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問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第五章 【魔神】

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5-39 シュナイドの変化







『サナよ……ワシは……お前と一緒に……いたい……のだ』






「ちょ!?……ちょっと……シュナイド様……それは……一体、どどどど、どういう意味で!?」




『何度もいわせるものではないわ!!……いま……申した通りの……意味だ……それともなにか?……本当に聞こえなくしてやろうか!?』



「い、いえ!大丈夫です!?……ちゃんと聞こえました!?」




そんな二人のやり取りを離れて見ていたブンデルとガブリエルは、何を言っていいのか判らずただただ二人のやり取りだけを見ていた。



そして、時間にしてはほんのわずかな間だったが、この場にいる者たちは長めに感じる無音が続く。

それを破ったのは、ある考えが浮かんだガブリエルだった。




『まさか……あんた、このドワーフのこと気に入ったの!?』





ガブリエルの発言に、シュナイドの身体は一度だけピクっとした動きを見せてゆっくりと尻尾を左右に振り気持ちを落ち着けていた。


『な!ちが!……いや……うむ……でも、まぁ……そういことに……なるか』



この答えを聞き、慌てたのはサナではなくブンデルの方だった。

大切なサナが、シュナイドに目をつけられたとあっては、その圧倒的な力でサナを奪われてしまうことになりかねないと。

そう思った途端、ブンデルはサナとシュナイドの間に立ちはだかる。




「ブンデル……さん!?」



「シュナイド様、サナはあなたには渡せません!サナは……サナは……私の!?」



言いかけた途中で、ブンデルの前にシュナイドの首が伸び顔を近づける。

ブンデルは恐怖に震えそうになるが、これだけは譲れないとシュナイドの視線を睨み返す。


「……うむ、お前だな。サナの中にいた者は……安心せい、エルフよ。お前が考えているようなものではないわ……お前たちのような生命に期限を持つような生き物を……なんというか、生殖行為の対象としてサナをみているわけではないのだ」




そこからシュナイドは、サナとブンデルに語り始めた。


シュナイドがサナに対して抱いている気持ちは、家族のつながりのような感情だった。

その感情が生まれたのは、サナから受けた魔法のせいだった。


サナの魔法は、シュナイドの感情を構築する部分まで影響していたという。

シュナイドは、魔法の効力で傷付いた身体を再構築させていく際に、元素を再構築させるための魔力が流れた時にサナの感情を一緒に取り込んでいたようだった。

シュナイドはいま、ある意味サナの細胞を身体の中に取り込んだような状態になっている。そのため、サナの存在を身近な存在として捉えていた。


「なるほど……って、よくわからないんですけど!?」


サナは、シュナイドの話を聞きわかったようなわからないような気もいになっていた。

しかし、ブンデルの顔は険しい顔に変わっていた。

それは、サナを守るための決意の顔ではなく、新たな知識の壁に突き当たったときの顔だった。




モイスから聞いた話では、大竜神や大精霊もフウカなどの精霊と同じくその存在は元素が集まって構成されているといった。

シュナイドも例外ではなく、そ身体は元素で構成されている。

が、感情や記憶などそれらはどこに存在しているのかはモイスに聞いてもわからなかった。



ブンデルやステイビルなどの人間・亜人に共通しているのは、精霊などとは違う物質で構成されているということ。

そして主に頭の中にその記憶や感情が格納されているとこの世界でも言われていたし、実際脳という臓器がその役目を果たしている。



ブンデルが疑問に思っていることの一つはそこだった。

元素が感情や記憶に影響をもたらすことがあるということだった。


そしてもう一つの疑問は、サナが用いた魔法は当然ながら”魔力”というエネルギーとその力を生かすための術式によって発揮する。

その術式の内容によって、回復もするし相手を傷つける力に変えることもできる。


今回の現象は、魔力と元素は全く異なる力でありながら、魔力が元素に影響をもたらすことができたということになるだろう。



(そんなことが……ありえるのか?)




「……さん?……ブンデルさん!?」




その思考も、サナの言葉によって中断された。



「どうしたんですか?急に難しい顔をして黙って?」



「あぁ、なんでもない。ちょっと気になることがあって……」



そういってサナの顔を見ると、その奥にいたガブリエルも同じように難しい顔をしているのが見えた。

いまは、それよりもシュナイドの申し出を受けるかどうかが問題だった。



どうやらサナは、ブンデルにどうしたらよいか聞ききたかったようだ。

だが、難しい顔をしていたために声をかけるのをためらっていた。



「とにかく、一旦上に戻ろ……」



『ならぬ!まずワシの加護を受けるたいのならば、先ほどの話の答えを聞かせてもらおう!』











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