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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第2章 外からの声
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第34話 中村 雪

ユキside


【ハイハイ、どちら様?オレは田中ですけど、何か助けになれますか?】














・・・・・頭の中で言葉が響いている!?

幻聴?


【返事が無い・・・・・・・ただの悪戯(いたずら)だったようだ。】


「ちょっと、待って!!誰か知らないけど助けて!!!」


あたしは森の中を走りながら返答した。


【助けてって言われても、オレはそっちの状況がわからないですけど?】


「えーと!あーと!!そのつまり!!!」


あたしはこっちの状況を知らせようとするが、うまく言葉が出てこない(泣)



【は~、かなり混乱しているみたいだな。オレが質問をするからそこから選ぶ形でいいか?】


「うん!それでお願いします!!」


【それでは①モンスターに襲われている・・・「①です!」了解・・・それではこの言葉を復唱してくれ、『ワイズマン・アイテムボックスオープン・泡真珠(バブルパール)ガード』っと。】


「?・・・何で?」


【時間が無い!その言葉をお前さんが言えば、その状況を打破できる道具が現れるから早く!】


「うん!分かった!!・・ワイズマン・・・・・【アイテムボックス】アイテムボックス・・・【オープン】オープン・・・【泡真珠(バブルパール)ガード】バブルパールガード!!」


(つたな)くあたしがそう叫ぶと目の前に黒い穴が現れて、『守』の字が入った真珠をあたしの手に落とした。


それに驚いたあたしは、足を(もつ)れさせ、転んでしまう!


後ろから迫った二つの影は好機だと判断して、ユキに襲いかかった!


【キーワード『バリア』】


あたしは反射的に頭の中で響く言葉を(つぶや)いた。


「きーわーど・ばりあ」


その言葉を発すると、手の内の真珠が光り、ユキを中心とした大きな泡が現れた!


襲いかかった二つの影はその泡に弾かれて吹き飛んだ。

しかし、二つの影・二匹の小鬼(ゴブリン)はそれに懲りずに再度襲いかかった。


二匹の小鬼は何度も泡に爪を立てて、泡を壊そうとしている。


「あっ・・・来ないで・・・(ガタガタ)」


あたしは現実離れした光景にもう思考が限界だった。


【・・・あら~、もういっぱいいっぱいみたいだな。この状態で戦えとは言えないな。

仕方ない!切り札を使おう。

おい!聞こえるか?】


「えっ!?何?・・・あたしここで死ぬの?」


【死なないためにこの言葉を復唱しろ

『ワイズマン・アイテムボックスオープン・泡真珠(バブルパール)ボム』っと。】


ゴブリンが強いパンチを泡にぶつけた。

泡は大きな衝撃が走り、大きく波打った。


「ヒッ!?・・・・・ワイズマン・・・グス(涙)・・・アイテムボックスオープン・・ヒック(泣)・・・バブルパールボム!!!」


再び、黒い穴が現れて『爆』の文字が入った真珠がそこから落ちて来て、ユキの手に落ちた。


【よし!それ「もう嫌だ!・・・何であたしがこんな目に会わなくちゃいけないの?あたしが何をしたにさ!!」・・・・・おい!甘ったれるな!】


「でも・・・・・」


【でももテロも無い!このくそったれの世界(クロスディア)では『何もしない』をしていたら、殺されるだけだ!】


「クロス・・・ディア?」


【ちっ!?・・・お前、地球出身か?】


「ここは地球じゃないの?」


【ここは異世界クロスディアだ!ぼ~としているとモンスターに食われる世界だ。】


「そんな・・・・・助けてよ(悲)」


【・・・すまんが、オレも余裕が無いんだ・・・こうやってオレは声とお助けアイテムを送るしかできない。

だから、お前が・・・お前自身がその場を切り抜けるしか無いんだ!】


「・・・・・分かったわ!見苦しいところを見せてごめんなさい。」


【いや、いきなり異世界に飛ばされてモンスターに襲われたら、心が折れるのはしょうがないよ。】


「え~と、田中さん!あたしはユキ、中村 雪です。何をすればいいですか?」


【・・・その真珠をモンスターに向かって投げて、キーワード『ボム』と叫んで!】


ユキは言われた通りに真珠をゴブリン達に投げた。


「キーワード・ボム」


真珠は破裂して、大きな爆音が響き、閃光が辺りを包む。






ありがとうございます!

次回は8/1 12:00更新します。

感想等、お待ちしています。

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