第76話 遊勇者の終わり そして・・・
無理矢理終わらせます。
ーーーーーーあかんって・・・
俺は横たわるアキラと白い塊となったシロリンを呆れながらそう思った。
スキルで作った最弱の疑似魔王に瞬時に気絶させられるアキラもそうだが、それを見て冷静さを失ったシロリンが実力を発揮せずに破れるとは・・・・・
これが元『土』の勇者様とかつて勇者として活躍した『七柱』達が切り札として洗脳した魔物だと思うと泣けて来るよ・・・
さすがは遊勇者の称号を持つ者とその仲間になる奴だよ・・・
・・・・・・・
「ずいぶん派手に暴れたようだな」
《・・・・・ピエールか・・・
俺は暴れてねえよ。こいつらが自滅したようなものだよ!》
「ふーん、そうかい。
んで、ソイツがアキラかい?」
《ああ、そうだ・・・・・
今代の『土』の勇者として召喚されたが大したスキルを持っていない上に成長が見込まれないと召喚された翌日に、召喚者で有るハイエルフの巫女に人柱にされた憐れな奴だよ・・・》
「それは確かな情報か?」
《ああ、こいつのロックされた記憶を覗いたからまずまちがい無いよ。
更にこいつの不幸な所は人柱にされていた所からあの外道女の玉藻に再召喚された事かな・・・
次いでに再召喚された翌日に異次元に捨てられたよ・・・》
「・・・・・何、その不幸度は?」
《さあね?日頃の行いじゃない?
不幸中の幸いで異次元から俺のいる邪気封印の洞窟にたどり着いたのはいいが、
七柱の見せた妄想のせいで思考が暴走して、俺に向かって来たと言う所だよ。》
「なるほど・・・・・
んで、その口調からして大体の事は把握し終わったようだな?」
《まあね・・・
そんじゃあ、お前さんの首尾を報告して貰おうか?》
ピエールは背中に背負った刀を地面に刺した。
「お前の読み通り、先々代の女神ルプと元『水』の精霊王ネークスが俺に接触して来たよ。」
《そして、その刀・玄武浄刀を見れば・・・
二人は始末されたのかな?》
「・・・ああ、かなりふざけた事をべらべらと喋っていたから即座に殺したよ・・・
何か、問題あるか?」
《いや・・・
出来れば、俺の手で地獄を見せたかったが、そこまで拘るつもりは無いよ。
それでソイツらが持って行った『水霊樹木』は?》
「調べた結果、枯れたそうだ・・・」
《そうかい、まあ、予想の範囲内だな。
今有る水晶霊樹で頑張るしかないな》
「・・・・・ところで、お前さんにかなり無礼を働いたユキはどうなる?」
《そんな怖い顔で聞いて来なくても、特に何もするつもりは無いよ。
そもそも、あれだって、『弓騎士』の精神干渉によって引き起こされた事だから。
俺が我慢強くて馬鹿だと油断した七柱の連中を押さえた今となっては問題無いよ。》
「それを聞いて安心したよ。
さて、これから俺・ピエールこと『元』マサシがお前さんと協力してこの世界の問題を解決するんだろ?」
《ああ!ビシバシ働かせるから覚悟しておけよ!!》
そうだ、俺はさっさと問題解決して元の世界に帰るんだ!
ここまでお付き合いして下さり、ありがとうございました。
風呂敷を広げ過ぎた為、もはや収集がつかなくなったので無理矢理終わらせました。
次回作を書く場合はもっと設定を練ろうと思います。
それではお世話になりました。




