表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』  作者: 山口 犬
第六章 【二つの世界】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1103/1278

6-330 意図的な結果か








サヤは即座に意識を内側に切り替える。

そして、自分の身体を借りている剣の創造者に対し声を荒げた。




(おい!?これはどういうことだ!?)




(どういうことだ……とは?)




(ふざけんな!アタシをバカにするためにこいつらも生き返らせたのか!?)



(こいつら……あぁ、目の前の召使たちだな?わたしも、お前の中の記憶を覗いて初めて知ったのだが?この世界を創り出した時には、このような者たちの存在など知りようもない)



(なにアタシの記憶を勝手に見てんだよ!?プライバシーの侵害だ!!)



(そのプライバシーとやらがよくわからんが、お主が怒りの感情をむき出しにしているのは、この者たちということは判る。だが、それがなぜお主が怒りの感情を抱く必要があるのだ?)



サヤはこの言葉から、剣の創造者が意図的にこの二人を甦らせたのではないのだということを悟った。

だが、二人の姿を見たサヤは、この二人がどうしてこの場にいるのかがわからなかった。


”この二人は既に、本来の世界で完全に消滅したはず……”




この世界は剣の創造者から、前の世界のある時点の状態をそのまま複製したものだと伝えられていた。

そのポイントが、どの時点の複製物なのかははっきりしとしていない。が、ある時点の元の世界の状況を複製して創りだしたということは、剣の創造者が保有する能力からはっきりとしているとのことだった。

そのため剣の創造者の考えでは、サヤが懸念しているこの状況は偶然に起きたものだと主張した。




だが、サヤは剣の創造者からの説明に対して納得をしてはいなかった。

その中には色々と確認をしたいことがあるが、いくら時間を引き延ばし思考をしていたとしてもあまり二人を待たせすぎると、不信感を抱かれることになりかねない。


サヤはその能力を停止し、再び自身が知る同じ名を持つ二人と向き合った。




「……アンタたちって、どういう風に聞いてんの?」



”この世界の”ヴェスティーユは、サヤの突然の質問に対してうまく理解ができていない。




「”どういう風”……と言いますと?」



サヤは、ヴェスティーユの言葉に少しだけイラっとしたが、その感情すらもどこか懐かしい感じがしていた。

多少は細かい部分は違うようだが、おおむねヴェスティーユがサヤの元に付き始めていた頃と似たようなところがある。サヤはそんな当時のことを思い出しかけていたが、話を先に進めるべく意識を自分の内側から外へと戻していった。





「ん?どうもこうも、いま言った意味だよ?ステイビルからの命令でアタシの面倒を見てもらうように言われたんだろ?その内容はどういう命令だったかって聞いてんの。まぁ言えないこともあるんだろうけどさ」




自分が仕える対象の存在が、不機嫌な様子で自分たちに質問をしていることに対し、二人は顔を見合わせてそのサヤの行動を不思議な表情を浮かべている。

そして、ヴァスティーユがサヤからの質問に対して、申し訳なさそうに答えた。



「あ……あの。ただ私たちは、サヤ様が重要なお方だとお聞きしておりまして、そのお方のお手伝いをするようにと……あ!初めはお断りしたんです!?だって、そんなお方のお勤めを私たちができるはずがないって」



ヴァスティーユの言葉に対してやや不機嫌になってしまい、そのサヤの表情を見て二人は委縮してしまっていた。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ