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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第2章 外からの声
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第60話 ユキ消滅の危機

アワガニ(マサシ31)side


やっぱり・・・自分の事より他人を思いやれる優しい奴だな。ピエールは・・・


オレは立ち上がったピエールに優しく言ってやる。


【とりあえず、安心しろ!ピエール・・・


この部屋にいる限り、世界から拒絶されて消滅するなんて事はオレがさせないから・・・】


ピエールは渋々(しぶしぶ)椅子に再び座り直した。


「なあ・・・アワガニ。何でユキが世界から拒絶されているんだ?

俺と出会った時はそんな気配は無かったが・・・」


【単純な理由は『中村雪』の召喚が不完全に行われたのが原因だ。

ピエールが拒絶の気配に気付けなかったのはその時はまだ拒絶反応が出ていなかったからだな・・・

まあ、これだけを言っても納得しないだろうから、理屈を説明しよう。

中村さん・ピエールよ。例えば、水の中に

いきなり放り込まれたらお前たちはどうなる?】


「「???」」


「何でそんな事を聞くの?」

「質問の意味が分からないぞ!アワガニ。」


【・・・とりあえず、質問に答えてくれ。後できちんと説明するから・・・

それとも質問の意味すら理解不能なのか?】


「そのくらい、理解出来るわ!あたしが聞きたいのは何でそんな事を聞くのかを知りたいのよ!」


「俺もそのくらい理解出来るよ!お前、俺達をバカにしているのか!?」


【・・・・・・フーーーーーー・・・

お前らは事態の異常性を理解していないようだな!

先にこの質問に答えろ!反論抜きで・・・

質問『あなたは日本人・又は日本人だったですか?』

オレの答えは『Yes』だ!】


「えっと・・・はい。」

「当然だよ。」


【次の質問『オレ達それぞれ《違う》日本から来ましたか?』

オレは『Yes』】


「えっと・・・はい。そう聞いています。」

「え!?・・・そうなのか?」


【とりあえず、最後の質問『それぞれの《日本》の違いを把握していますか?』

オレの答えは『把握していません』】


「「・・・・・・・・」」


【この質問の意図はオレ達三人がお互いに『日本』から来たと認識しても、互いの『日本』の差異を小さく見ている事を認識している事を自覚して欲しいからした。

三人がお互いに同じ『常識(ルール)』を持っていると錯覚すると後々ヤバイ問題になるから確認は念入りにしろよ!

例えば、お前らのどちらが『太陽は《西》から昇る』と言って、オレはそれに納得して『オレの所は太陽は《東》から昇る』と返して相互認識するように務めるよ。

だから、お前らも『ズレ』があるかもという認識でいてくれ・・・】


「分かったわ・・・」

「了解!」


【そんじゃあ、改めて『中村雪』の世界から拒絶されている理屈に関する説明を兼ねた質問。

『いきなり水中に放り込まれたらどうなるでしょうか?』】


「溺れる」

「パニックになる」


【『それではその状態になった人間はどうするでしょうか?』】


「水面に出て息をする。」

「同じく。」


【『もし、水面に出る事が出来なくなったらどうなる?』】


「・・・溺れ死ぬ・・・」

「・・・・・・・そういう事?

この世界(クロスディア)とユキの世界は水と空気並に違う物で、ユキはそこに何の準備も無く放り出された。少しなら水中でも息が持つからすぐには死ななかったと言う感じですか?」


【正解だ・・・中村さんは理解出来たか?】


「はい・・・・・なんとか。それで溺れ死ぬ寸前のあたしに何をしたの?」


【『酸素ボンベ』を渡して一時しのぎした。

ちなみに『酸素ボンベ』はこの部屋の結界の事だよ。だから、今の状態でこの結界から出ると再び溺れ死ぬ 消滅してしまう。】


「・・・(顔色が青くなる)」

「おい!アワガニ!!何とか出来る方法は無いのか?」


【・・・・・・・・・・・・・あるよ。】


ありがとうございます。

次回は8/28 12:00に更新します。

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