6-366 サヤとハルナと18
『な……なに?……なんなのよ、これ?』
盾の創造者は、目の前の状況を見て驚愕した。
足元の地面を開けてみると、そこには何かが入っていたような空洞が見えた。
その裏で、ここが目的の場所であったと気付くも、既にその対策を取られてしまっていることをゆっくりと理解していった。
『誰が……一体!?』
盾の創造者は問い掛けのような独り言を口にするが、その裏ではその犯人が誰かという目星も付いていた。
目にした空洞の表面はきれいに整っており、今まで自分がこの場所で開けてきた穴の表面と似ている。
それはこの世界の中にいる存在でも、一部の者たちに限られた能力によるものだった。しかも、この場所のここに埋まっていたモノが目的だとすれば、その答えにたどり着くことは難しくない。
そして、その思い描いていた”答え”の存在が、思っていたよりも早いタイミングでこの場所に現れた。
「……残念だったね?こんなに荒してくれちゃったのにさぁ」
サヤは、この場に待ち合わせをしていたかのように姿を現した。盾の創造者も、あの”足止め”でサヤが止まってしまうとは考えてはいなかったが、自分の予想以上の速さでこの場所に現れたことには驚きを隠せなかった。
その感情を抑え込み、盾の創造者はサヤに対して”当然でしょうね”という態度を取ってサヤの言葉に続ける。
『これは……アナタの仕業なのかしら?』
「そうだよ。アタシがモイスに言って、フユミさんの遺体を事前に隠させたんだよ……さっきアンタとやり合ってる時にね」
そう言うと、モイスがサヤの髪の毛の中から肩の上に姿を見せる。
『いつの間に……そういうズル賢い所は評価して差し上げますわ』
「あ?いま、アタシのことを褒めたのか?……まぁ、アンタの”足りない頭”だったら、こんなこと考え付くことは出来ないだろうからねぇ」
『たかだか人間の分際で……よくもそんなことを!!!』
怒りの感情を込めた声で、攻撃を仕掛けてくる。サヤに向けられた指先から、土の属性に変えた光が肩の上で状況を見守るモイスに向けて放たれた。
しかし、モイスどころかサヤの周囲の直前で、その光は見えない壁に弾かれて元素へと還っていく
「まぁ、このトカゲを狙ったのは正解だね。だけど、どこに隠したのかわからないなら、いくらアンタでも解除はできないんだろ?さぁ、もう諦めてハルナを返しなよ」
サヤは再び背中の剣を抜き、それを盾の創造者に向ける。
「ここでアンタが世界を崩壊させることを諦めれば、アタシだってアンタをどうこうするつもりは全くないんだ。今まで通り、アンタはこの世界を見守ってるだけでいいんだよ。そうすればアンタを消さないって約束してあげるけど?」
『ふ……うフフフフ……ははは……あははははは!!!』
サヤは盾の創造者が、この場面で大笑いをすることに対して気がふれたのかと思った。
それでも、警戒を解くことなく剣を向けたままその様子を見守った。
そしてその笑い声も止み、今までないほどに意思の力を込めた視線をサヤに向けた。




