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★SAVER  作者: 佐伯理太
9/12

#4話 「丑寅マモルの過去」

――――いいかい――――――――この世界にはね―――――



あらすじ


外川リタ

救済者「SAVER」になるための試験に合格したものの

基本二人組でしか活動できないセイバーの条件のために

何もできない時間を過ごす

ある朝本部から連絡が入り、パートナーが決まったとの

告知を受け早速面会へ向かう


過去の巨大地震で母を失っている

後に地震が悪の組織の陰謀で起こされたことを知り

それを予知して動いていたセイバー組織に憧れ自ら志願する


志賀なつき

セイバー協会総司令官丑寅マモルの姪にあたる

過去に起きた巨大地震ですべてを失くし、協会に招かれる

協会のコネでセイバー試験合格者のプロファイルを閲覧し

自らリタのパートナーを志願する

慧眼という真理を見通す特殊能力を持つ


二人は出会い、本来新米のセイバーが任されることのない

特急の任務を引き受ける


任務におもむき長く続く地下階段を下っていくと

開けた空間に一つの扉があった

リタは幻視で扉の前に門番が見え、その正体は

自分の祖父であることを悟る


二人は覚悟を決め、未知の世界への扉を開く


するとそこは懐かしく暖かい母親の胎内

のような宇宙だった


二人は惑星に不時着しそこでなつきの伯父である

丑寅マモル(こちらでは亜宇守)と久々の再会を果たす

なつきは耐えられず嗚咽する

近々かりそめの地球が滅亡するビジョンを見せられる


――――――――――――――いくつもの地球が在るんだ―――――


―――――――――それをボクらは仮初地球と呼んでいる―――――


僕らSAVERと対峙するアクの組織「クレイガ」はそれらの

仮初地球を――――――生命の潤いあふれる美しい星を――――――

――――――殺そうとしているんだ――――――


リタくん

あの時君のお母さんを救おうとして僕は君の前に現れた

それから君はあの地震の真相を知り

僕の勇姿に憧れSAVERになったね


僕はもう幾度となく仮初の地球が滅ぼされるところを見てきた

何とかして阻止しようと知恵を絞ったがどうやったって

クレイガの奴らには敵わない奴らは化物だ僕にはそう感じる


だが、リタくんよく聞いてくれ

何度も思索するうちに微かに希望が見えてきたんだ

奴らが狙っている仮初地球には特別な民が

一つの惑星につき一人存在していることに気づいたんだ


それが君なんだよ


外川リタ・・・外川とは外からの流れを汲む一族の名だ

そして君の名であるリタは頭文字Rから始まる

これが何を意味するかわかるかい?

僕達宇宙の民である「ソラビト」が仮初地球にSAVER本部を設置したのは

本当は地球の人々を救うためではないんだ



リタ「そんな・・・嘘だ!!僕はマモルさんに憧れて・・・みんなを助けたいと思って・・!」


リタくん君を・・・引き抜くためだ


リタ「・・!?」


『SAVER』

この字をよく見るんだ

『SAVE R』

こうするとよく解るだろう


『セーブアール』

頭文字Rの特別な民を保存するため我々は動いてるんだ


遠い昔宇宙には5つの部族がいた

その一つには僕の祖先である「ソラビト」の一族

君の祖先と考えられている「ラーク」族

そして僕達の敵である「クレイガ」族

残りの2種族とされている部族は未だ知られていない

なつき「アヴェンジャー」


守「・・・アヴェンジャー?」

なつき「SAVER本部の総司令官であるあなたにも知らないことがあったのね」

「確かにラーク族の末裔を保護するのは私達の目的の一つだったけれど」

「SAVERの字はソラビト族のSそして既に滅びたアヴェンジャー族のAVE」

「最後にラーク族のR」

「SAVERはこの三部族が同盟を結んでいた頃に作られた組織よ」



(守による歴史の説明)

かつて五部族は宇宙に数多に存在する美しい星「地球」を

分かち合い平和を保っていた一つの地球に複数の部族が住み

やがて彼らの間で争いが起こり対立は長引き

ついには宇宙空間を舞台にする戦争にまで発展した

古代部族にとって地球は美しい星であるがそこでしか暮らせない

訳ではなかったんだ

戦争が始まると地球は狭く闘いづらいからか宇宙に舞台を移し

互いが滅びるまで戦う意思で激戦を繰り広げだ

千年にも及ぶ永い戦いの末勝利を勝ち取ったのはクレイガ族だった


地球をめぐる戦争でもはや5部族は地球には住まなくなり

宇宙空間での戦争に明け暮れていた

その間地球では哺乳類が劇的な進化を遂げ

いつの間にか猿が現生人類となり地球を支配していた


クレイガ族はアヴェンジャー族を滅ぼしその同盟族だった

ソラビト族とラーク族を降伏させ宇宙戦争の勝者となった

戦争に勝利したクレイガ族は数多の地球を手に入れるはずだった


否、事実「仮初地球」は彼らの手中にある

すべての仮初地球の運命はクレイガ族が握っているんだ

リタくんとなつきちゃんがいた”その星”も

もう時期クレイガ族の意思で滅ぼされるだろう

仮初の世界では「人工地震」となっているが

宇宙の五部族の一つであるクレイガ族が

彼らの手中にある「仮初地球」のうちの一つを

何らかの理由で停止させるに過ぎないんだ


なつき「それは・・・ラーク族を滅ぼすため」

「クレイガ族はアヴェンジャーを滅ぼしたけれど同盟族は降伏させただけだった」

「同盟族すべてを根絶やしにして完全な支配を目指しているの」

「つまり彼らはSAVERセイバーを根絶しようとしている」

「守さんの祖先のソラビト族と絶滅に追いやられたアヴェンジャー、

そしてリタくんの祖先であるラーク族」

「そしてその三部族が結成したSAVER総本部」


「リタくんの祖先ラーク族は千年間続いた宇宙戦争のさなか」

「五部族のものは誰も住まなくなった地球に現生人類そっくりの姿で紛れ込み」

「密かに同盟族と連絡を取りながら人間社会にセイバー組織を作り上げた」

「うまいことやったのね」

「当時はアヴェンジャーの滅亡で同盟は消失したと思われていた」

「停戦後はラーク族とソラビト族はどこか遠くへ行ったと聞かされているわ」


守「・・・やられたよ」

「皆クレイガに殺された」

「俺達は同盟族が狙われていることも知っていた」

「あいつらがその気なら宇宙の果まで逃げるつもりだった」

「俺が最後の生き残りかはわからないが・・ただ俺は死にきれなかった」


独り戦争から生還し仮初地球のひとつに不時着した守は

そこで同盟族が結成していた機密組織SAVERの総司令官となった

「そこで俺はクレイガに気づかれずに今日まで落ち延びた」


「解るか?この情けなさを・・・

俺達は同盟族のアヴェンジャーを守れず、情けなく逃げたんだ

そして哀れにも追撃され事実上の根絶やしだ

同盟族は俺達の誇りだったんだ 俺だけが

その末裔として取り残された・・・・・」


「だが俺は諦めたわけじゃない、SAVERは・・・最後の砦だ」


「良く聞いてほしいんだ、何のために君たちを呼んだのか」

「・・・ラーク族のリタと・・・それから、」


「・・・”ネイト族”のナツキを呼んだのかを」


SAVER #4話 完




※この作品は2020年12月16日に執筆しました

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