好変拒変
派遣会社に勤める富山和哉は安定と不安定の狭間のような生活を送っている。生きてはいるものの夢や目的、目標は特になくただただ無為に過ぎ去ってゆく毎日に身を委ねているだけだった。恋人の「こ」の字とも無縁の人生。未来に希望も期待もない、しかしそんなしがらみの中にもこの状況を打開するための何かきっかけがあるのではないか。樹海の中から指定の木を一本見つけるような至難の業だが、まだ彼の心の灯は完全には消えていなかった。
冴えない一人の男を描くヒューマンストーリー。
冴えない一人の男を描くヒューマンストーリー。