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問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第五章 【魔神】

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5-81 疑問2





『ワシが知るはずもない……お前にやられてからは、ずっとあの場所に閉じこもって負ったからな』



モイスとサナに問いかけられたシュナイドは、そういって自分にもわかることはないと言い返した。



今わかっていることは、あの剣は瘴気を浄化する力があることと、何らかのカギの役目を持っているということだった。

剣としての能力は、シュクルスや初代の東の王が使っていたため問題ないのだろう。

瘴気の浄化も、キャスメルたちと行動をともにしているコボルトのオーサがその効果を証明している。


しかし、カギの話については今までに聞いたことがなかったが、あの魔物たちはそのカギについて何かを知っているということになる。

そのことをだれもが良くないことであるはずと考えるのは、決して間違いではないだろう。

魔神オスロガルムがあれほど大量虐殺を行い手に入れようとしていたほどのカギなのだから。




「そういえば、あの盾も……何か力があるのでは?」



ハルナが口にしたのは、西の王国でオスロガルムの攻撃を退けたステイビルが持つ盾のことを告げる。

触れた物、全ての物が腐食させるブレスを不思議な光と共にあの盾は防いで見せた。

だが、このことも先ほどの剣と同様に、その隠し持つ力については誰も知る者はいなかった。




「それで……他に何か気付いた者はないか?」



グレイネスの言葉に対し、ブンデルが静かに手を挙げた。

その行為に対して、グレイネスが発言の許可を与え、この場にいる全ての意識がブンデルへと向かった。



「一つ気になったことがあるです……確認ですが、モイス様、シュナイド様」



ブンデルに声をかけられた二人の竜が、首を起こしブンデルの顔を見る。



「お二人は以前、争われたとお聞きしています。そしてダメージを負われたシュナイド様は、傷を癒すためにフレイガルのから離れたあの場所の地下にその身をお隠しになられていました……お間違いございませんね?」



ブンデルからのその問いに対し、シュナイドはグルルルルと喉を鳴らして反応する。

事実ではあるが、あの頃の自分の過ちとモイスに敗れてしまったという消してしまいたい過去を今一度認識させられているようで不快に感じた。



「シュナイド様……?」



返事をしないシュナイドに対し、小さな声でサナが問いかける。



『う……うむ、大丈夫だ』



そういってブンデルの言葉に応えようとすると、モイスが先に答えてしまった。


『その通りだ、ブンデルよ。理由があり、我らは争いあった。そしてあの時はかろうじて私がシュナイドを抑えることができたのだ』


『……ぐぅっ!?』



シュナイドは認めたくはない事実を聞かされ、尾を数度床にたたきつけた。



『それで……ブンデルよ。それが一体どうしたというのか?』



過去の苦い敗北を何とか飲み込み、シュナイドはブンデルにその質問の意味を問い質した。



「確かあのオスロガルムは、フレイガル様のブレスが効きませんでしたよね?そして、モイス様がグラキース山の頂上で対峙されたときには、お互いに攻撃が当たらなかった……そうですよね?」



モイスは、軽く目を閉じて正しかったことを合図する。



「であれば、同じ大竜神の存在であれば傷を負わせることができる……ということになりませんか?」




「――!!」



ブンデルの言葉を理解した者は数名おり、それぞれの頭の中でさらに思考を巡らせていく。



「え?なに?なんなのどういこと??」



エレーナは隣にいるアルベルトの袖を引っ張り、何が分かったのかを聞いた。

それに対しアルベルトは、そのことについて自分でも整理するようにエレーナ話して聞かせた。



「きっと……”同種族”の神たちは争えても、”他種族”の神は争えないんじゃないかってことだと思う」



『それは……ありそうだな』



そう返したのはシュナイドだった。

シュナイドは、戦力的には竜神の中では最強を自負しているが、属性の相性や作戦などが加わればあのような結果になってしまう。

だが、オスロガルムに対しては攻撃に耐えたというより全く効かなかった。

そのことはモイスも体験をしており、反対にオスロガルムの攻撃も効果がなかった。


これが”どうしてか”ということについては誰も、答えを持ち合わせてはいなかった。











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