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doll story  作者: 千裕
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一ヶ月後

それからひと月が過ぎたろうか。再び月は太り満月になろうとしていた。お婆さんはハンスにああ言ったものの、シャルルを未だ見つけ出せずにいた。老女の体力も魔力も行方不明のお人形を探し出すには少し衰え過ぎていた。お婆さんはお婆さんになりに、TVで覚えたシェイプアップ体操を星空の下で踊ったり、ザクロの生絞りジュースを毎日飲んだりして魔力の回復に努めたが、それでもたかが知れていて、結局次の満月の夜が来たその日には一体のお人形を人間に孵す魔法をかけるので精一杯であった。それに時の砂も、もはや丁度一体分しか残ってはいなかった。


お婆さんは一ヶ月前からそのままにしてあったマルタのお人形を見つめた。まだ、マルタが託した子瓶の薬も飲まれてはおらず、そのままになっていた。お婆さんは優しいマルタにとても会いたかった。マルタの灰色の瞳、落ち着いた喋り方、揺れる金色の揃った毛先をとても恋しく思っていた。けれどもお婆さんは、マルタをそっと抱きかかえると、棚の一角のスペースへ彼女を運んだ。そして、棚の一番端に並んだ古ぼけた傷だらけの、少年の人形を抱き降ろした。鋭い目つきをした赤毛のお人形である。お婆さんは丁度ひと月前にしたように、化粧机から「時の砂」を取り出すと「ハルトイントドエル…」と二回唱えながらさっとその少年に振りかけた。


次回ラストです…!

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