現世と隠世
1話です!
たくさんの方に読んでもらえたら嬉しいです!
〜現世と隠世。この2つは相容れないものである。僕たちが住む現世から隠世の存在を知ることも、確かめることもできない。逆もまた然り、隠世も現世に干渉することが出来ない。〜
僕は赤田れい。普通の大学生。上京して、一人暮らしをしています。家賃を安めのところにしたら、駅から結構遠めの場所になりました。周りは木々が生い茂り、都会とは思えない風景。田舎育ちの僕にはどこか居心地が良いので気に入っています。節約のため、自炊もしっかりし、家事もそれなりに出来るようになった。そんな僕の一日は可もなく不可もない、普通の一日である。
平日は、朝起きて、お弁当を作ります。
最近の冷凍食品はもう冷凍食品の味ではありません。次に、大学に向かいます。
満員電車はまだ慣れません。
大学に着いて、ちょうどいい位置に座る。講義を聞いているようにみせて、スマホゲームをします。そして毎回テスト前に焦って勉強をします。
休日はバイトをして、趣味のゲームにお金を充てます。機嫌の悪いお客の対応以外は、割と好きな仕事である。
何もない日は、家の近くを散策したり、家に籠ってゲームをする。
この誰にも邪魔されない1人でいる時間と空間に、僕はかすかに幸せを感じるのである。
そして今日は僕の20歳の誕生日。初めてお酒というものを飲んでみる。
この日のために、ちょっと高めのお酒に合いそうなものを買ってきました。とても楽しみです。お酒はよく父親が飲んでたものを飲んでみようと思う。
ー「おっ、このツマミ美味ぇな!。だけど..意外とお酒はあんまり美味しくないな...。いやぁ、この美味しさに気づくのはまだ先ってことやな。」ー
(翌日)
“ジリリリリリリリリ”
部屋中に目覚ましが鳴り響いている。鳴り響く目覚ましを止め、時間を見る。
「うわぁ..寝過ごした..。頭も痛いし、最悪だ」
父親が飲んでた酒は、初陣には早すぎたようだ。
しかも、よりによって今日の授業は出席必須!
ぼっちライフを極めた僕は休むことができない!!
今日はお弁当を作らず、コンビニかどこかで済ませよう。
調子に乗って、飲まなければ良かった...。と考えながら、急いで着替え、家を出る。
そうだ、今日はいつも通っている道ではなく、こっちの近道を使おう!薄暗くて、近寄りがたいので避けていたが、たしか、この道を抜けるとすぐ駅前に出るって言ってたな!大家さんが.....。
大家さんを信じ、少しでも早く電車に乗るぞ!
人通りはない、森の中をただただ走る。走る。はしる。走る。ハシル。
しかし、走れど走れど、出口は見えない。
薄暗さは、もはや太陽の存在を忘れさせた。
本当にこっちの方向で合ってるのだろうか。
戻る時間もないし、道は一本しかないので、進むしかない。どうしようか....
・
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「いや、待てよ?そもそも駅前に森から抜ける道なんかあっただろうか...。ビルとビルに挟まれた森の抜け道なんてあるはずがないよな...。」
気づいた時には、もう、戻る選択肢はもはや無くなっていた。
「このタイミングで来てしまいましたか」
人通りがなかった森の中から、声が聞こえた。重い緊張感が走り、冷や汗が滴る。いや、走って汗をかいただけかもしれない。
振り返るとそこには大家さんが立っていた。
いや、大家というには神々しく、光に包まれている。
その刹那、僕は闇に包まれ、意識を失った。
次回は2月の最初の週に投稿します!
ぜひ、続きも読んでみてください!