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グリーン・インパクト  作者: 未来が見えない
序章 始まりの血脈

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第二十一話 ガニメデVSトリトン①

 両者は構えた。


 瓦礫が空に浮かぶ廃都市。砂埃が舞い、割れた高層ビルのガラスに二人の虚像が映る。

 重力が崩れ、地面が遠ざかる中――


 二人は同時に思念でリミッター解除を要求する。


「「兵装展開実行システム・アクティベート!」」


 ガニメデは、爆弾のように腕へ装着された反重力駆動衣(Gスーツ)の多重デバイスへ指令を送る。

 トリトンもまた、マント型多重デバイスへ思念で命令。


『全デバイス同期完了。制限解除――戦闘モードへ移行』


 白い光のラインが脈動し、電流のように身体を走る。


 二人は同時に落下しながら地を踏み抜く。


 ――ダンッ。


 互いに間合いを取った。



「氷漬けにしてやるよ。そのひょろひょろの体をなあ? 脳が焼き切れるほど冷やしてやる。折れたらすまねえな、カマ野郎」


 ガニメデの腕が青白く発光する。冷気が周囲を凍らせる。


「はあ……本当に下品ですね。水色の髪だけは可愛いのに」


 トリトンは長い青髪をかき上げる。

 マントから水が触手のように左右へ伸びた。


「相性が不利だと知って煽るのでしょう? 残念ですが、それは違います」


 水の触手が鋭く尖り、射出される。


「はっ! 凍らせちまえばいいんだよ!」


 ガニメデは両手から冷気を放ち、水槍を凍結。

 掴み、へし折り、投げ返す。


「まあ、そう来ますよね」


 トリトンは水で受け流し、氷の槍を砕いた。



『おおっと! 開幕から属性相性の真っ向勝負だァ! 冷気対水流! これは好カード!』


 空中に浮かぶトーナメント進行AIがマイク片手に叫ぶ。



 その隙に、ガニメデは滑走する。

 冷気を床に撒き散らし、氷上を滑るように急接近。


 トリトンは触手をマントへ収納し、大きく広げた。


「ガラ空きだ!」


 氷を纏った拳が腹部へ振り抜かれる。


「本当に単細胞ですね」


 ――瞬間。


 マント内部から複数の水槍が展開。

 背後にも回り込む全方位攻撃。


「!?」


 ガニメデは咄嗟にガード。

 前方は砕くが、背後の数本が貫く。


「ガハッ……!」


『ヒットォォォ! トリトン選手、冷静なカウンター! 氷結防御の隙を突いたァ!』


「水の生成速度が氷に負けるわけないでしょう。そんな簡単に間合いに入るなんて、猿でも分かりますよ」


 トリトンは見下ろす。


(クソ……だが、仕掛けたのは俺だ)


 ガニメデは痛みに耐えながら、腕に仕込んでいた爆弾を上空へ放っていた。


「お前こそ大馬鹿だ」


 氷爆弾、起爆。


 冷気が放散し、空中の水蒸気を一気に昇華させる。

 巨大な氷塊が生成され、重力に引かれ落下。

「なっ――」


 トリトンは空気中の水分を凝縮し迎撃。

 氷塊は砕ける。


挿絵(By みてみん)


 破片が視界を奪う。


 その死角。


 ガニメデの拳が冷気を纏い――


 ――ゴッ。


 トリトンの脇腹へ叩き込まれた。


(くっ……流石に、この距離は……)


『決まったァァァ!! 近接強打! 氷のフックが炸裂!』


『水と氷――理論上は拮抗! しかし実戦では読みと胆力が勝敗を分ける!』


 砂塵が舞う廃都市の中心。


 二人はまだ倒れない。


 重力は揺らぎ、瓦礫は宙を漂い続ける。


『模擬戦とは思えぬ激戦! 果たして立っているのはどちらか――!』


 実況AIの声が、崩壊都市に高らかに響いた。

いつもお読みいただきありがとうございます。皆さまからのブックマークや高評価が、執筆の大きな励みになります。これからも楽しんでいただけるよう精一杯書いていきますので、引き続き応援よろしくお願いします!

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