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問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第六章 【二つの世界】

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6-433 決戦5






ハルナは、即座に倒れたサヤの元へ駆け寄る。




「サヤちゃん!大丈夫!?サヤちゃん!しっかりして!!目を開けて!!」




『ハルナ様、サヤ様は私が……』




姿を見せたラファエルは、ハルナの腕からサヤを預かった。

そして、サヤをこのようにした迫りくる脅威に対して対応してもらう様にハルナに告げる。




ハルナはラファエルにサヤのことをお願いし、その周りには念のため壁を設けた。

それと同時に、ハルナが先に創り出したドームが連続する爆発音によって消え去り、黒焦げになった地面の向こうから更なる小さな生き物たちがこちらに向かって歩き始めた。



その様子を警戒しつつも、先ほどサヤに何が起きたのかを考えてみる。

確か以前聞いた話だと、あの能力はある物質の中に空間を創り、その中に入れていると言っていた。その物質は、この世界に存在する物質であれば創り出すことが可能であると。創られた空間の中の容量は、基となる物質の大きさには影響を受けず、その能力を使用した者の持つ資源の量に基づいた大きさで創られるとのことだった。

ハルナ自信、何度もその空間の中で過ごしたことはある。あの空間の中では、創り出した者の望むままにその中の環境を構築できるとサヤは言っていた。だからこそ、外で起きていたあの爆発があの空間の中でも起こったということが信じられなかった。それは気絶しているサヤも同じだっただろう……だからこそあの空間に閉じ込めて、この小さな人型の数を減らそうとしたのだ。

それと同時に、自分が取りこぼしてしまったことによってサヤはこのような危険な事態になってしまったのだと、ハルナは強い責任を感じていた。



(どうしよう……?)



『――ハルナさま!!!』




壁を創り出してもらい安心したラファエルは、ハルナがおかしいと感じ壁の端からハルナの様子を見ていた。すると小さな人型がすぐそこまで迫ってきている状況にも、呆けた表情のまま周囲が見えていない様子だったため、ラファエルは声を出して危機を知らせた。




「……え?」



その声に気付いた時には既に人型の数体が、ハルナに向かって飛びかかってきた。

その目は何とも言えない、恐怖に染まっている目が瞬間に見えた。




――バン!



人型が内側から膨張し破裂するまでの瞬間が、ハルナの目にはスローモーションで映っていた。それは自分がこの世界へとやってくる切っ掛けとなったあの時の現象に似ていた。

ハルナは、今やるべきことは防御を取ると判断し、残された元素を出し切り自分の上半身だけを守った。


ちょうど壁を形作ることを終えると同時に、破裂した衝撃がハルナを襲った。



「――ぐっ!?」


創り出した壁により、何とか最悪の事態を免れることはできた。だが、爆発の衝撃波までは防ぐことができず、ハルナは後方へと吹き飛ばされた。

ハルナは飛ばされたあと、地面に身体を打ち付けた。その衝撃はハルナの意識を奪い、力が入らなくなった身体は勢いのまま転がり続けて、三回ほど開店した後に止まった。



『ハルナ様!!』



ラファエルはそう叫ぶも、サヤの近くからは動けなかった。

盾の創造者は、ハルナのところまで近づいて上からその姿を見降ろした。









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