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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第3章 目覚めたのは
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第74話 (―)勇者「見えている」

―――――――コレヲ――――ツカエ――――




俺は邪気を見せられて戦意喪失させたと油断している黒ローブの者・アワガニに対して有効で有ろう攻撃を直感的に選んだ。


切替(チェンジ)!“槍騎士(ランサー)”OFF→“火の剣騎士(ファイアセイバー)”ON!!」


俺がそう叫ぶと槍はカードになり、いつの間にか持っていた別のカードが赤く光って、熱を帯びた剣になった。

その剣で俺はアワガニに対して斬りかかった。


アワガニはバリアで防げると思ったのか、座ったまま溜め息をついた。


何気無くアワガニが俺の剣を見た時にギョッとなって驚き、後ろに慌てて跳び下がった。


俺の剣は泡のバリアをチーズやバターのように斬り裂いた。


アワガニは跳び下がった後、指パッチンをして後ろの壁を白い泡で閉じて邪気を見えなくした。


『やれやれ・・・・・・あの邪気を見て戦意喪失しないのは大した物だが、説明中に再度攻撃するのはマナー違反だと思うが?』

(マジでビビった!!こういう時はしっかりと落ち着いて対処しないとズルズルと悪化するからな!!

まずは落ち着こう・・・

落ち着かない場合でも

落ち着きましょう

落ち着く時

落ち着けば

落ち着こう




よし!落ち着いた!!!)



「フン!・・・・・あんな物を見せた相手に配慮する気は起きねえよ!」


俺は剣を両手で構え直して、アワガニと向き合う。


『にしても・・・正気か?

あの邪気に関わりのあるオレに対して敵対行動を取るなんて・・・』

(考えられるのは“槍騎士(ランサー)”“剣騎士(セイバー)”に(そそのか)されたと言ったところか・・・

にしても、オレの泡障壁(バブルバリア)を斬り裂くとは・・・・・あれは『破魔』の力を宿した剣と言う訳か・・・)



「俺があの程度の物にビビると思っているのか?」

俺はアワガニの(すき)(うかが)い剣に力を込めた。


『あの程度って・・・・・状況を正しく認識しているとは思えない発言だな?』

(大方、七柱の連中がオレの力を奪えば、あの邪気の塊をどうにか出来ると楽観視している影響かなぁ~?)



「俺の力を持ってすれば―――」

『―――お前の力ではあの邪気をどうこうする事は出来ない!

ついでに言えば、お前に宿っている“槍騎士(ランサー)”の『退魔』の槍、“剣騎士(セイバー)”の『破魔』の剣を持ってしても手もあしも出ないのが現実だ!

あれに対抗する為の最低条件は『破邪』の力が必須の上で“世界(クロスディア)”の法則(ルール)に真っ向から喧嘩(ケンカ)を売る度胸と覚悟が必要だ!!』

(ここでちゃんと言っておかないと、コイツ()は自分達が選ばれた(・・・・)英雄(ヒーロー)だと勘違いしそうだな・・・)



「!?・・・何を根拠に言って―――」

『―――お前を治療している一週間で隅々(すみずみ)まで調べて、特殊な能力は潜在的にすら存在しない事が判明している。

お前に与えたオレの『土』属性のスペルはもちろん、手違いでお前に宿った“槍騎士(ランサー)”“剣騎士(セイバー)”と『火』『風』属性のスペルは元々本来はオレの能力(チカラ)だからよ~~~~~~~~~く知っているよ!』

(この説明を聞いても理解出来なかったら処置無しだな・・・)



「・・・・・・その曇った黒ローブのせいで俺と言う“勇者”を直視出来ないから、そんな的はずれな事を言っているんだな?

いっそ、哀れだな・・・・・

ならば・・・俺がきちんと言ってやろう!


“俺にはもう見えている!!!!!”


『・・・・・何が・・・・・?』

(何を言っているの?コイツ!?)

アワガニは首を(かし)げながら聞いてきた。



「お前には|決して見える事が出来ない物《勇者アキラの栄光の未来》だ!!!!!」



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中二病乙)



ありがとうございます。

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