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6・新たなる出会い

 意識が覚醒していく。何やら温かいモノを抱いているのがわかる。手を動かしてみる。そこには温かく柔らかい何かがあった。手を上に移動させると更に柔らかい崖に突き当たった。


「も~、ダーリン、起きてすぐ何してるのかな」


 前方から声が聞こえる。手を元の位置まで戻して抱きしめる。


「ダーリンはこっちの方がすきそうだね」


「こうやって抱きしめながら寝るのが夢だった」


 昨夜は金剛が見張りの時間に何だかんだ理由を付けて部屋に鍵を掛けたのだが、金剛の艦内では鍵は無意味だったようで、気が付いたら夜這に遭っていた。


「甘えん坊さんだなぁ。私は嫌いじゃないよ。甘えて良いときは思いっきり甘えさせてあげる。でもさ、もう少し頑張って」


 金剛が器用にこちらを向いて悪い笑顔を向けている。


「これから私色に染めてあげるから、覚悟してね」


 そう言ってキスされた。不甲斐なくて申し訳ない。でも、飽きられた訳ではないらしい。ちょっと怖いけど・・・


「それと、ビシッとするときもしっかり指導してあげる。さあ、もう朝だから起きよう」


 サッと切り替えて布団から出る金剛。裸の後ろ姿も綺麗だな。モデルのそれではなく、ちゃんと付くところに肉の付いた健康的な綺麗さ。


「こら~、覗き見してないで起きて」


「いまおきるよ」


 全てが完璧な金剛と俺って釣り合っているんだろうか?なんだか心配になる。


 そうは言っても落ち込んでばかりはいられない。これからの事を考えなきゃ。

 朝食は金剛の会議室兼幹部食堂。今後の計画は食後のお茶話になった。


「今後の事なんだけど、ある程度クラーケンと魔船の掃討しないと大陸間航路は復活しないし、護衛みたいな儲け話も舞い込まないと思う。そこで、まずは現勢力で少しずつ掃討をやっていきたい」


 俺が説明すると椎が手をあげた。


「確かに勢力を急拡大しても統制は取れませんが、後2、3隻増やした方が効果的ではないでしょうか」


「うん、確かに。でも、まだこれからどうするか。今は目標は決められても継続的な体勢づくりには早いと思うんだ。今2、3隻増やしたら、今後はどう編成していく?俺が持てる上限は20隻だから、もう少し先が見えてから編成を考えたい。目の前の効率だけで無秩序に増やしたら、後が大変だから、もう少し我慢してほしい。梨と椎はゆくゆくは同じ松型3、4隻で1つの護衛グループとして働いて貰えたらなと考えてる。ただ、もしかしたら、今の3隻は固定になるかもしれない。その答えはもう少し掛かると思うんだ」


 椎に出来るだけ丁寧に説明した。


「わかりました。しばらくは周辺の掃討と魔船やクラーケンの分布の調査、分析をやりましょう」


 物分かりがよくて助かる。この間中、金剛はニヤニヤこちらを眺めるだけで何も発言しなかった。

 一応、今の所はそういうことで、今日の掃討海域を決めて出発となった。



「格好良かったよ。やるときはやるんだ。ヤるときももっとヤって欲しいけどね」


 下に絡めないとダメらしい。いや、昨夜は不満足だったんだろう。


「抱きしめていてくれたことには満足してるからね・・」


 こちらの心情を察したのかそう付け加えた。「あんな抱きしめ方されたら本気になるしかないじゃない」って独り言が聞こえたのはスルーした。


「こちら金剛、総員警戒。前方2万に不審船を捕捉」


「あれ?速力40ノット!?」


 金剛らしくない慌て方をしている。俺もその方向に双眼鏡を向ける。

 しばらくすると双眼鏡で識別出来るようになった。



「金剛、俺には先頭艦が日本海軍の駆逐艦に見えて、後ろが米海軍の駆逐艦に見えるんだか?」


「私もそう見える・・・」


 二人で首を傾げていると通信が入った。


「こちら島風、こちら島風、前方の金剛型戦艦に古河アキオさんは居ませんかぁ~」


 かなり軽そうな調子の通信だ。どうしよう・・・

 悩んでいるとタブレットから着信音がし出す。これ、電話機能あったのね。ただし、受信専用みたいだが。


「はい、古河です」


「古河アキオさんですか?私は時の女神です」


 この女神さまって、名前が時の女神なんかな?


「古河アキオです。どうされました?」


「そちらに島風と旗風という駆逐艦が向かっています」


 どうやら通信してきた軽い奴は天界から遣わされたらしい。女神さまの報告に神様の一人が異を唱えて追加の艦艇を寄越してくれたそうな。ただし、俺の居た世界とは違う平行世界の艦艇とのはなし。ややこしいことしやがって・・・


「古河さんのレベルが上がれば更に戦艦と巡洋艦も送るそうです。よろしくお願いします」


 まあ、戦力が増えるのはよいことだ。


「駆逐艦島風、着任しまっす」


 ポニテっ娘が元気にそう言っている。


「駆逐艦旗風、着任しました。以後、よろしくお願いします」


 某ツインテールアニメのヒロイン(ただし、黒髪)みたいな娘がキリッと敬礼した。


「古河です。よろしく。所で島風、君の最高速度は何ノット?」


「私の最高速度は公試で44.32ノット。1958年の機関試験で46.119ノット。最速駆逐艦でっす!」


 ゲームのぜかましよりも、ヤヴァいヤツだよ、こいつ。

 タブレットに資料が無いから色々聞いてみた。

 2隻は船体を同じくする準姉妹艦で、島風は雷撃重視、旗風は対空強化型らしい。2隻ともガスタービン主機なのには驚いた。

 一通りの説明をして掃討に参加してもらうことにした。

「初夢なんだから多少歴史いじっても許されるよね!」の姉妹艦に登場してもらってます。そう、主人公とは別世界の艦艇です。



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