表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第六章 【二つの世界】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

850/1278

6-77 割り込み










「……城内の受付に言って報酬を受け取るがいい」



「え!?……えぇ、ありがとうございます!」



ハルナは、この行為に報酬が出ることを知らなかった。

それよりもどうやってこれから城内に潜り込むかを考えていたが、あっさりと城内に入ることができ安堵した。




城内に入ると、入口の左右にフルプレートの鎧を着た騎士団がそれぞれ槍を手にして立っている。

構造はハルナの知っている城と同じだが、城内の様子は全く違っていた。

広いエントランスの中に、ホテルのカウンターのような磨かれて光る立派な石のカウンターが見える。

そこには数十人の人が二列になって並んでおり、二人いる受付の女性に対して要件を伝えていた。

その者たちの容姿は、立派な衣服に身を包みアクセサリも高価だが”それらしい”ものを感じさせない着こなしが立派な家の者たちであるということは肌で感じとれた。

それに気付いたハルナは、自分たちの服装と比べるとここにいる自分が恥ずかしいという気持ちが浮かんでくる。





――ドン!



「――ぶっ!」





ハルナは、背中に衝撃を受けて肺の息が口から飛び出た。

その衝撃の元は、サヤの拳だった。





「ちょっと、サヤちゃん!痛い……」



「しゃんとしな、ハルナ。アンタがそんなに卑屈になると、”バレる”ことだってあるんだよ?アンタだってあんな奴らに負けない”力”があるんだ……しっかりしな!」



「そんな力関係ないじゃない!?……でも、ありがとう。ちょっと気持ちが落ち着いた」





”フン!”とサヤはハルナの感謝の言葉に鼻息で応じ、ハルナたちは再び受付の列の最後部に向け歩き始めた。





「本日の受付は、あと一組で受付終了でございます。受付がまだの方は、お早めにお並びくださいませ」





受付もいつも行われているわけではなく、ある一定の期間で開かれていた。

だが、それもいつ行われるかはわかっておらず、その当日に城の前の掲示板で告知されるだけだった。

そのため、この機会を逃すと、当分待たなければならないと、申請者たちは必死になっていた。






その言葉を聞き、ハルナたちは歩く速度を速めて最後尾に付けようとする。

しかし、後ろからじゃらじゃらと音をさせて速足で近付いてくる者がいた。




「……あ」




そして、ハルナたちが最後尾に並ぼうとした直前に、その男は割り込んできた。





「あー……間に合ってよかった。どうやら私が最後のようだったねぇ」





男はハルナのことを振り返りもせず、独り言のように誰にでも聞こえる大きさで話した。




「あの……」




ハルナは前に立つ男に声をかける……が、男は聞こえないふりをしている。




「あの……すみません」




二度目は少し音量を大きくし、斜め後ろから声をかけた。

だが、男は袖から一本の扇子を取り出し、払うようにわざと音を立てて広げて強めに仰いでいる。

それはまるで、ハルナの言葉を聞こえないようにするために。


受付から先ほど最終受付の案内をした女性が、カウンターから出てきてこちらに向かって歩いてくるのが見える。

それはきっと、最終受付に間に合わなかった者を断るために出てきたのだと感じた。




「あのぉっ!すぅみまぁ……!!」




ハルナは、先ほどよりも大きな声の音量と強さで男のことを呼びかけようとした。

その途中でサヤは、ハルナの肩の上に手を乗せてそれを制する。

そのまま掴んだハルナの肩を後ろに引き、場所を入れ替わった。




それと同時に、受付の女性が男の位置を通り過ぎて、ハルナたちの目の前で止まった。




「誠に申し訳ござ……い」




サヤは受付の女性に手を出して、その言葉を止めた。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ