表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第五章 【魔神】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

663/1278

5-54 集結






「ここ数日、魔物が我らの山に入り込んでいるため、警戒をしておりました」



現れた見覚えのあるコボルトは、ステイビルにそう告げる。

そして、コボルトたちが見てきたことを伝えた。


ディバイド山脈の山々に、数日前から魔物が外から入ってくるようになったという。

だが、ディバイド山脈を占領するわけではなく、魔物たちは探索をしているようだった。



「西の王国の者たちを一人も逃がさない……そういうつもりか?」



コボルトの話を聞きそういう感想が浮かぶが、ステイビルは納得のいかない点も多かった。

それは、その理由がどこにあるのかということだった。


魔物と言えども、何の理由もなく一つの国を落とすことはしないだろう。

各個体や小さな集団であれば、その欲に任せて人間やその他の生き物を襲うこともある。

しかし今回の襲撃は統率がとれており、ある何らかの指令に基づいて行動していることが伺える。


そのことからも、ステイビルはある考えが浮かぶが、これ以上進むとさらに危険度が高まるため一度宿に戻り情報を整理することを選択した。

その裏では、王都内でどれだけ残虐なことが行われいているかという思いが頭の中に浮かぶが、次の一手を誤ってしまえば西だけでなく東の王国まで被害が及ぶことになる。

その最悪な事態を避けるためにも、ステイビルは情報が少ない中でも適切な選択をとらなければならなかった。




そして、ようやくステイビルたちはマギーの宿に到着する。

そこには東の王国の者も、姿を見せていた。



「ステイビル王子!!ご無事でしたか!!」



「おぉ、ドイルか。よく来てくれた」





ドイルは今も、西の王国との流通経路であるディヴァイド山脈のルートの警備をになっていた。

今回は東の王国の命令で、ここに到着したという。

その道中でエルメトを発見し、一緒に麓まで降りてきた。

エルメトは西の住人でその事情に詳しいため、一緒についてきてもらうことにした。

そして部下の一人にエルメトの役割を引き継がせ、再び東の王国側に戻ってもらった。


その判断を下す事をできたドイルを、ステイビルは称えた。



「ありがたきお言葉……任務ですので当然のことでございます」




だが、今はそんなやり取りにこれ以上の時間を費やすべきではない。

ステイビルは再び、今の状況を話し合える人物を集めこれからのことを話し合うことにした。


並行して、ドイルは連れてきた兵にマギーの宿を簡易的に修復するよう命じた。



「nっとね……それじゃあ、とにかく天井を塞いでしまおうか!」



「ディグド様!」



エレーナは力を貸してくれる、ハイレインと契約していた精霊……いまは妖精となった存在の名を呼んだ。



「まさか……ディグド様までいらっしゃるとは!?」



「ハイレインだけじゃなく、王妃にも言われてね。ある間だけ、そこにいるドイルさんへの協力を頼まれていたんだ。まさかこんなことになるとは思ってもいなかったけどね」




そう言いつつ、ディグドは簡単に一階部分の天井を埋め終えた。



「ならば、ここから今後のことについて話し合おう」




ステイビルたち、ドイル、ボーキン、コボルト、それに第一隊の生き残りの精霊使いがこの場に集まった。


ドイルも加わったことにより、改めてステイビルたちが見てきたことそれに生き残った精霊使いの証言をこの場で伝える。

それにより今、王都内ではかつて無い最悪な状態となっていることが予測できるとステイビルは告げた。

だが、それによりこの場所が攻められることは、まだ可能性が少ないと判断した。

それは、まだこの宿にたいして襲撃がないことからだった。


逃げのびてきた精霊使いの話も合わせると、魔物たちは王都に近付く者に対して攻撃をしているように思えた。

とはいえ、あまり時間をかけていては、中の惨劇は広がっていくばかりだろう。


そこでステイビルは、次の東からの援軍が到着してから体制を整えて、救出作戦に出ることを提案した。

他の者たちも、ステイビルの意見に賛同した。



一晩をかけて、徐々に東側から徐々に警備兵、騎士団や精霊使いたちが到着し始めた。

朝には、十分な戦力が集まることができた。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ