表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第六章 【二つの世界】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1115/1278

6-342 ラファエルの力









『お呼びでございますか?サヤ様』




ラファエルは完全に姿を現した後、左手を反対側の胸に手を当てて軽く膝を折ってサヤに対して挨拶をする。




自身が所属する国王や騎士団長……御伽噺のような存在の大竜神と大精霊が、目の前の見知らぬ女性に敬意を払っている。その様子を見たガレムは、すでに自分が困惑していた部下の消失のことは、立て続けに起きる出来事にかなり薄れていた。



そして、ガレムの頭の中はさらに混乱していくことになる。

サヤから聞こえた言葉は、ガレムの常識を超えたものだった。



「アンタ確か、人の記憶とか感情を操作できる能力があったよね?……ちょっと、こいつの頭の中見てくれない?部下の記憶がなくなってるらしいんだけど、実際にこいつの記憶が”どうなのか”を調べたいんだ」



サヤは以前ヴェスティーユが襲撃した際に、キャスメルの感情を操作したと情報を得ていた。

今回そのことを思い出し、ラファエルにガレムが見たことを調べてもらおうと考えていた。



「かしこまりました」




サヤのその言葉に、ラファエルはすぐにその意図を理解する。

そのまま、ラファエルはガレムの方へと進み、ラファエルはガレムに向かって手をかざした。



「……っ!?」



#頭の中を調べる#という不穏な言葉を聞き、ガレムは一体自分は何をされるのかとその身体に力が入る。

しかし、そのわずかな抵抗は無駄に終わってしまう。

手をかざされた直後、ガレムは締め切られたこの部屋の中に穏やかな風を感じた。

それと同時に、ガレムの意識は眠りにつくように途切れていった。





「……こ、ここは……?」




ガレムが目覚めると、そこは見覚えのない豪華な部屋の長いソファーの上だった。

そこには、人の気配があり警戒しながら飛び起きて辺りを見回した。



「……あぁ、起きた?気分はどうだい?」



顔だけを向けて背中越しに話しかけてくる女性の声は記憶にも新しく、そのことが引き金になって目覚める前のことを思い出した。



「――!?アルベルト様!私の部下が、女性の不思議な力によって全滅……」



するとアルベルトが近づいてきて、その言葉の先を制した。




「ガレム……もう語らなくてもいい、全てわかった。ラファエル様の力によってな」



「――え?」




驚くガレムに、サヤは遠くから上半身だけをこちらに向けその説明をする。



「悪いけど、アンタの頭の中覗かせてもらったよ。実際に何が起きたのか調べるために……ね」



まずは、大精霊であるラファエルが生物の記憶の中を見ることができることを説明した。そして見た記憶は、思う通りに改変することができる能力を持っていると。

だが、その言葉はガレムを驚かせるためだけに言っただけであり、そういうことはしていないと少し間を開けて告げた。


その結果、ガレムが嘘を言っていないということが判った。




「や……そうなのですか?では、私の部下だった者たちは……」


「あぁ、それは本当に消されたみたいだね」


「け……され……た?一体、誰が!?何故そんなことを!?」


「そんなのは知らないよ?だけど、消した奴は……知ってる」


「そ……それは、誰なのですか!?」


「アンタの部下を消したのは”ハルナ”……アタシたちの知り合いだよ」









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ