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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第3章 目覚めたのは
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第75話 (―)勇者世界を知る?

俺は熱剣を振りかざして、アワガニに迫る!


アワガニは(おもむろ)に片腕を(かざ)すとスペルを発動させた。


中級(ツーメガ)泡障壁(バブルバリア)


再度、現れた泡のバリアに対して俺は斬りつけた!


ボヨ~~~ン!


熱剣は泡のバリアを切り裂けずに深く食い込んだ後、俺ごと跳ね返した!


「!?」


俺は後ろに跳ばされたが何とか着地に成功した。


『・・・・・・不思議そうな顔をしているなぁ~~~

オレの防御壁を切り裂け無いのがそんなに理不尽か?』


「!!・・・・・俺にやられるだけの存在がいつまでも戯言をほざいているんじゃないぞ!!!」


『・・・・・・・・なるほど、オレを“NPCノン・プレイヤー・キャラ”と勘違いしている訳ね・・・・・・

お前も“異世界=ゲームの中”と勘違いしている人種と言う訳かぁ~~~』

(まあ、確かに現実離れの状況だからそう勘違いしてもおかしくはないけどさ・・・)


「・・・・・どういう訳だ!?」


『お前はこの状況を受け入れられずに現実逃避して、この世界に関する事に対しての“先輩”であるオレを殺そうとしていると言う訳だよ。』


「言っている意味が分からない!!」


『“分からない”では無く、“分かりたくない”だな・・・・・

お前さんの状況から察するに・・・

いきなり、異世界(ファンタジー)に飛ばされたから“ここはゲームの中だから安心だ!”と無意識の内に心の中で予防線を張っているってところか・・・


そんなお前に合わせて、このクロスディア(ゲーム)の仕様と規則(ルール)を教えてやるよ!』


「!?・・・貴様なんかの戯言―――」

『―――後で“聞いていませんでした”と言うクレームを回避する為だ!反論は認めん!!!

まあ、ゲーム風に言えば、スキップ不能のチュートリアルと考えてくれれば良いよぉ~~~


それではルールを説明しよう!


この世界の名前は“クロスディア”。他の異世界から歪みから発生する(けが)れ“邪気”を押し付けられているごみ捨て場のような位置に存在している世界だ。

そして、この世界の自浄作用は(だま)(だま)しでやって来たがついに限界を迎え崩壊が始まった。

その崩壊は今まで世界(クロスディア)を救って来た“勇者”でも止める事は出来ない!


そんな世界に迷い混んだ一般人“中村明”は早く元の世界に戻られば、世界の崩壊に巻き込まれて死んでしまう。

―――――と言うのがお前さんにとってのオープニングのシナリオだ・・・』


「・・・・・・それが真実だと言う保証はあるまい!!」


『嘘だと言う証明も出来ないだろう?

まあ、話は最後まで聞いて、そこから自分で判断してくれ・・・・・

この世界(クロスディア)の仕様だが、ジャンルは“サバイバル”。難易度“アルティメットヘルハード”。死んでも(よみがえ)らないやり直し不能(コンティニュー無し)


「!?・・・でたらめを言うな!!勇者である俺には加護が有って―――――」


『―――――死んでも(よみがえ)る。もしくは元の世界に還されると言いたいのか?

そんな説明は誰がいつしたの?』


「それは―――――・・・・・」


『そんな設定はお前さんの妄想でしか無い・・・』


「でも―――」


『―――現代日本から見たら、この世界は十分に非常識(ファンタジー)であるが・・・

出来る事と出来ない事が在るんだよ!

都合の良いルールを勝手に思い込んでじゃないぞ!』


「―――貴様の言う事が真実とは限られ無いだろうが!!」


『・・・さっきと同じ事を言っているな・・・余裕が無くなっていないか?

まあ、それは置いて・・・

ならば、お前に問う・・・お前が言っている事を証明出来るか?』


「・・・・・・証拠なら目の前に有るじゃないか・・・

この剣とさっきの槍が俺が“勇者”である証拠だ!!」


『思考放棄しているぞ・・・さっきも言ったがそれらは元々オレの力だ。

それらは勇者が倒すべき“魔王”すら太刀打ちできません。

何なら、さっきの邪気の塊から欠片を引っ張り出して戦わせようか?』


ありがとうございます。

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