3/12
#1話「緘黙のリタ」3
「やはり私が見込んだとおりの人ね。」
とリタにとって不可解な言葉を発した。
(ここで会うまで面識もなかった人なのに)
そのことをリタがロにするより先になつきは
「あなたのことはセイバー二次試験合格者のプロファイルを見
て知っていたわ。」
「マモルさんの影響でセイバーになったと聞いてこの人なら
頼りになるかもって思ったの」
「じゃあパートナーを決めたのは・・」
「私よ。」
「本来は司令塔の人たちが議論して決めるものだけど今回は
ある人のコネで選ぶ権利が与えられたの。」
(慧眼のなつき…君は一体何者なんだ?)
リタは目の前にいる得体の知れない女の子に圧倒されながら
も初めて現れた同胞の存在に頼もしさを感じていた。
「それから、あなたの呼び名のことだけど・・」
「緘黙のリタでいいかしら」
そう言われるとリタは目を細めて一度だけ領いた。
「フフ、あなたにぴったりの名前だと思うわ」
「これからよろしくね。緘黙のリタさん。」