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問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第六章 【二つの世界】

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6-213 違和感23










「まさか……カステオとニーナが……あの町にいる?し、しかし……一体なぜ?キャスメルが、何かをしようとしているのか?」



ステイビルはキャスメルがことを起こそうとしている目的として、王の座とハルナのことが頭に浮かんだ。

だが、そのことにカステオとニーナがこの国に極秘に入り込んでいる理由が判らない。

ステイビルの知る限り、カステオが金銭の目的で行動するようには思えなかった。



(他に何が……)


イヤとメイヤには、キャスメルの動向を探るように伝えているが、いまだに何の報告も入っていない。

あの二人であれば、何か事が起きた時にでもどちらかは帰還できるだろう。

それでも何の連絡がないということは、まだ調査が続行中である可能性が高い。そしてそれは、まだ慌てるほどの段階ではないということなのだろう。



「だが、このまま放置しておくわけにはいかないな」




こうして、ステイビルは次の一手を考え、翌日そのことをアルベルトとエレーナに相談して実施することにした。





翌日、ステイビルは二人に相談し、グラキアラムへ視察員を派遣することに決めた。

しかし、その結果はステイビルたちが思った通りの結果となった。




グラキアラムからは、その視察の受け入れを拒否するとの連絡が返ってきた。

理由を聞いても明確な答えはなく、今は受け入れられないとの一点張りだという。

命令を受けた者は、ステイビルから問題を起こさないようにとの指示に従い、数回やり取りをしただけで王都へ戻ってきた。


その後、二度ほど同様に時期を開けて視察員を送ったが、全て同じように戻されていた。



そこからようやくステイビルは、警備兵と騎士団を連れて威圧的な手段に出た。

しかし、グラキアラム側も抵抗する姿勢を見せる。


亜人たちだけにはなるが、兵を出しステイビル側の威圧を押し返そうとした。



この場は一旦引き下がり、次に訪れる場合は抵抗するならば武力によって突入すると告げて引き上げた。








「……で、今ステイビルさんはその準備を?」




「そうなの、これからグラキアラムに向けて出兵するのよ。私もアルも付いてくるように言われているの」



それは、ステイビルの作戦であろうとハルナは気付いた。

きっとあの旅の中で培ってきた絆を示すために、あの時のメンバーと顔を合わせようて説得を試みようという作戦なのだろうと。


エレーナにその考えを告げると、エレーナも同じ考えのようだった。



「じゃあ、私も行った方が……」



そう告げると、エレーナの顔がハルナの言葉に少し険しい顔になっていった。



「え?何か……まずいの?」



「まずいも何も……ハルナ。あなたいま、ステイビル様と結婚することを忘れて……いや、記憶にないわよね?それがどういうことか想像つかない?」




「……?ごめん、どうなっちゃうの?」





「やっぱり……ね。ハルナ、今のあなたにはステイビル様と結婚する意志はないでしょ?そうなったら、今までやってきたことが全てひっくり返ってしまう可能性もあるの。二人の王子の派閥争いもそうだし、王女となる相手の選別までね。そうなったらこの国は再び、自分たちがより良い地位を確保するためにドロドロとした争いが起こることは……間違いないわね」




「そ、そんな……」






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