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doll story  作者: 千裕
32/39

残りの2分

突然、シャルルは小さく悲鳴を上げた。

「ハンス!今、何時!?」

「え!?今…」

ハンスはポケットから懐中時計を取り出し視線をを落とす。

「11時58分。」

「帰らなきゃ!」

シャルルは大慌てでハンスの服を掴むと、山犬に乗り込んだ。


コチ、コチ、コチ…

ハンスから借りた懐中時計をシャルルは見つめていた。秒針の音がゆっくりと、大きくこだましている。来る時は何て速いのだろうと思った、山犬の走る速度が今ではもどかしく感じる。ああ…間に合わない、とシャルルは思った。川に差し掛かった。それは、一瞬の事だった。ハンスの背中にふっと冷たい風が過る。

「…シャルル?ちゃんと捕まって…」

振り返るハンスの瞳に映ったもの、それは…川に向かって身を踊らせるシャルルの姿だった。

「シャルル…!!!」

シャルルの体はそのまま、激流の中に吸い込まれ、あっと言う間に小さく流されていった。幼きハンスは呆然と、ただただ突然の事態に放心していた。

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