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問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第六章 【二つの世界】

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6-436 決戦8










『……ここまで私に手を煩わせたことは、褒めてあげるわ』




盾の創造者は、意識が無いハルナの身体を、再び地面へと放り投げた。






――ドサ



ハルナの身体が、防御を取ることなくモノのように地面に倒れ込んだ。

そして、上からハルナの姿を見降ろしながら満足げに見下ろす。





『……やっと……ようやく、私の望む世界が創り出せるのね……随分と手を煩わされたけど、これも次の世界を創るための教訓とさせてもらうわね?』




盾の創造者は、頭上に氷の剣を創りだした。そして両手でその剣の柄を握りしめ、ハルナの胸の上に狙いを定めた。

近くで見たいたラファエルは、声を出してその行動を止めようとしたが、サヤの周囲にいる人型のことを考えるとすぐに行動に移せないでいた。



『それじゃあ……さようなら』



そして次の瞬間……




――ドッ



『……っ!』




剣がハルナを貫くと同時に、硬く目を閉じて顔を逸らした状態のラファエルの耳に嫌な音が届いた。

ここから先はハルナの力を借りることができず、残っている味方はサヤしかいない状態となった。

本当は、自分の身を投げ出してまでもハルナのことを救いたかったのだが、この身はサヤからの指示により”最終手段”として残しておかなけらばならないため、その行動はとることができなかった。




『……ぐ』



身体が貫かれる音の後に、小さな声が漏れた。ハルナと同じ声だが、人体からではない特有な発声であるため、ラファエルはそのことを不思議に感じた。


――?


ゆっくりと目を開けると、そこには脇腹から剣が貫かれた盾の創造者の姿が見えた。

その剣は、ハルナがサヤとラファエルを守るために創られた壁の向こうから放たれたものであった。

盾の創造者の剣はハルナの胸を貫く直前で止まっており、ハルナは依然意識はない状態だがその身体は無事であることを確認した。



「……どうやら間に合ったみたいだね。アタシの友達になんてことしてくれてんだよ?」


『――さ、サヤ様!?』



ラファエルは壁の向こうから姿を見せるサヤに対し、無事を喜びその名を呼んだ。


盾の創造者は不意打ちを喰らったが、それに対しては痛みを感じてはいない。だが、人の身体をしているため、その存在がダメージを受けたことによって低下しているためうまく動かせないでいた。


盾の創造者の剣はその手から滑り落ちて、ハルナの身体に落下する。だが、垂直に落ちずに斜めになって落下したため、その剣先はハルナを貫くことは無く、身体に当たりその弾力で弾けて地面に落ちた。

それと同時に、盾の創造者がその剣の形を維持することができなくなったため、元素となり空気中へと還っていった。


サヤは動けなくなった盾の創造者に近付いていき、脇に刺さった剣の柄を握り、数回上下左右に動かした。だが先ほどと同じように、身体を動かすことは出来ないが、痛みを感じている様子はなかった。





『……あの者たちに監視させていたはずなのに、どうやって?』


「あぁ、アイツらはアンタのことを裏切ったんだよ……」












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