探し物
マルタは部屋に戻ると何度も読み返してボロボロになった学術書をもう一度パラパラとめくった。
「チョーク…活性化…」
ふと、ページをめくる指先が止まる。
「そうか…それが足りなかったのかもしれない…」
青い液体をスタンドライトにかざしながら、マルタは目を細めた。チョークの粉を3ヶ月間星にさらすのはもはや間に合わない。そうなったら、既に星の光を十分に浴びたフェザーパールを探すのみ。確か、屋敷の隣の湖にはそんな貝が住んでいたはずである。マルタはさっと立ち上がると、屋敷の外へ降り立った。
物事はそう、何でもかんでも上手く行かないもので、マルタのパール探しにおいてもそうだった。日は沈み、もはや目を凝らしてもなかなか貝すら見当たらなくなってしまった。そして、更に夜の北風の冷たさが指先にしみ込み出すと、もう今夜は貝探しを諦めるより他に無かった。
「まだ、明日があるわ…」
マルタはぽつりと自分に言い聞かせた。そもそも羽の形をしたパール自体がなかなかそうある物ではなく、大抵は唯の楕円形、もしくは球型であった。もちろん、それらのパールも町で売れば良い値段で売れる代物なのだが。