第43話 悪夢は突然に!
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ユキside
身体は寝ているのに精神だけ起きているって状態かしら?周りの様子が何故か分かる。
水筒に付いていた白い玉が半透明な泡の蟹になったと思ったら、ピエールの肩に乗った。ピエールがブツブツと話している所を見るとあたしと同様に謎の人物・田中さんと会話しているのかしら?
でも、頭の中にあたしに話しかけていた田中さんとの通話状態?が開きっぱなしである事が何故か分かる・・・
色々と疑問があるけれど、ピエールの様子からあたしが悪いようにならないと何故か確信出来るから安心出来る。
安心出来ると思ったら、眠気が増してきた・・・
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そこは真っ暗な空間だった・・・
あたしはその暗闇の中を歩く・・・・・
足を止めようとするが・・・止まらない。
ああ、これは夢の中だな。
何であたしはこんな夢を見ているのだろう?
どうせなら楽しい夢を見たいのにと考えていたら、前方に何かが現れ始めた・・・
あれは何?・・・・・・!?・・・!!!
自分の意思では動かない身体を強引に気合いで動かせるようにして前方の物体に駆けつけた!!
「アキラ!?・・・何でこんな所に!?」
前方の物体は中村雪の双子の弟『中村明』だった!!!
アキラは闇に縛られて吊るされている状態だった。
「待ってなさい!・・・すぐに助けてあげるから!!!」
あたしはアキラを捕らえている闇を引きちぎろうとしたがびくともしなかった!!
闇は掴めるがあたしにはどうする事も出来なかった!!
あたしはアキラを起こして打開策を聞き出そうとした。
「ねえ!・・・起きて!!アキラ!!!」
あたしは往復ビンタをしたが、アキラは起きる気配すら起こらなかった。
「ハアハアハア・・・起きなさいよぉ~・・・アキラ!」
あたしは肩で息をしながら悪態を突いたとたん、左眼に強い熱が発生した。
「ッ!?・・・何?・・熱い!!・・・何々!?」
左眼を閉じると映像が流れ始めた・・・
目の前のアキラに真っ黒な狼が襲いかかり、あっという間に食い尽くされた!!!
「な!?・・・な!?・・・」
あたしはその映像の内容にショックを受けて座り込み涙を流していた。
右眼にはまだ無事なアキラの姿、左眼には食い尽くされ無残な姿になったアキラ。
あたしには両方の景色はどちらも現実だと本能的に確信した!!
その時、謎の声が辺りに響いた・・・
『コノミライ・・・カエルキ・・・・・アルカ?』
その声は田中さんと違い、重く冷たい暗い感じがした。
でも、あたしはアキラの無残な姿にショックを受けていたので深く考える事が出来なくなったので反射的に返答した。
何を言っているの?
こんな事認められる訳無いでしょう!
アキラを!・・・あたしの家族を!!・・・あたしの半身を!!!
アキラの明るい未来を奪おうするヤツは神だろうと悪魔だろうが絶対に許さない!!!
『ナラバ・・・カエロ・・・ソノヤリカタ・・・・スデニ・・・シッテイル・・・・・ハズダ・・・』
その声の言うとおり、あたしの頭の中にはあの真っ黒な狼達がいる場所が何故か解っていた!!!
『イソ・・ゲ・・・ジ・・カン・ガ・・・ナ・・・・・・イ・・・・・・・』
謎の声は途切れ途切れになり聞こえなくなった。
あたしは立ち上がり、アキラを抱き締めて自分で夢の時間を終わらせた・・・
あたしはガバッと起き上がった。
夢の内容は完全に覚えていたので、あの真っ黒な狼達がいる場所に急いで走った!
その途中で扉の前で会話していたピエールと泡蟹をぶっ飛ばした・・・
あたしの頭にはこの辺の地図が入っていたので迷わずにその場所に向かった!!!
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次回は8/10 12:00に更新します。