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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第2章 外からの声
59/86

第52話 助けを呼ぶ声

ーーーー



「助けてよ!田中さん!!!」


オレ(31)が見た光景は夜の月の光によってはっきり見えたのは、50メートル級の山並に大きなドロオオカミがザンタローズ村を包む光の半球体の結界を食い破ろうとしていた姿だった。


オレとユキとピエールはユキが飛び降りた崖の上にいた。


31→ユキ【・・・この光景を見てオレにどうしろと?】

とりあえず、“分析”をかけて状況確認はするが・・・



ーーーー!ーーーー・・・



「!?・・・ようやく来てくれたね!!田中さん!!早くどうにかして!!!」


31→ユキ【いや、話を聞こうよ!オレがどう対処しろと?】



ーーー・!ーーー・!・・・



ユキは困った顔で思案した。

「それは・・・・・あのバブルパールボムを・・・」


31→ユキ【泡真珠(バブルパール)ボムではあのデカ物・犬の怪獣に有効なダメージを与えるなら千個、殲滅する気なら万個要るよ。当然、そんな数は用意出来ないよ。】



ーー・イ!ーー・テ・・・



「じゃあ!・・・あの真っ黒な狼を倒した・・・」


31→ユキ【スペルの事?・・・残念ながらこの状態(泡真珠)ではあの怪獣に通用するスペルは撃てないよ。】



ー・シイ!ー・・テ!・・・



「じゃあ、どうすればいいの?」


31→ユキ【いや、逃げろよ!・・・あんなモノ(怪獣)から逃げても恥ではあるまい、それとも何か?逃げられない理由でもあるのか?】



ー・シイ!ー・ケテ!・・・



「ある!!・・・理屈はあたしにも分からないけど、この村があの怪獣に襲われたら、弟が死ぬと確信できる!!!だから・・・田中さん!助けてよ・・・」


31→ユキ【・・・他力本願だな・・・まあ、あんな相手(怪獣)ならしょうがないかぁ~・・・おい、オレ(泡真珠)をピエールに渡せ!】



ールシイ!ー・ケテ!・・・



「へ!?・・・・・・・何で?」


31→ユキ【この状況を打破するためにズル(チート)で覚醒させようかなぁ~と思ってよ・・・・・

あっ!ちなみにお前さんを覚醒させても、現時点ではあの怪獣に有効打すら撃てないので諦めてくれ!

そして、ピエールが覚醒を拒んでも非難するなよ!それは人生を左右させる選択だからな・・・

それでピエールが覚醒を拒んだ場合、さっさとその場を逃げろ!お前さんの弟はオレがどうにかするから・・・】



ールシイ!ースケテ!・・・



ユキは祈るようにピエールに泡真珠を渡した。

「ピエール・・・・・・・・・お願いします。」

「うん?・・・・・・おい、ユキとどんな話をしていた?あの化け物はどうすれば倒せる?」


31→ピエール【まあ、焦るな!お前には選択をしてもらう。

①逃げる

②人として死ぬ

③あの怪獣を倒せるがお前は化け物として死ぬ

さあ、どれ?・・・・・オレのおすすめは①だけど?】



クルシイ!・スケテ!・・・



「冗談・・・では無いようだな?

選択する前に答えてくれ。

あの(・・)陰陽師の言葉ではお前はこの村と関係無い所にいるみたいだけど、何でこんなことをしてくれる?」


31→ピエール【はぁ~・・・・・やっぱり、あの陰陽師が(から)んでいたか・・・


まあ、それは今はいいや!質問の答えは単純に根負けだよ・・・】



クルシイ!タスケテ!・・・



31→ピエール【あの怪獣から助けを呼ぶ声が絶えず聞こえたからさ・・・

オレはあの怪獣をどうにかすると選択したが。

お前(ピエール)はどうする?】



ありがとうございます。次回は8/20 12:00に更新します。

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