表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第六章 【二つの世界】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1236/1278

6-463 決戦35








「そうだよ。その時にアンタができることって言えば、この世界に存在するモノに”乗り移る”ってことだけだろうからね。ハルナに手伝ってもらって、棺桶を用意してもらったんだよ」



『ハルナ……が、ですって?』



「そう、ハルナがやってくれたんだよ。アンタ以外にも、そういうことができる存在ができたってことだね。といっても、ほとんど剣のやつが考えてた理論を、アタシがハルナに伝えたんだけど」




『そう……なのね』




「お?それだけなの?……まぁ剣の奴が結構調べてたみたいだからね、アンタよりもさ」



『……』




あおりにも、盾の創造者は何の反応も見せてこない。サヤはそのことを、諦めたと判断して事を先に進める。




「じゃあ……もういいかな?まずはこの石の中に入ってもらうよ。もちろん、そのラファエルの身体には、仮想空間の能力は封じ込めてるから逃げ出せないよ。悪いけど、これまでの自分のことを反省しながら、消えていってもらうから」




「……っ」



その言葉の後に、ハルナは盾の創造者に言葉を掛けようとした。だが、ここまで追い詰めた状況で、サヤとの約束を破ってしまい、状況が不利になることを考えるとハルナは言葉を飲み込んだ。




「ったく……いいよ。最後に一言だけ声をかけても。もちろん質問とかはダメだ」




サヤは、後でこの場面で後悔しそうなハルナに対し、一言だけ言葉を掛けることを許可する。

それと同時に、何が起きても対処できるように身構える。




「えっと、あの……名前がわからないから、今までと同じ呼び方にさせてもらいますね。”盾の創造者さん”、今までありがとうございました」




『――!?』



盾の創造者は、ハルナの言葉に目を見開き、その姿を見るべくハルナの方へ身体を向ける。

そして、この世界に対して一番不可解な言葉を投げかけるハルナに聞いた。



『”ありがとう”……ですって?確かその言葉は、感謝の言葉であるはずですね?なぜ、そのような言葉を……私に?あ、もしかして私に対する皮肉ですか?』


ハルナは慌てて手を振り、その言葉を否定する。


「いいえ!そうじゃないんです!!なんていうか……その……この世界にきて、独りぼっちだった私の傍にいてくれたんですよね?契約した精霊は……あなただって」



『あぁ……それは違うわ。私は、あの精霊を通してあなたのことを見ていただけなのよ。精霊自体は自我を持っていたし、それを監視してたのは、そこのラファエルだわ。だから私はあなたにお礼を言われることなんてないのよ』



「そう……ですか」




『さぁ、もういいでしょ?私もいつまでも無様な姿を晒していたくはありません……あー、次の存在がどのようになるのか楽しみだわ』



そう言って、盾の創造者はハルナに背を向けた。



「……もういいだろ?ハルナ」



「う……うん」


「じゃ……これで終わりだね」



サヤは手の中にある闇の石をつまみ、盾の創造者の背中に押し当てた。

そして、サヤは目の前にある存在を石の中へと移動させるイメージを創った。



『……ありがとう』



「は?」

「え?」



盾の創造者の姿が消える瞬間、近くにいた二人の耳には盾の創造者の最後の言葉を聞こえた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ