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問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第四章  【ソイランド】

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4-2 次の段階へ



「それで……そのことはどうするつもりなのだ?」


ハルナもその問題が解決されないうちは、次の段階には進めないだろうということは肌で感じている。

だが、ハルナ自身にはどうすることもできないことは気付いている。

加護を受けることが、仲間や民の安全を守るために必要な能力だろう。

その特殊能力が受けられないとなると、ハルナはステイビルの傍に居てはいけない人物となる。


『ハイレインよ……そうハルナを攻めるな。お主もハルナの実力は認めているのであろう?今回の件はハルナの実力が劣っておったり、その資格がないとは到底思えんのだ』

「それは、そうですが……」

『お主は規則に関しては案外頭が固くていかん……もう少し柔軟に物事を捉えよ』

「も……申し訳ございません。モイス様」


ハイレインが、モイスの指摘に対して頭を下げて詫びた。


『うむ、よい……それよりも、ハルナがワシの加護を受けることができなかったことについて、このドワーフの娘が思い当たることがあるらしい……サナ、もう一度お主の考えをこの者たちに聞かせてやってはくれんか?』

「はい、モイス様……始めまして、人間の王よ。私は以前、グラキース山にあるドワーフの町の長をやっておりましたサナと申します」

「サナ様……お考えをお聞きしてもよろしいでしょうか」


ローリエンが丁寧にサナの挨拶に応え、モイスが言っていたサナの考えを再度確認した。

まず初めに、サナは自分が持っている”ヒール”の魔法について説明をする。

旅の途中で、ステイビルにこの魔法についてはあまり口外しない方がいいと伝えられていた。

この世界では、生物の生命にかかわる魔法は珍しい。

特に、人間では魔法を扱えるものが知る限りいないため、サナの能力を含めた存在自身を狙う者がいると推測した。

そのためこの魔法を持っていることは、不用意に口外しないよう注意を受けていた。

だがここではこの魔法の存在と、それによる感覚の感知が重要になってくるため、サナはまず初めに自分の能力について話をした。

そして、ハルナの身体にはモイスの加護を受ける必要がない程、能力値が高まっているのではないかという仮説を話して聞かせた。


「……なるほど。そういうことですか」

「サナ殿は、その件について検証されたのでしょうか?」


ローリエンに続いて、ハイレインがサナに言葉を掛ける。


「はい、こちらに向かう途中にハルナ様にヒールを掛けてみました」

「それで……何か判りましたか?」


グレイネスの問いかけに、サナは首を横に振る。


「ハルナさんからは、何の反応も得られませんでした……ですが、エレーナさんに対しては、ヒールの反応は見られませんでしたが、生命力の上限は感じられました」

「そこでハルナには、何か防御が掛かっているという説も考えたのです……」


ステイビルが、道中のなかで話し合った内容を簡潔にグレイネスたちに説明した。

ハルナは別な世界から不慮の事故によってこの世界にきた。

不思議なことに、既に精霊の指輪も所持しており加護を得られた状態だとも思える。

指輪には人間には判らない記号のようなものが施され、一度加護を受けると指輪はその秘密を守るように手から外れなくなってしまう。

この現象は歴代の精霊使い達にも認識はあったが、その理由まで意識することはなかったようだ。

さらにエレーナの話からすると、加護を受けることは加護を与えた者から認識されるという意味だけであって、能力が付与や追加されるという話は聞いたことがなかったという。

ハルナも元いたゲームの世界で、これ以上ステータスが上昇できない”カンスト”という状態があることを話した。

その内容がこの世界の中で当てはまるとは限らないが、全てのことを考慮しその案が現段階では有力であるとステイビルたちは判断した。


「……その推測が正しいとなると”ハルナの能力値が既に上限に達している”か”ラファエル様の加護がモイス様の加護を受けられない原因がある”ということか」


ハイレインは今までの情報を、自分の中でまとめてそれを報告する。

話をしながら、ハイレインは後者よりも前者の可能性が高いことに気付いた。

これまで神々の加護を受けていく中でこれと言って順番が決まっているとは聞いておらず、どの場所から目指しても問題なかった。

そうなればラファエルの加護を先に受けてからモイスの場所に向かうという順序も過去にもあったと思われる。

その中で順番によって加護が受けられないのであれば、その歴史の中で注意されるか修正されているだろうとハイレインは推測する。

最終的にサナが感じたことから生じた仮説が、今のところ有力であるとこの場にいる全員が一致をした。


「すまん……疑ったようで申し訳なかった」

「いえ、いいんです。どこの馬の骨ともわからないドワーフの戯言を信じていただけたことに感謝を」

『よし、これでハルナの件は問題がなくなったな!』


モイスはそう告げて、この場を纏めた。

その裏では、”自分の能力の低さのせいにされなくてよかった”とホッとしていた。




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