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年末年始

「どうする、紅白見るか大人の使い見るか」

「ん~私はどっちでもいいよ、たっくんの見たいの見れればそれで」

そういいながら私は作っておいた料理の一口食べる。

濃すぎることも薄すぎることもない。我ながらよくできたと思っている。

「ごはん出来たから手伝って~」

たっくんに声を掛け私も食事の準備をする。

「「いただきます」」


「たっくん、お風呂空いたよ~」

「アイスいつものところにありますから好きな時にたべてください」

そう一言残して僕はお風呂に入りに行く。

僕はあまり長風呂をするタイプではないのでささっとお風呂からあがる。

僕もアイスを食べようと思いそのまま冷凍庫へ。

「たっくん、私の分もとって」

「先輩、食べてなかったんですか」

先輩の分のカップアイスも持ってソファーへ行く。

「たっくんのアイスはチョコか、好きだねチョコアイス」

「甘いものならなんでも好きですよ。中でもチョコが好きなだけです」

なんてやりとりをしながら食べていると手元に視線を感じる。

先輩が欲しそうにチョコアイスを見ていた。

「…欲しいんですか?」

そう言うと先輩は口を開け食べさせてと目で訴えてきた。

「今回だけですよ?」

「そう言って毎回食べさせてくれるのはどこのたっくんかな〜」


なんてやりとりをしつつアイスを先輩の口元に運ぶ。

ぱくっ

「ん〜おいしい〜♪」

何度見てもドキッとしてしまう。好きな人の笑顔というのは。

すると今度は先輩がアイスの乗ったスプーンをこちらに向けて

「こっちのもどうぞ」

と笑顔で言った。


『………』

もうすぐ0時。年が明ける。

そんな風に思っているとふと肩に重さが加わる。

「ん……すぅすぅ」

先輩が寝てしまっていた。

起こさないように体勢をそのまま近くにあった掛け毛布をとる。

それを先輩に掛けておく。

それからウトウトしてるとテレビからカウントダウンの声が聞こえてくる。

『さん、に、いち…明けましておめでとう』

それと同時に僕も先輩に向けて言う。

「先輩、明けましておめでとうございます。今年は…先輩が……卒、業する…年ですね。学校で、会えな…くなるのが…さみしい、ですけど…絶対に、おぃつ、きます…から」

そのまま僕も瞼を閉じた。


「ん、寝ちゃってたのか…」

ふと目を覚ます。時計を見ると年を越していた。

詩織は自分にもたれるようにして寝る可愛い後輩を見て呟く。

「明けましておめでと、たっくん。今年は私が学校からいなくなるからってほかの女の子に目移りしちゃだめだからね」

ちゅっ、とほっぺにキスをして詩織は先ほどと同じように寄りかかって眠ることにした。


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