第45話 地獄へようこそ(裏事情)
今回は前回のマサシsideです。
マサシ31(外出泡蟹憑依体)side
時は少し遡る・・・
小屋で寝ていた筈の中村さんがオレとピエールを吹っ飛ばして森の中へ走り出した。
あっちの方向は・・・たしかピエールの村・ザンタローズの村があった筈だ。
31→32[中村さん通信担当のマサシその32!何があったか報告しろ!]
32→31[ザーーーーーザーーーーー]
えっ!?・・・通信不能!?ウソ!!今までそんな事無かったのに!?
そんじゃあ、こっちはどうだ?
31→ピエール[おい!・・・ピエール聞こえるか?]
「聞こえている!・・・ユキの身に何があった?」
よかった・・・身体に触れての直通のテレパシーは生きているみたいだな!本体や分身の通信網が麻痺しているだけかな?
まあいいや、そっちは後で考えよう!まずは中村さんの方が先決だ!
31→ピエール[分からん!・・・でも、あの様子はただ事では無いぞ!オレを肩に乗せたまま追いかけてくれ!!!]
「分かった!」
ピエールはオレを乗せたまま、中村さんを追いかけた。
今の内に現状を確認しよう!
夜鬼眼担当で総司令のマサシ①との連絡は不能。
アイテムボックスは・・・・・使用可能。
スキルは・・・
①→31[ーーー答せよ!応答せよ!応答してくれ!!!]
31→①[こちら31だ!どうした!]
①→31[良かった!!・・・繋がった!!とりあえず、マサシ①~32全員”高速思考“発動!話はそれからだ!!!]
”高速思考“発動!!!
①[全員の高速思考発動を確認!”情報共有“で情報をオレに集めてくれ!・・・・・(①情報吟味中)・・・・・・・・・・把握した!
簡単に状況を説明する。要点だけまとめるぞ!
・中村雪が寝てからしばらくして『夜鬼眼』が使用不能となる。
・それと同時にマサシ間のテレパシー通信が不能となる。
・その原因を”分析“にかけた所、『繋がりの腕輪』から発生した謎の魔力波長がノイズとして干渉したからだと思われる。詳しい事はまだ分析中。
・通信不能になったとたん、邪気封印ダンジョン内の邪気モンスターが勢い付いた。
・今現在、通信が繋がるのは繋がりの腕輪から発する謎の魔力波長が消えているから。ただし、まだ魔力波長の影響が残っているので中村雪との通信は不能。しばらくすれば復旧すると思われる。
っと言った所か?
結論として”中村雪“が通信不能の原因だと思われる。ただし、現時点では敵味方の判断はつけられない。状況からして意図しない事故の可能性が高い。
故に”マサシ“は中村雪を援助しつつ監視しようと思う。異議のあるヤツは挙手をお願いします。
・・・・・・・・・・・・・・
全員異議無しという事で対応するぞ!
指令発令①から全員へ
スペルは1ターンに五枠使用なので、二枠は邪気封印ダンジョンの戦線維持へ。
そして、二枠は中村雪を援助する為のアイテム作成準備へ。
残り一枠はマサシ31が使用。現場で臨機応変に対応してくれ。
邪気封印ダンジョン攻略組は戦線を維持。最悪の場合、戦線を下げてもいいぞ!
道具作成組はマサシその32の指示に従ってくれ!
現場のその31は中村さんを追いかけて対応してくれ!
中村さんの通信担当のその32は即座に情報を他の奴に降ろしてくれ!
それでは各自”高速思考“解除して行動しろ!]
“高速思考”解除!!!
①→31[中村さんと連絡がついた。やっぱり何か特殊な事情が有るみたいだ!崖から制止を振り切って飛び降りやがった!!!]
ピエールが村を一望出来る崖の上に着いたとたん、爆音(泡真珠ボムが爆発した音)が響いた!!!
①→31[あのザンタローズの村にいるのは邪気モンスターだ!ピエールに指示を出して失敗作の小粒の泡真珠を大量に投げて村を保護しろ!]
31→①[分かった!後は現場の判断で動く。]
31→ピエール[ワイズマン・アイテムボックスオープン・小粒泡真珠ガード全部。これを村に投げてキーワード・バリアと叫べ!質問等すれば村が全滅するほど時間が無いぞ!]
ピエールは返答もせずに慌てた様子で大量の真珠を村に投げた。
「キーワード・バリア!!!」
ピエールがそう叫ぶと真珠達は大量の半透明な泡となって村を包み込んだ。
オレは展開された泡の力をコントロールして一ヶ所だけ穴を作り、そこに邪気モンスターを追い込む。
31→ピエール[ピエール!!!あの黒い影の所にオレを投げろ!!!!!]
ピエールは村のピンチを見た余り、自己判断力がマヒしてオレの指示通りに動いているみたいだ。
オレは三つの影の1つに体当たりをした後、『泡息吹』で落下エネルギーを相殺した。
31→32[32!中村さんが乱入しないようにこのセリフをきちんと伝言してくれ!!『処刑場へようこそ!同情だけはしてやる!!』と!!!]
ありがとうございます。
次回は8/13 12:00に更新します。




