約束
突然、二人の顔に光が差し込んだ。
「オリビア、シャルル、みーつけたっ!」
嬉しそうにハンスが二人を覗き込んだ。
「あーあ、見つかっちゃった。絶対見つからないと思ったのに。」
と、口を尖らせるオリビア。
「ばっかだなぁ、こんなに玩具が散らかしてあったら、怪しいに決まってるじゃないか。」
はははとハンスは笑い、オリビアの頭をぽんぽん叩いた。
「それに、ここ、僕がこの前隠れてた場所じゃないか。」
お兄ちゃんには一足も二足も叶わないオリビアなのであった。シャルルはそんな二人を隣でそっと見つめていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、パーティはお開きとなった。子供達はそれぞれ迎えにきた親に連れられ帰っていった。シャルルも玄関前の木に干し肉を吊るし、山犬を待った。
「シャルル、初めてのパーティはどうだった?」
見送りに来たハンスが話しかけた。
「すっっっっごく楽しかったよ!お友達も一杯できたし、オリビアとも仲良くなれたし。あれ、オリビアは?」
「ソファで寝てる。普段こんなに夜更かししないから。」
二人はくすくすと顔を見合わせて笑った。
「また、遊ぼうな。今度は森に迎えに行くよ。」
「うん、待ってる。」
「今度は一緒に星を見よう。僕、星に詳しいんだ。」
「うん。」
二人は夜空を見上げた。沢山の星々と、半分より少し欠けた月が二人を照らしていた。