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#23 カイトを慰める藤井

私は藤井宮。(ほぼ)弟であるカイトが大好きな、普通の女子高生だよ。今日はみんなで楽しくゲームをしたんだけど、私と賽瓦が女子二人で服とかメイクとかクラスの子の噂話をしている間に、山田ってやつがカイトに対してなんか言ったみたいで、リビングに戻ったらカイトが泣いてた!山田がなんかいじわるしたのかとも思ったけど、あいつが人をいじめるとは思えないし、カイトは自分が悪いって言い続けるし、本当に何を話したんだろう?とりあえず、今日は一緒に寝ることにしたけど…


とりあえず、カイトの親御さんに話をして、変なことをしないって条件で一緒に寝ることができた。たまに「その、変なことって何ですか?」って聞くけど恥ずかしがって答えてくれない。まあ、いつも通りにしてればいいか。

というわけで、隣にいるカイトの背中をさすりながら話を聞いてみた。

「大丈夫?山田に何言われたの?お姉ちゃんに教えてみ?」

できるだけ優しくカイトにささやく。カイトは泣いたまま

「大丈夫じゃないけど、大丈夫...あの人に言われたことは...」

そこでさらに泣き出してしまった。カイトがここまで泣くなんて、山田ってもしかしてすごいひどい奴だったのかもしれない。

「よしよし、カイト辛かったんだねぇ。大丈夫だよ。お姉ちゃんの腕力なら山田の倍はあるし、経済力ならもっとあるから」

カイトを安心させようと力の差を語ってみたが、

「違う!だからぁ...あの人は悪くなくてぇ...僕がクズ過ぎるってこと...」

なんだか、本当にいじめられたわけじゃなくて、カイト自身が自分をひどい奴だと思ってるらしい。なんでだろう?カイトって性格悪かったりしたっけ?

「何でよぉ?カイトって優しいし、いつも面倒見てくれるし、クズなんかじゃないじゃん!」

カイトはようやくこっちを見て話してくれた。ちゃんと理由教えてくれるのかな?

「姉ちゃんがいないときさぁ、あの人と話したんだけど...その時僕は姉ちゃんのこと...」

そこまで言ってカイトはまた大泣きしてしまった。山田に対して私のことを言った?...別にそれはいいけど、私のことなんて言ったんだろう?それが一番の問題っぽいんだけど…

「ゆっくりでいいから教えて。山田に私のことなんて言ったの?大丈夫、お姉ちゃんのことを風呂から下着で出てくる痴女って言っても、いつも中二に勉強教えてもらってるバカとか言ってもお姉ちゃん怒らないから」

半分以上事実だしね。何言われても受け止めるよ私は。かわいい弟の言うことだし。

カイトに対して、言ってみ?といった表情で黙っていると、少ししてカイトが話し始めた。

「お姉ちゃんのこと...朝、全然起きてこないとか、友達が少ないとか、僕の部屋に勝手に入ってくるとか言ったけど...」

けど?何?友達が少ないっていうのは事実だしちょっと言っちゃいけない感じはするけど、それ以外はいつもやってることしか言ってないじゃん。もしかして、それを山田に言ったのが私の評判悪くするって意味で自分をクズだと思ってるのかな?

「まあ、友達が少ないっていうのはちょっと言っちゃだめだったかな。でも、それ以外は大体いつものことじゃん。それを言ってどうして、カイトは自分をクズだと思うの?」

また黙っちゃった。別に、私が弟にどう思われていようといいんだけどね。カイトは私のこと大好きなんだしさ。そう思いながら、ちょっと待ってるとカイトが泣きそうな声と顔でこっちを向きながら話す。

「そうじゃなくてぇ...それを言うときに、姉ちゃんのことを手が掛かるとか...僕がいなきゃダメダメな姉ちゃんとか、楽しそうに言ったの...」

?????

カイトがいなきゃダメダメなのはわかるとして、なんでそれを楽しそうに言ったの?私が人に楽しそうに話すときって言ったら、人と話して楽しい時か、話してる内容が楽しいときかだけど…

もしかして、私のことをダメって言って楽しかった?なんで?

「ごめん、わかんないんだけど、なんで私のことをダメダメって楽しそうに言ったの?言いたくないんならいいんだけど」

カイトは余計泣きそうな顔になりながらも、私から目をそらさないで何か言おうとしている。そこまできついんなら言わなくてもいいよって言ってあげたいけど、多分言いたい理由があるんだろうな...と思って少し待ってみる。その間にたくさん溜まった汚れたティッシュをゴミ箱に入れる。苦しそうなカイト...自分がそんなにも言いたくないことを言おうとしてくれるのはちょっとだけ嬉しい。

「なんで姉ちゃんのことダメダメって楽しそうに言ったかっていうと...難しいんだけど...姉ちゃんをそこまで面倒見てるのは僕って言いたかったのと...」

「のと?」

カイトがそこで泣いてしまったが、何とか続きを言おうとする。がんばれ!でもつらいんなら言わなくてもいいんだぞ!お姉ちゃんは大丈夫だから!

「のと...お姉ちゃんがダメダメだって教えて、山田って人がお姉ちゃん狙わないようにした...のと...」

???

ちょっと待って。山田が私を狙ってる?そんな感じだったっけ、あいつ?どっちかっていうと山田は江野畑狙ってない?どうしてカイトと初対面の山田が私を狙ってると思うんだろう?

「ちょっと待って。なんでカイトは山田が私を狙ってると思ったの?体が魅力的とか?」

カイトが気まずそうに答える。

「それもだけど、姉ちゃんって...可愛いし明るくて優しいから、家に来るっていうのはそういうことなのかなって...」

それはないでしょ。大体それだと、友達全員恋愛対象になっちゃうよ。まあ、ここ数年は友達とか家に呼ばなかったからそういう誤解したのかもしれないけど!

「いやそれはない。最近は友達もいるし、男のことなら男であるカイトにまず相談するよ」

それはそれとして、私のこと優しいとか可愛いって言ってくれたのは普通にうれしいな。もっと言って!

「そう...確認だけど、姉ちゃんって僕のこと好き?...その、異性としてって意味で...」

さっきまで泣いてたと思ったら、今度は真剣な表情でそんなことを聞いてくる。たまに異性として、って聞くけどそれってどういう意味なんだろう?付き合ったこととかないからわかんないんだよね。

「え...いや、わかんない。異性としてっていうのがまずわかんないし...」

「あ...そう...」

すごい暗い顔するじゃん。なんかごめんね...あ、でもカイトのこと大好きではある!

「でも、カイトのこと大好きだよ!いつも勉強教えたりしてくれるし、私のことよく慰めてくれるし」

そう話した瞬間、カイトの顔がものすごい笑顔になったかと思うと、一気に泣きそうな顔になった。感情の起伏激しいね。笑顔はわかるとして、なんで泣きそうな顔になったんだろう。

「さっきの続きだけど...姉ちゃんがダメダメで山田って人に狙われないようにしたのと...姉ちゃんは僕がいないと何もできなくて...だから、僕が姉ちゃんの傍にいるのがふさわしいって言いたかったの…」

...なるほど、そういう理由なんだ。う~ん、私はバカだからよくわかんないけど、それはちょっとダメなんじゃないかなぁ。私のことを下に見るのはいいとして、自分を上げられないから私を下げるっていうのは、なんかなぁ…

「だから、僕はクズでぇ...山田は悪くないってこと...」

言いたいことは分かった。確かに、これは山田は悪くないかな。今度謝っておこう。まあね、今回はカイトがちょっと、うん、あれだったけど次回から直していければね...ナチュラルに山田呼びは指摘しなくてもいいかな。

「うんうん、それはカイトが悪かったね。別に私のことは正直何て言ってもいいよ。痴女でもバルチョーナクでも美人すぎるでもおバカすぎるでもね。けどね、人に対して私はカイトのものだ!みたいに言ったり、ダメダメな部分をたくさん言ってカイトのほうがすごい!みたいに言うのはちょっとカッコ悪いかな。そこはちょっと反省だね。わかったかな?わかったら、ハグしようか」

カイトは泣きそうな顔で私にゆっくりとハグをしてくる。

「姉ちゃん...ごめんなさい...大好き...」

と繰り返しながら、カイトが抱きついてくる。カイトの頭をなでながら、ふと、ものすごい充足感と安心感を感じる...よく考えてみれば、今まで私に甘えたり弱いところを見せなかったカイトが、私をものすごく必要としてくれている!...カイトが自分のしてしまった悪いことを反省するためとはいえ、これは...なんか癖になりそう...そうだ、このままずっとカイトを甘やかしていれば...

ダメダメ!カイトをずっと甘やかそうなんて一瞬でも思った自分を殴りたい!カイトはカイトで頑張っているのに、それを邪魔するようなことを考えちゃダメ!

「姉ちゃん?一瞬、心臓がすごい早く動いてたけど大丈夫?」

カイトに心配されてる!慰めてるのはこっちなのに!

「姉ちゃんも、何かあったらちゃんと言ってよ...できるだけ役に立ちたいから」

そう言いながら、泣き疲れたのかカイトは眠ってしまった。危ない危ない...もうちょっとで息が荒くなってるのもばれるところだった...

前からたまにあったけど、なんでかなぁ...最近になって特にカイトと触れていると興奮することが多くなったんだよね...なんでだろう...まあいいか。ずっと一緒にいれば何かわかるでしょう。


その日は、カイトの穏やかな呼吸を聞きながら寝た。


おまけ:その日の賽瓦と三河のLINE

賽「そういえば、あんたなんか料理作れる?」

三「ルンダン作れる」

賽「あっそ」

三「え????聞いといてそれ?なんなんだこいつ」

賽「私、カオマンガイ作れる。すごいでしょ?」

三「わぁ~すごい(なんだそれ)」

賽「でしょ?(おめぇのルンダンも似たようなエキゾチック料理じゃねえか。何で知らねぇんだよ)」

三「ほんとすごいね。それが?」

賽「今度、一緒に本読むでしょ?あんたの家で」

三「うん」

賽「作れ」

三「は????」

賽「作れ」

三「言ってることは理解した。だけど、なぜに作れねばならんのか」

賽「昼ごはん買うのお金の無駄だから」

三「お前が作れよ」

賽「お前が先作れ」

三「いいよ」

賽「やだ」

三「は????」

賽「は????」

三「...」

賽「...」

三「作れよ」

賽「おめぇが先作れよ」

三「だから作るっつってんじゃん」

賽「なんだこの野郎!?」

三「お前が何なんだよ」

賽「私は私だ」

三「あっそ。材料何必要か送っとけ」

賽「あい」

三「死ね」

賽「お前がな?」


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