プロローグ その惨
よろしくお願いします。
「それではチートに関する説明をします。」
「よろしくお願いします。」
「まず、メニューと念じて見てください。」
それじゃあ、(メニュー)。
念じてみると ゲームでお馴染みのメニュー画面が現れた。
「ちなみにそのメニュー画面は他の人には許可無しでは閲覧する事は出来ません。
それではそのメニューに合わせて説明します。」
アイテム:アイテムボックスに繋がっている。アイテムボックス内で使用する事も可能。99種類のアイテムを各99個まで収納可能。
スキルー技ー:覚えているスキルを表示する。表示されているスキルを選択すると発動条件が表示される。表示されているスキルを選択し、強制発動と念じれば、自動で条件を整えて発動する。この場合、条件を満たせないと不発になる。
スペル―術―:覚えているスペルを表示する。表示されているスペルを選択すると頭の中に詠唱が走り、発動される。ちなみに魔力を練り詠唱を行ったスペルはある程度、調整可能。
装備:武器防具は持っているだけでは意味が
無い。ここで選択する事で瞬間装備が可能。
ステータス:今現在の強さを表示する。
ちなみに貴方のステータスはこうです。
マサシ ♂30歳 状態:健康 称号:水の勇者
属性:水
Lv1 HP『体力』25/25 MP『魔法力』35/35
《加護》
女神の祝福:経験値増加 スキルスペル習得しやすくなる。
水の加護:水属性の力を50%上げる、水属性のダメージを50%カットする。
攻撃力:5
防御力:3
スピード:3
魔力:8
精神:9
器用:5
スキル
特殊スキル
鑑定Lv1 『星からの贈り物』(スタープレゼント)《ユニークレア》
異世界言語理解《固定》
アイテムボックス
武術スキル
杖スキルLv1:魔力殴打・MP1・
スペル
水スペルLv1:水発射・MP2・
泡スペルLv1 《マサシ専用》
:水泡 ・MP1・
生活魔法 (各それぞれ消費MP1)
灯火 点火 飲料等
パーティー:只今、誰も仲間に入っていません。勇者のパーティーは入っている間、女神の祝福を授かる。
ヘルプ:解らない事があれば、これを選択し、ワードを入力してください。捕捉説明が表示されます。
「メニューに関しては簡単説明は終わりました。もっと詳しく知りたいのならメニューの一番下のヘルプを活用してください。」
「メニューに関しては追々調べるとして、スキルとスペルを試したいのですが。」
女神とマサシは双方立ち上がった。
「それでは、この杖を使ってください。」
女神から杖を受け取った。
メニューに
『マサシは水神の杖を手に入れた。』と
表示された。
「この杖は? それにメニューに文字が表示されたんだが。」
「杖は貴方に授ける予定だった物で、武術スキルはその種類の武器を装備しないと発動しません。メニューの文字はログです。自分に何が起きたが解るので参考になると思います。」
「そんじゃあ、装備装備。」
メニュー
→装備→水神の杖
女神フィリアが指パチンをすると白い大きめの球体が現れた。
「それではこの球体にスキルを使ってみてください。」
マサシは杖に力を入れ、
メニュー→スキル→杖スキル→魔力殴打を選択すると
ー杖を装備してスキル名を唱えてくださいー
と表示された。
魔力殴打と唱えると、 淡い光が杖を包みこんだ。その状態で白い球体を殴ると球体は割れ、杖の光りも消えた。
「それでは次にスペルのテストですね。」
女神が指パチンをすると少し離れた場所に白い球体が2つ現れた。
メニュー →スペル →水スペル→ 水発射を選択すると頭の中に詠唱が走る。
ー水の精霊の子らよ、我に力を貸したまえ、水の礫を放てー
手から水の礫が放たれ、白い球体を割りました。
「それじゃあ、次に私専用のユニークスペル。」
メニュー→ スペル→泡スペル→水泡を選択すると頭の中に詠唱が走る。
ー泡の精霊の子らよ、我に力を貸したまえ、泡よ、出でよー
手から泡がふわふわ飛んで行って白い球体に当たったが、 泡がパチンと音をたてて割れただけだった。
攻撃魔術の類いではなかったようだ。
「えっと、この特殊スキル 『星からの贈り物』(スタープレゼント)って何?」
「使用すると1日に一回限りですが無条件でアイテムを貰えます。」
それじゃあ、『星からの贈り物』(スタープレゼント)使用。
繋がりの腕輪1セット《×2》会得
鑑定結果:これを装備している同士はお互いにテレパシーで会話出来たり、アイテムボックスの共有はもちろん、互いのスキルスペルを許可されている物だけだが使用できる。
これは自分と仲間に装備させると強力な力になるな、とりあえず、自分の分は装備しておこう。
ーマサシは繋がりの腕輪を装備したー
残りの繋がりの腕輪はアイテムボックスに入れた。
「スキルスペルの練習はもういいですか?
ちなみにクロスディアの住人は一人前の戦士で多くて、攻撃用スキルが3つ程度。対して勇者は加護の影響でより多くのスキルスペルを習得できるのがチートの内容です。」
「チートについては解りました。勇者承諾のために3つ確認したい事があります。」
「はい、何でしょう?」
「私が勇者をやるメリットは何ですか?」
「勇者が世界はびこる邪気を浄化すると、勇者召喚の代償を引き受けた私が目覚める手筈になっています。その時の邪気浄化の貢献度に応じて願いを叶えます。
金 名誉 地位 女 奇跡等がありますので頑張ってください。」
「クロスディアで勇者が死ぬとどうなる?」
「勇者が死ぬと邪気を強制的に浄化する人柱になります。これは世界救命処置で10年縛られた後、召喚された直前の状態にして元いた世界に送り返します。そして、報酬無しで勇者だった記憶は消去されます。」
「何で四人も勇者がいる?手柄の取り合いで仲間割れがおきるぞ。」
「四人でも少ないぐらいです。手柄は取り合いになるほど少なくありません。それに四人それぞれが個別に浄化すると10年ぐらいかかりますが、四人が協力して浄化すると1年以内に終わる計算です。」
・・・・・とりあえず、死なないし、勇者同士戦えと言うわけでも無いようだ。何より頑張れば、望みのままが魅力的だ。
「解りました、勇者を引き受けましょう。」
「ありがとうございます。それでは水神の杖は渡しましたね。それは杖を取り込む事で成長する武器です。自分好みにカスタマイズしてみてください。」
「解りました。やってみます。」
「それではクロスディアに送ります。向こうでは私が神託によって導いた者達が迎えるので安心してください。
貴方に幸が在らんことを。」
マサシは光に包まれた。
次に意識を取り戻すと滝が一望できる崖の上だった。
周りにフードをかぶった人達が囲んでいた。
まずは挨拶からだな!
「はじめてまして、水の勇者をやる事になったマサシです。」
するとフードをかぶった人が1人歩き寄った。そして、フードを取ると金髪で狐耳の美女が現れた。
「ようこそいらっしゃいました、マサシさま。ワラワは玉藻、それではさようなら。」
「えっ?」
マサシは構える暇も無く、玉藻が掲げた丸い水晶から放たれる黒い光によって石に変えられてしまった。
玉藻が怪しげな呪文を唱えると丸い水晶は石像になったマサシに吸い込まれた。
周りのフード達も呪文を唱えると、マサシから青い光の玉が飛び出て、周りを旋回し始めました。
―水の勇者の称号を失ないました―
―水神の杖 装備解除され紛失しました―
―女神の祝福を失ないました―
―水の加護を失ないました―
―水スペル 水発射を失ないました―
―杖スキル 魔力殴打を失ないました―
―アイテムボックススキルを失ないました―
―アイテムボックスに入っていた繋がりの腕輪が外に放り出されました―
―鑑定スキルを失ないました―
―『星からの贈り物』(スタープレゼント)を失ないました―
―×′℃∞″′*◇@○▽◇●◆@○―
意識があったマサシはメニューに走るログを見て混乱しました。
マサシから飛び出た青い光の玉は旋回した後、玉藻の後ろにあった棺桶に吸収された。
その直後、雷が棺桶に落ちる。
その衝撃でマサシのいる地面は崩れ、マサシと繋がりの腕輪は滝壺に落ちて行った。
ちなみに玉藻達や棺桶は浮遊して避難した。
――――――――――――――――
クロスディアに着いてすぐの裏切り、対応できるわけないでしょうが!!?
ありがとうございます。