ってもらうことになりました」と社長は言った。「予定より早いですが」
「承知しました」
「ハヤシ特別捜査官から説明してもらいます」
ニコールがファイルを開いた。
「インフェクター」とニコールは言った。「それがコードネームです」
俺は黙って聞いた。
「医療系の犯罪組織のボスです。アメリカ国内では手が出せない。高額納税者のドナーデータを大量に持っている。政治家も医療業界も黙らざるを得ない」
「それが日本に」
「日本の医療データを狙っています」とニコールは言った。「ランサムウェアとマルウェアで病院のシステムを攻撃する。実際に起きた医療事故を、マルウェアの仕業のように見せかける」
俺はグラスのフレームに触れた。
「目的は」
「日本が進めている医療データの国内サーバー管理への切り替えを止めること。米国サーバーに移行させる。そうなれば、CLOUD法で全部取れる」
窓の外に駐車場が見えた。冬の光が平らだった。
「FBIが動くなら、公式ルートがあるはずです」
「あります」とニコールは言った。「ただし今回は使えない。インフェクターは今、メガクルーザーで太平洋を移動しています。ハワイに寄って日本に向かっている。公海上です」
「国家の管轄が曖昧になる」
「そう。このタイミングを逃したくなかった。局長に話して、私的な許可をもらいました」
私的な許可——つまり何かあってもFBIは動かない。ニコールは一人で動いている。
「作戦名は」と俺は聞いた。
「クアランティンロック」とニコールは言った。「検疫隔離です」
---
会議が終わった後、廊下でニコールに追いついた。
「一つ確認させてください」と俺は言った。
「なに」
「機内ではサイバーグラスの電源を落とさなければいけません」
ニコールが歩きながら俺を見た。
「そうね。それが何か」
「俺は、人の顔が分からない」
ニコールが立ち止まった。
「……なんのジョーク」
「相貌疾患です」
「何それ」
「ネットで調べてください」と俺は言った。「とにかく、グラスのない俺はあなたを見失います。追跡もできない。フォローが必要になります」
ニコールが俺を見た。何かを確認するような間があった。
俺の左手を見た。
「あなた、結婚してるんでしょ」とニコールは言った。「そんなんで夫婦生活が成り立ってるの」
薬指に指輪があった。外すタイミングを失ったまま今日まで来ていた。
「成り立たなかった」と俺は言った。「失敗したんだ。俺が悪かったんだ」
廊下が静かだった。
「ごめん」とニコールは言った。少し間があった。「今の話はなしにして。グラスをかけていない澄はフォローが必要なのね。分かった」
「感謝する」
ニコールが歩き始めた。
俺はグラスの電源を確認した。成田までの飛行時間は13時間だった。
―― 第1話 了 ――
本小説は私がAIを使用して執筆した作品の三つ目です。
ほぼ現代の世界で、舞台は日本の東京。技術の多くは既に実用しているものです。ただし、SF的な仕掛けはありますからご安心ください。
お楽しみいただければ幸いです。




