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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第2章 外からの声
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第57話 スライムバイク

話の雰囲気を崩してしまうかも知れない流れになっていますが、そこは御了承ください。

「なんじゃー!こりゃー!!」

ピエールは黒い穴から出現したバイクに驚いていた。


【まあ、詳しい説明は後でじっくりとしてやるからよ!

とりあえず、乗れ!

それとも、乗り方が分からないと言わないよな?】


ブレスレットと一体化したオレ(アワガニさん)はピエールを挑発した。


「!!・・・バカにするな!

そのぐらい、転生者の俺が分からないと言うと思っていたのか!?」


ピエールはバイクに股がり、グリップを握った。その瞬間、ピエールとスライムバイク『疾風』と『騎乗兵(ライダー)』の力の歯車がカッチっとはまった。



ピエールは“情報共有”で得た膨大な情報から“騎乗兵(ライダー)”に関する情報をようやく整理して、自分の知識にする事が出来た。

緊急同調はほぼ同じ人間だった『マサシ』同士だったから出来る荒業(あらわざ)だった。それでも分裂体同士の“情報共有”のようにスムーズに必要な情報を与えるマネが出来なかったので、今回のピエールの件のような事態が発生した。


しかし、それも“騎乗兵(ライダー)”に関しての情報については解消されたのでピエールは“騎乗兵(ライダー)”の能力を引き出せるようになった!



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピエールside



なるほど、この“騎乗兵(ライダー)”はこう(・・)使うのか・・・

フッ・・・アワガニが俺に文句を言いたくなるのは納得だ。


・乗り物の操作方法は手綱等を握れば把握する。

・契約した騎獣や乗り物は呼び出せば、瞬時に召喚される。(よって、アワガニさんがアイテムボックスから出さなくても、俺が『来い』と念じるだけでこのバイクは出現するはずだった。)

・契約した騎獣や乗り物の状態を知る事が出来る。

・劣悪な環境でも走行に耐えられるようにライダースーツが装備される(このライダースーツはブレスレットに触れて『変身』『変身解除』と言えば、装着・収納が瞬時に可能。)


瞬時に“騎乗兵(ライダー)”のこれらの情報を理解(・・)した。

そして、このバイクについての情報も把握(・・)した。


◇スライムバイク『疾風』◇

・このバイクはアワガニが緊急移動手段として作られた乗り物。

・このバイクはアワガニの腹心・スライムメイドの体の一部を使って作り上げた生体金属(バイオメタル)・スライムメタルによって構成されている。(スライムメタルの生成は困難を極めている為、今現在の段階ではこの試作機『疾風』だけを作るのが精一杯だったようだ)

・このバイクは魔力で維持・稼働している。


この情報も瞬時に理解した。

改めて、怪獣を見た。この力を正しく操れば、対抗出来ると核心した。まして、あの泥に有効な泡の力を宿した今の俺ならやれると思った。



『ワオーーーーーン!!!』

泥の怪獣 (泥大狼)は雄叫びをあげて、俺の方に迫って来る。


俺はアクセル全開にすると排気口から大量の泡が放出した。

【おい、ピエール!とりあえず、バイクを動かして距離を稼げ!】


俺はアワガニの忠告を無視してバイクを怪獣の方に向ける。


このバイクから出る泡をあの怪獣に浴びせれば、ダメージを与える事が出来るかも知れないと考えた俺はブレーキを放してバイクを走らせようとした。













『疾風』のパワーが予想以上だったので俺は振り落とされた・・・・・









そして、『疾風』は迫って来る怪獣の胸をハイスピードで突進してぶち抜いた。

崩れ落ちる怪獣は『疾風』が放出した大量の泡に飲み込まれた・・・



【・・・・・・・・あの怪獣・泥大狼は討伐されました・・・・・】



ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ピエール「おい、作者!!なんだ!?この展開は!?

話の流れ上、この泥大狼戦は俺が華麗にデビューする所だろうが!?」


作者「すまん・・・しばらく扱っていなかった設定だったから忘れていたが・・・・・・

お前(ピエール)はお笑い担当だった。」


ピエール「・・・・・(無言でスライムバイク『疾風』のアクセルを全開にした)」





少し、笑いに走ってみました。

ご意見・ご感想がありましたらドンドン言ってください。

8/25 12:00に更新予定です。

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