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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第2章 外からの声
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第51話 怪しい通信

マサシ31→???【ハイハイ、どちら様?オレは田中ですけど、何か助けになれますか?】


「出るのが遅い!!!何していたの?」


マサシ31→???【返答が無い・・・・・・ただの悪戯(イタズラ)だったようだ。

時間の無駄だから切るぞ!!!】


「!?ごめんなさい!・・・謝りますので助けてください!!!」


マサシ31→???【ハア・・・謝罪はいいからお前さんの氏名・状況・危機的状況の打開策の提案をお願いします。】


「田中さん!!!ふざけるのもいい加減して!!!この状況を見てそんな悠長(ゆうちょう)な事を言わないで!!!!!」


マサシ31→???【・・・・・別にふざけていないよ。オレは今のそっちの状況をお前さんの言葉でしか知り得ないよ。】


「!?・・・でも、田中さんには千里眼が・・・」


マサシ31→???【大サービスだ!こっちの状況を教えてやろう。

そもそも、オレはけっこう忙しい!手を抜けば死んでしまうほどヤバイ状況で頑張っている。

それでも近頃は若干余裕も出てきたから異世界に迷いこんだ少女をアドバイスやフォローをする事はギリギリできた。

ただ、その少女が小屋を飛び出してからは、その余裕が急速に無くなった。それでも、少女の切迫した様子からただ事では無いと判断したので、オレの状況が不利になるのを覚悟でフォローを続けた。

そして、少女が立ち向かった魔物は特殊な力が無いと倒せないからオレが代わりに戦った。

その後、勇者様に倒されてダメージを負ったオレは自分の状況を立て直すので手一杯なんだ。

その状態でこんな怪しい通信に出ている。確かに今の状態でもそっちを見る千里眼的なものは発動できるが、それを使ったらますますオレの状況がかなり不利になってしまう。

だから、そっちを見る価値があるか、この通信で判断しようとするオレは間違っている?】


「・・・話が長い!愚痴りたくなるのは分かるけど、それは後で聞きます。その判断も間違っていないけど、早くこっちに来て!」


マサシ31→???【???・・・オレにはそっちに行く手段は無いぞ。繋がりの腕輪が故障してアイテムボックスを使った裏技的なワープも使えないからな。

と言うか、いい加減に氏名・状況・救助方法を言わないと通信を切るぞ!!!】


「もう!!!『中村雪』『巨大なモンスターがピエールの村に向かっている』『田中さんがここ(・・)に来れば打開出来ると聞いて(・・・)いるよ』」


マサシ31→ユキ【聞いて(・・・)いるねぇ?ヤバイ匂いがプンプンだな・・・どうしよう?】


「田中さん!!!お願いします!!!詳しい事は言えませんが、あなたに害を与えるつもりは誓ってありません。

あなたが『こっちに行く』と念じるとこっちに来れますのでお願いします!!!」


マサシ31→ユキ【・・・・・・はぁ~~~分かった分かった!その言葉を信じてやるよ!】


マサシ31→①32【もしも、罠だった場合、オレ(31)を切り捨てくれ。頼むぞ!】


①→31【・・・分かった、どうしようも無い状態なってしまったら切り捨てるぞ!】


31→①【ありがとう・・・後は頼んだぞ!】


オレ(31)は謎の通信に触れながら『行く』と念じた。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



オレ(31)が目を覚ますとユキの手の中にいた。

オレはすぐさまに自分の身体に“分析”をかけて調べた。調べた結果、オレ自身には特に異常も無いが、オレをここに呼ぶ事ができた召喚の媒体はヤツ(逆勇者)が砕いた泡真珠だった。それが修復され、召喚(・・)魔力回線(ライン)が追加されていた。

・・・・・この術式を施した者はただ者では無いと判断する。


31→①【こちらは31。現場に着いた。そっちの見解は?】


①→31【本体に異常無し!31も異常無し!後は現場の判断に任せる!!!】


分かった!任せろ!!!

そして、オレは周辺を確認した。

そこには巨大な怪獣が暴れていた。




ありがとうございます。

次回は8/19 12:00に更新します。

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