斬新なものを創りたい! でも創れない! という時の処方箋
斬新なものを創りたい! でも創れない! という時の処方箋
創作活動をしていると、「何か斬新なものを創りたい! でも創れない!」と悩むときが訪れます。私にもそんな時期がありました。
結論から述べますと、、「閃かないときは全然閃かないものなので、無理をしてまで斬新さにこだわる必要はない。その上でもし、なにか新しいことを一つ盛り込めたら大成功」です。ただし、その斬新な要素は他の要素とマッチしていなければいけません。
前述のように、私もかつて「斬新さ」に異常にこだわっていた時期があり、「Hydraをヒドラではなくハイドラと読ませればこれは斬新だ!」などと言ってしまうぐらい追い詰められていました。これははっきり言ってただの発音違いなのですが、それを斬新だと思うほど「何か新しい要素を盛り込まなければいけない」という強迫観念に囚われていたのですね。当時を振り返って、私はこれを「斬新病」と名付けました。
こんな状態になってしまった契機は、私がテトリスやシムシティといった、本当に斬新極まる面白い作品に強い感銘を受けてしまった故です(年がばれる……)。
その後、私はとにかく斬新なゲームを作ろうと躍起になっていました(PCなど持っていなかったので夢想するだけだったのですけが)。そんな私が考えを改めるきっかけになったのは、「餓狼伝説2」の「超必殺技」について分析したときでした。
はたと気づいたのです。「目新しい要素というのはこれぐらいで良いのではないか?」と。当時山程出現した「スト2」フォロワー作品の中で、餓狼伝説は超必殺技という要素一つでストリートファイター2と差別化が図られ、「スーパーストリートファイタ2X」に「スーパーコンボ」として逆輸入されたほどです(実は超必殺技の初出は「龍虎の拳」なのですが、これはこの際置いておきます)。
体力がピンチの時の切り札となる超必殺技は、格ゲーのシステムととてもよくマッチしています。ここに至り、前述の結論「システムとのマッチ」と「なにか一つ斬新であれば大成功」という持論が完成したのです。
「あらゆる発明はやり尽くされている」「先人が思いついたけどあえてやらなかったこと」と言われつつも、稀にとんでもない大発明がポンと世の中には現れます。発明のコツは、既存の何かと何かを組み合わせることです。そうして作られた万の出来損ないの中から、一の有意義な発明が生まれます。
幸いなことに、小説は創作の中で最も要求する作業量=コストが少なく、失敗によって被る迷惑も(商業連載はともかく)基本的に自分だけで済む世界です。皆さんも失敗を恐れず、そして同時に肩の力を抜いて様々な発明を試みてください。何も思いつかないときは、とにかく何か駄文でもいいから書いてみましょう。書くこと自体が大事な経験値になります。
以上、皆様のご創作の一助になれば幸いです。