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あしあと

作者: 龍影 忍

これは私、八剣やつるぎ 紗月さつきの体験した話です。

私はお盆の休みを利用して数年ぶりに、千葉県の木更津ある実家にに里帰りをしたことから始まります。

実家は本家にあたり、祖父の兄弟も多くなにかあれば家に集まるしきたりで、お盆には親戚一同集まるので、酔っぱらいの親戚共と家族は会えば「結婚しろよ~」とか「相手はいないのか?その胸ならホイホイ来るだろ?」などセクハラ発言しかしないので本当はあんまり行きたくないかったんですが、親戚の親しかったおじさんが三回忌なのでしぶしぶ里帰りをする羽目に。お土産など(ほとんど酒かツマミ)を持ってて話題をずらしつつ親戚共を酔潰せばいいか考え買ったは良いけども、荷物が膨れ上がり電車に乗って帰るのは無理だと断念、久しぶりに車で行くことにしました。

アクアラインはやはり渋滞していてやっと海ほたるに到着、そこでちょっと休憩~トイレにも行きたいし、ご飯も食べたい、今の時刻は15時を少し回ったところ。予定では、昼に到着して実家でご飯にありつくはずだったのにと思いながら、特製メロンパンに齧り付きつつ車に乗り込もうとして車内からさらに暑い熱風が・・・

仕方なくエンジンを掛けて、冷房を最大にしてちょっと冷えるまで外でパンと一緒に買った牛乳を飲んでいました。やっぱ菓子パンと牛乳は正義だと思うのですよ!

「暑い~汗で濡れて気持ち悪いし・・・ってやだっブラ透けてないよね!?」

急いで後部座席に乗り、濡れたTシャツ姿の私はルームミラーで見たらばっちり透けてました。黒の過激なやつが。無理に詰め込んだトランクから四苦八苦しながら替えのTシャツに着替えましたが、サイズが小さくなったので捨てようとまとめて置いてあったのを持ってきてしまい・・・結局公然猥褻になってますちくしょう・・・

私は羞恥と急いで荷物を漁ったりした反動で、ただでさえクソ暑いのに体温が急上昇で茹で蛸みたいに真っ赤になってたと思う、人の視線が気になり急いで海ほたるから離脱しました。

「はぁ・・・公然猥褻しながら歩いてたのかぁ、そういえば店員の兄ちゃんがレジ打ちしながらモジモジしてたなぁ・・・しかも勝負下着じゃんこれ・・・なぜ私は勝負する相手もいないのにこれをチョイスした!?はいっ寝過ごしたから適当に目に付く物を着用しました!!・・・虚しいしきつくて苦しい・・・しかもまったく渋滞は動かないし」

わたしは渋滞に嵌りつつ、自分の失態をぼやきながら恥ずかしい気持ちを紛らわせないと焦って事故るなと妙な所を冷静に判断していました。

ふと海に視線を向ける。

海には、漁師さん達が小船で帰港する姿を、「渋滞がなくてイイナァ」とうらやましく思いながら眺めてたところ。

「ん?」

浜辺から200M位の海の上で白い物が風にはためいてるのが、眼に留まりました。

ビニール袋かと思いましたが、それにしては大きく過ぎるのでなにかな?っと眼鏡を拭きよく目を凝らしてみると、白いワンピースの少女らしいことが判りました。この辺りの海は、遠浅で潮干狩り場にもなっているのでわりと浜辺からを歩けるのですが、潮が満ちて来ている様子。

危ないなぁ、満ちてくればすぐに足が着かなくなるのに、親はなにしてるの?と思い、浜辺の方に視線をずらそうとしたところ。

こちらの方に女の子が手を振っていたので、ついつい手を振り返しついでに岸を指差して。

「なにしてんのよ?私は見えるけどあの娘が気づくわけないじゃないの」

苦笑いしながら、運転を再開しました。それから20分くらいたちやっと高速を降りた所で、さっきの少女が気になり海沿いに走り実家に帰ろうかな?とハンドルを向けました。

海沿いの道に出て、親が居たら注意してやろうとさっきの女の子が居た所に向かいました。

港には他にも車が何台が止めてあり私は自販機の隣に止めました。

砂浜の方に歩いて行きましたが、誰もそこにはいないので無事帰ったのならそれでいいかなぁと、つぶやいて私はそこを立ち去ろうし、足下を、見てみると砂に濡れた足跡がついて、それは海の方から続いていました。

裸足で歩いてきたようで、それが道路の方にも続いていました。

「あの子の足跡かな?濡れた靴って気持ち悪いもんね」

女の子も、ちゃんと帰ったようだし安心した、私は車に向かい歩き出しました。

そこで、疑問が浮き上がってきました。

「・・・さっき私が歩いてきた時足跡ってあった?」

うっかり口に出してしまい、言葉を咀嚼し寒気を覚えました。

私はここに来てまだ誰ともすれ違っていないのに、足跡は私の前を先導するように続いている。

「これだけ暑いなら道路なんて歩ける熱さじゃないし、歩けたとしても直ぐに乾くはず」

実際に、足跡は乾き始めていて数分で消えてしまう。

・・・足跡は私の車の方に、向かっている?

「確かめないと!車にでも乗られたら私一人で帰れなくなるというか車に乗れなくなる!」

「ルームミラーなんか見れなくなるし!車だってローン残ってるんだかね!」

足跡は、すでに薄くなり私は半泣きになりながら走り出しました。久々の全力疾走で足が痛いそれになにより胸が邪魔!走りにくいと、怖い思いを余計な事を考えながら打ち消しつつ汗だくで自販機のそばに到着。

こちら側から自動販売機の裏側が見えて、表の方から白いスカートが風でなびいていました。

「っつ!」

自分の喉から音が掠れでる。

そこには・・・

「あれ?紗月姉ちゃん?なにしてるの怖い顔して」

「・・・へ?」

従妹のまつりちゃん(11才)がきょとんとしながら、マッ缶(マックスコーヒー)を片手に私を見ていた。

「もしかして祭ちゃん、砂浜で遊んでた?」

この黒髪ツインテールにプール焼けしたのか褐色娘は、元気よく「うん!」と答え、あたしはへたり込んでしまった。

「ひさしぶりに会うのに、顔見た瞬間へたりこむなんて失礼だよ?紗月姉ちゃん」

と言いながら、いろはす(ミネラルウォーター)を渡してくる。

出来た従妹だ。

キャップを開け、ごくごくと私が旨そうに飲んでいると。

「ねぇお姉ちゃん、口から溢れてるよお水~ぁ~もう服も濡れちゃうよ!」

こっちはお化けかと思って、恐怖で喉がカラカラなのだ。

苦言を申す従妹にほっこりしつつも飲むのをやめない私。

「どうしたらお姉ちゃんみたいにHカップになれるの?」

「ぶふっ!!」

たまに脈絡なく、話かけてくるので対処に困るときもあるけども。

鼻が痛い・・・

「紗月姉ちゃん、汚いよ・・・」

言いながらも、観察するように私を見て。

「紗月姉ちゃん・・・また大きくなったでしょ!!それHじゃなくてそれあxもが!?」

絶叫する祭ちゃん、急いで口を塞ぐ私。

・・・数年もあってないのになぜわかる?断定だったしなぁ・・・

とりあえずは、怖いのも吹っ飛んでしまったので祭ちゃんを車に乗せようとしたが、荷物が助手席にもあるので散乱している荷物を纏めるのに時間がかかったのだが。

祭ちゃんがしびれを切らして手伝うと、あら不思議数人がかりで片付けたかのように車の中の荷物がスッキリ収納された。

「車の中がこれじゃ家は・・・お姉ちゃんの部屋片付けに行くからねみんなで!」

11才にしてできる女だと!?ぜひ嫁に来てください・・・私は料理は出来るけど片付けるのが・・・ね?

って家族皆に、部屋のなか掻き回されるのは嫌!

良いじゃん別に、テレビのリモコンもエアコンのも、ゲームだって漫画・同人誌すぐ手を伸ばせば届く位置にあるのだよ!ちゃんと場所分かってるから問題ないでしょ!?

「お姉ちゃん!!」

「はい!?ごめんなさい!!荷物適当に押し込んでごめんなさい・・・生まれてきてごめんなさい・・・」

11才の従妹に叱られるとは・・・はぁ・・・

とりあえず説教と車の中の整理が終わったので、話をそらすのに「なんであんなとこにいたの?」と聞いてみると甘いマックスコーヒーを飲めるのは私の家に居る時だけだし、海を見に行きたかったからと返ってきた。

祭ちゃんちは埼玉だし海がめづらしいのかな、それにマッカンって一時期全国区になってたけど結局千葉と茨城にしか売らなくなったって聞いたことがあるし納得である。

たわいもない話をしながら実家に着いた頃には、すでに親戚一同着いていて私が最後でした。

両親には遅いと怒られて、親戚一同に駆けつけ3杯とビールを注がれまくり、狒々爺共ひひじじいどもが胸を触ろうと寄ってくるので大変だった。

狒々爺共には手に持ってるビールを目に掛けてやった、「目が目がぁぁ!」と騒いでいるが良い気味だ。

祭ちゃんは、胡坐をかいた私の上に座りオレンジジュースを中ジョッキ注いで飲んでいる、時より酔っ払った親父共に「かんぱーい」とジョッキ鳴らしていたりして可愛らしい。

「そういえば叔父さん、祭ちゃん一人で海で遊んでたよ?危ないから一緒に居なきゃ駄目だよ」

と注意し、アクアラインからの家までの話をした。

「びっくりしたよ?海に立ってるように見えたしね~、それに自販機影から白いスカートが見えるじゃんオバケかと思っちゃったよ」

祭ちゃんが、可愛く首をかしげながら

「私は海に入ってないよ?それに浜辺では皆で遊んでたけど」

祭ちゃんの言葉に、私は一人じゃなかったのと返す。

「皆だよ~紗月姉ちゃんの車に皆で一緒に乗ったじゃないの、酔っ払ってるの?」

そこに居た全員が黙り静かになる。

大量のお土産=酒・ツマミがあったので、私が帰ってきた時には既に酔っ払っては居たがお土産が酒と知っていた飲兵衛共は我先にと土産を下ろしに来たのだ。

だから皆知っている、車には私と祭ちゃんとお土産と私の荷物しか載っていないかったと。

「きゃっ!?」と廊下から小さな悲鳴が上がる。

何事かと思いそちらに行くと、お母さんが片足を上げて足の裏を見ている。

「あ~ごめんなさい、水踏んじゃって驚いただけよ」

笑いながら言うが私は私は笑えなかった、玄関から廊下中にうっすらと濡れた足跡が何人分もあり、恐慌状態の私は祭ちゃんを抱きかかえて、家の奥にあるトイレに駆け込もうとした私はトイレの前でへたり込んで、失禁と失神を始めて経験した。

トイレの前には洗面台があり、鏡もある。

鏡に映ったのは私と祭ちゃんではなく、誰かの後ろ姿で将校のような軍服の人、着物姿の白髪の老人、長い黒髪に白いワンピースの女の子。

薄れる意識の中で祭ちゃんが迷惑そうな困った顔していたが。

「皆が、乗せてきてくれてありがとう」

「おかげで美味い酒と食物にありつけた」

「片付けも仕方ないからやってやるだって」


名前:八剣 紗月

年齢:25才

職業:事務

趣味:読書(ライトノベル・漫画等)・料理(美味しいが作るのに時間がかかる最低でも一時間)・睡眠(寝る娘は育つ)

称号:沈黙美人・しゃべると駄目な子・残念系眼鏡っ娘・爆乳喪女・片付けられない女・ドジっ娘・女子力(主人公<従妹)・失神失禁女子(New!)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 恐る恐る読んでいましたが、最後にホッとしました!実はいい幽霊達だったみたいですね(^^)片付けもしてくれるとは…。 最後の三行で全てをひっくり返す書き方、凄いですね。大変勉強になりました…
2014/08/27 21:30 退会済み
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