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問題児な私


鏡に写る自分を見ると兄とは似てないなと思う。母と兄は似ているからやはり、聞いた話は本当だった。


男の子は、母親に似て女の子は、父親似ているそうだ。成長すれば女の子は変わっていくみたいだが私の顔は父似ているんだと少し寂しくなる。兄の妹というのに(お兄さんと似てないね)、(兄弟なんだ)と言われるのが多かった。そんな人達とはあまり仲良くなれなかった。

父のことは、あまり好きではないし自分の顔もあまり好きにはなれなかった。


一人になると、こんなことばかり考えている。


「授業……忘れてた。今日はどうしようかなあ」今日は、兄が遅い。母も仕事であと2日ぐらいは帰ってこないだろう。一人になると余計なことを考えてしまうからこんな日は一人にならないために考えている。

「あ!そうか!」頭の上に電球がついた。解決法がパッと思いつき、頭の中には今井花が出てくる。私は、走り出した。トイレのドアを思いっきり開け叫ぶ。

「はーーなーーちゃんーー」毎日が同じじゃない。長い廊下を全速力で走る、教室にいた生徒たちは私を見て驚き授業をしている教師は怒った顔でうるさい、走るなと叫んでいる。周りの状況を気にせず走り続けてた。



窓の日差しや蛇口から漏れる水の音、ざわざわとした教室にいる生徒の声や怒鳴る教師の声も私の耳には響かず立ち止まることはない。


長い廊下の先に、巨大なものが目に入った。それは、怒り狂った教師が廊下の真ん中に立ち私が到着するのを待っていた。

「澤中ーー!止まれ!」教師の壁に私は、急ブレーキをする。

「澤中、トイレに行って何分かかってるんだ!具合悪いなら保健室だ!」

「え、えーー。先生まずは走るなでは?」

「自分でわかってるなら、なぜ走るんだ澤中……」担任は、もう呆れてる。変な行動をする自分に最初は、驚いていた担任ももう慣れたようだ。担任にしたら私は、学年一の問題児になっている。

「先生、いいアイデアが浮かぶと走り出したり叫んだりしませんか?勢いでやってしまったこととかそれと同じなんです」

「澤中、兄に報告しとくぞ。早く教室に入れ」私の言うことを無視してため息をつきながら教室に入っていった。

「ふぅ。間一髪」走り続けたのが一気に体にくる。あと一歩が凄い重たく感じた。


教室に入ると、今井花が困った顔をしているのが見える。31人のクラスの中でも今井花はしっかりとわかる。

クラスの支線は、私に向いていても気にはならない。クラスメイトも私の性格はある程度わかっているだろう。


「澤中、席つけ。授業はもう始まっている」トイレにいた時間が長かったようだ。もう二時間目も始まっていた。



席に着くと、私の前には今井花がいる。今井花は、私の行動に嫌とは言わない。むしろ笑ってくれたり可愛いくツッコミをいれてくれたりする。兄と似ているところに私は引き寄せられている。


「千華ちゃん、千華ちゃん」小声で、今井花が声をかけてきた。

机の右側に小さな紙が置かれていた。周りを見ながら私は、それを開いた。

(お腹痛いの?本当に大丈夫?)と書いてあった。本当に今井花は、可愛いい。友達が今井花で本当に嬉しい。

担任を気にしながら返事を書き今井花の肩を軽く叩く。今井花に手渡した。


私は、高校生活は嫌ではない。今井花もいるし毎日楽しんでる。担任も私の家庭状況などはわかっていて私の過去にあったことまで知っていた。これを話したのは兄で担任と兄は何か気が合うのか仲がよい。兄は、母のかわりに休むときの連絡や家庭訪問もやっていてそんなこともあるからなのか仲が良くなったのではないかと感じている。兄は、本当に心配性だ。


そろそろ二時間目も終わる。

トイレで思い付いたことを忘れてしまった私は本当に呆れる。兄が完璧なあまり自分自身の駄目さに嫌になって八つ当たりしてしまったことを一人になると思い出す。

兄や母、学校では今井花や担任私の毎日が楽しいのはこの人達がいたからだ。



「ありがとう。」本人には言えない私。トイレで思い付いたことをやっと思い出した。

今井花を今日家に泊まってもらおう。目の前にいる今井花の肩をまた軽く叩いた。

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